" "

mogu mogu MOGGY

時速1kmの思考

「整う」トマトの卵とじスープ

トマトの卵とじスープ五月某日、台風一過。のはずがいまだ低気圧が居座っているのか、腰がどうにも痛む。湿度は82から68%まで下がり、玄関をでればいい風がさらり流れていくが、部屋の中にいるとじっとり汗ばむ朝。一食目に悩む。 温かい麺類だと余計に暑い…

外道ヤナギノマイの清蒸鮮魚

柳の舞(ヤナギノマイ)魚屋をパトロールしていて一番嬉しい瞬間は、得体の知れない未知の魚に出会ったときだろう。これまでもギンポ(銀宝)やヨロイイタチウオ(鎧鼬魚)といった珍魚を紹介してきたが、本日のおすすめは「柳の舞(ヤナギノマイ)北海道産…

スティッキオに真鶴産シイラのムニエルを添えて

マックスバリュの熱海咲見町店で、毎週木曜日に地場野菜が並ぶのを楽しみにしている。珍しい野菜を見つけたときなど後先考えずに飛びつくのが常だが、過日の目玉はスティッキオという野菜だった。イタリアのフィノッキオ(英語だとフェンネルだ)に似ている…

空豆とベーコンのクリームパスタ

春はもらってばかりの季節だ。とてもとても、ありがたい。 だが時には、「こんなにもらっても・・・・・・」案件も舞い込んでくる。いや、困っていると言っているわけではなく、圧倒的物量に怯んでいるといったところか。 たとえばタケノコ、フキ、ワラビなど春の…

鶏せせりのキジ焼丼

半額で手に入れたセセリ。翌日の昼は親子丼に内定していたが、急に気が変わり、キジ丼風に。炒り卵をつけたら、結局のところ親子になっていた。本来なら肉にタレをかけながら焼いて飯にのっける食い物だが、今回はフライパンで一気に仕上げていく。 タレは師…

新ゴボウのぽりぽり醤油漬け

千葉の道の駅で買い求めた少々値のはるゴボウの醤油漬けが大変美味で、隙あらばポリポリやっていたらあっという間に食べきってしまった。歯ごたえと音を喰っているという感じもぬぐえないが、このポリポリは一種の快楽的要素をはらんでいるようで止まらない…

熱海レモンの砂糖漬け

国産無農薬だけど売り物にするにはちと厳しいというレモンを、八百屋が大量に届けてくれた。多少黒ずんでいたり傷がついているが、自分的には無問題の品質だ。ジューシーで香りもよい。なにより無農薬のブツが手近にあるというだけで、熱海に移住した甲斐が…

タケノコと牛肉のオイスター炒め

タケノコもそろそろ使い切らなければならない。 今シーズンは生と茹でを両方買ったが、米糠なしで生から茹でたほうがタケノコの香りが感じられ、味も素直でよかった。茹でてあった方は酸味とえぐみをダイレクトに感じる。なにか入れてあったのだろうか。それ…

ワタリガニのトマトクリームパスタ

半額シール貼られたワタリガニ。死にたてだろうか・・・いや瀕死くらいだ。カニをじっとり観察していると、カニ嫌いの家人が横にやってくる。「もうさ、買ったら?また後悔するよ」のひと言に背中を押され、刹那にかっさらった。夕餉はトマトクリーム一択だ。湯…

鶏つくねの若竹煮

たけのこ料理の代表格である若竹煮。 かつて教わったやり方は、たけのこを薄味で炊いて味を含ませてから、新たに出汁を炊いてワカメとさっと合わせるものだった。繊細な香りが口のなかに広がり、あぁ、しみじみ旨い。「こーいうのでいーんだよ」と日本人であ…

小さな鯛で祝杯を

腰痛に悩まされて10年ほどになるが、先月、ついに痛みに耐えかね、病院送りとなった。CTやMRIなどかなり大げさな検査を経て、進撃の巨人のような画像を確認したところ「第4頸椎に軽度のヘルニア」が見つかった。 「で、あるか」。すとんと腹落ちしたと同時…

令和のタケノコの茹でかた

頼んでおいた筍を、八百屋が手配してくれた。生を所望したが、茹で済みもあり、どちらもただのような価格。あまりに申し訳ないので石垣産のパイナップルも購入。都合6本くらいの筍を消費せねばならない。 筍は糠と唐辛子で茹でるが定石だが、令和では水のみ…

ダルバート覚書 ②

3月中旬、友人らが来熱。金曜日の午後、各々仕事が終わり次第、集まることになった。気の置けない仲だし、もう若くもないから、待ち合わせ時間とか細かいことはどうでもよくなった。とにかく金曜日のうちに熱海に集合できれば良しとする。こうなると悩ましい…

牡蠣と熱海レモンのマリネ

庭仕事の疲労が抜けない。まるで鉛製の背後霊に憑かれたかのように気だるく、ギリギリの戦闘力でスーパーを徘徊。パック売りしている牡蠣を見つけた刹那、身体の全細胞がタウリン!と叫んだ。 そういえば去年の今頃は厚岸から殻付きの牡蠣が届き、引越後の錆…

イドニッシュオムレツ

熱海に移住して2年目。2月までにはやることがある。庭の木の剪定だ。 去年はびびりすぎて九分刈りにとどめたせいか、夏を迎えるころに庭はジャングルと化した。ジャングルは天国なのだろう。虫も鳥も動物もひっきりなしに現れ、人生を謳歌していた。生半可な…

ダルバート覚書①

上から時計回りに、ジャガイモ、干し大根、チキンカレー、トマトと発酵青唐辛子のアチャール、水菜の漬物、ダルスープ熱海駅前の第1ビルに入っているネパール料理屋「circle(サークル)」で、ダルバート定食をはじめたとききつけお邪魔した。チキンカレー…

出汁要らずなのに旨い鶏ひき肉のフォー

骨から透き通った出汁をひき、鶏肉を茹で、湯がいた米麺を丼に盛りつけ熱々のスープをはる。ナンプラーやレモンで好みの味付けにし、香草や野菜のせていただく。 鶏肉のフォーはまじめに作ろうとするとけっこう手間がかかる食べ物だ。朝にさくっと食べたいと…

青梗菜と椎茸の塩炒め

目覚めると、左顔面が鈍く痛む。どうしたことか。そっと触れてみても判然としない。寝ぼけ目でよろよろと洗面所へ向かい、電気をつけると、鏡のむこうにお岩さんが立っていた。左目が腫れ上がっているのだ。顔を近づけてよくよく観察すると、顔面の左側だけ…

ムツのアクアパッツァ、コブミカン風味

ムツのアクアパッツァ移住してから魚が手に入りやすくなったこともあり、夕食にアクアパッツァが定番化している。今回は湯河原で手に入れた地元のムツだ。全長約20cmと小ぶりだが、むき出した歯は鋭く、獰猛な面構えをしている。アンコウやタラと同じく深海…

熱海雑魚定食(カゴカキダイ・カイワリ・キントキ)

キントキ・カイワリアジ・カゴカキダイトロ箱には夢がある。 極小魚、珍魚、場違いにトロピカルな魚、ちょっと傷ついて値がつかない魚。世の中から弾かれてしまった者たちが、ひとつの箱に無秩序に並んでいる。宝箱をひっくりかえしたような陳列なので、底の…

藻塩で漬けるシンプルな白菜の漬け物

関東で雪が積もる天気予報。白菜を漬けるには絶好の日和だ。 今回は八百屋に教えてもらったコツを踏まえてバージョンアップする。 konpeito.hatenablog.jpおおまかな工程はこのような感じだ。 ①白菜を切る ②干す ③洗う ④下漬け ⑤本漬けたびたび失敗を繰り返…

八百屋に学ぶ白菜の漬け物のコツ

普段の食事のあれこれに物言いをつける家人だが、こと漬け物に関してはまことにうるさい。市販の漬け物にも手厳しく、「これは甘い」だとか「余計な味付けがしてある」だとか、難癖をつけるのが趣味なのだろうか。もしくは単なるマニアか。ではどんな漬け物…

カイワリアジはひっそりと

カイワリ @湯河原のFinds Foodカイワリアジは真鶴の駅前にある「江戸前鶴鮨」で食べて以来、推し魚のひとつだ。扁平だけど尾には背骨のようなぜいご有。つまりはやはり、これでも鯵の仲間なんだろう。 近代魚類分類学の父・田中茂穂の『魚の味』によれば、鯵…

セロリの葉のかき揚げ蕎麦

「セロリが好きなんだよね」と軽はずみなことをいったばかりに、八百屋は毎週、立派なセロリの株をもってきれくれる。その葉ぶりも見事なものだから、捨てるに惜しい。 セロリの葉は、スープやベジブロス、サラダ要員として登板させることが多いが、この冬は…

酸っぱくなった白菜の漬け物で酸菜白肉鍋

いつもの八百屋で白菜ひと玉120円だった。破格である。 玉が重たく、巻きもしっかりしていて良品だ。漬け物にでもしようと、えっちらおっちら持ち帰る。 二度漬けして食べ頃になったのが正月前のことだ。おせちづくりも一段落をおえた年末。今年もまた「孤独…

業務スーパーの火鍋の素はガチだった

業務スーパーの火鍋の素全国的に寒波がくるというニュースをききつけ、薄切りの羊を買っておいた。築90年を迎える我が家はとにかく寒い。ここは火鍋で乗り越えようという目論みだ。 懐疑的だった業務スーパーの火鍋の素はかなり本格的だ。それに棗、ショウガ…

辛子味噌ラーメン赤龍に沼る

辛味噌ラーメン赤龍ラーメンのなかでも味噌味を格下にみている節があった。地域性や世代もあるのかもしれないが、やはりラーメンは醤油、次点は塩。そうなると味噌の出番はそうそう回ってこないのだ。そして味噌味は、なぜか途中で食べ飽きてしまうこともし…

クリガニとボレロ

クリガニの甲羅焼き伊豆山の魚屋・魚久でクリガニを手に入れた。一杯350円。自分の手のひらよりも小ぶりだが、しっかり生きている。連れ帰ってすぐに店でもらった海水に放ち、蒲鉾を与えた。最後の晩餐になるだろう。カニ初見の黒猫を傍らに存分に観察したの…

メアジのお味は

真鶴産メアジ熱海に移住した当初から気になっていた魚がいた。メアジだ。手元の魚図鑑にも掲載されておらず、情報が少ない。価格は良心的だが、マアジと並べて売られていると、まぁわざわざ冒険せずともと、ついつい食べ損ねてきたのだ。地物を取り扱ってい…

移住して一年。熱海での害虫・害獣対策

熱海に移住して無事に1年がたった。 生活は一変した。なにより、マンション暮らしから平屋になったところが大きいのだろう。 窓にのぞむ相模湾の絶景、癒やしの温泉、階下を気にせず走り回る猫・・・・・・移住のメリットはたくさんあったが、もちろんいいことばか…