熱海駅前の第1ビルに入っているネパール料理屋「circle(サークル)」で、ダルバート定食をはじめたとききつけお邪魔した。チキンカレーとダルスープ、惣菜4種とパリパリ煎餅がついて980円だ。
気に入ったのはネパール風のポテサラだ。苦手なキュウリが混入していたにもかかわらず、スパイスの力か、軽く火を通してあるのか、ぱりぱりした歯触りが小気味よい。米と汁と惣菜が混ざり合って一口ごとに食欲がブーストしていくダルバートは、つくづく沼のような食べ物だと思う。黙々とスプーンを動かし電光石火で完食。我に返ってふと棚に目をむけると、Amazonの買い物リストにはいっていた豆、ダールを売っているではないか。即1kg購入した。
記憶が新鮮なうちにダルバートにとりかかる。
メインはダルスープとチキンカレー。惣菜はジャガイモ、大根、トマトのアチャールでどうだろう。
家人は10分でダルバートを飲み干し「もっと喰いたい」と言いながらホッケーへ出かけた。
まぁ、お茶漬けみたいなもんだからな。ダルスープは懐かしい恵比寿のソルティモードを思い出しながら、旨味は足さずにシンプルに。
すべてのアチャールにレモンを投入しているが、熱海に移住してよかったのは国産レモンが安いこと。惜しみなく搾りまくる。
ダルスープ
一口食べて衝撃を受けた、恵比寿の老舗ソルティモードを目指す。トマトやニンニクは足さず、あくまで豆が主役。ポイントは悪魔の糞と呼ばれるほど強烈な臭いを放つヒング(アサフェティダ)なるスパイスだ。プラスチックの筒に入っているが、臭いが漏れるので我が家では筒ごと瓶に密閉している。
宗教によってはニンニクはタブー食材だ。たとえばヒンドゥー教では五葷(ごくん:ニンニク、ニラ、ラッキョウ、タマネギ、アサツキ)は禁忌とされている。日本でも精進する山伏が行者ニンニクを隠れ食いしていたと聞いたことがある。ニンニクやタマネギを使えない厳格な者でも食べられ、かつそそる香りをつけてくれるスパイスがヒングなのだ。
イエロームングダール | 100g | 洗ってザルにあげておく |
タマネギ | 1/4個 | 粗みじん |
水 | 700cc | |
無塩バター | 10g | |
乾燥唐辛子 | 2本 | |
●ホールスパイス | ||
クミン | 小さじ1 | |
●パウダースパイス | ||
ターメリック | 小さじ1/2 | |
ヒング | 耳かき1杯 |
- 豆と水を火にかけ、沸騰したらアクをとり、ターメリックを加え、豆が指で潰せるくらい柔らかく煮る。
- 熱湯で水分を足し、好みのとろみになったら塩で調味。ご飯にかけるのでちょっとしょっぱいくらいが旨い。
- 小鍋でバターをとかし、唐辛子、クミンを加える。パチパチはじけてきたら、ヒング、タマネギを加え、うっすら焦げ付く程度になったら、豆の鍋に加え、10分ほど煮る。
大根のアチャール(ムラコアチャール)
本来は大量につくって発酵させる漬物のような存在だが、はやく食べたかったのでレモンと発酵唐辛子でまとめた。とはいえ大根を干して、調味料を加えて一日寝かせたので、3日はかかる。
大根 | 4cmの長さの輪切りを2本 | 拍子切り |
発酵青唐辛子 | 1本 | 細く斜め切り |
白ごま | 大さじ3 | すりつぶす |
レモン | 1/4個~ | だんだんと発酵するので少なめに |
●ホールスパイス | ||
マスタードシード | 大さじ1 | から煎りしてすりつぶす |
フェヌグリーク | 小さじ1 | |
ショウガ | 1片 | すりおろす |
ニンニク | 1片 | すりおろす |
●パウダースパイス | ||
ターメリック | 小さじ1 | |
クミン | 小さじ1 |
ジャガイモのアチャール(ネワリアチャール)
スパイスの効いたネパール風ポテトサラダ。ぶっちゃけジャガイモとタマネギ以外はなにをいれても問題なさそう。歯ごたえのある野菜が合う。
ポイントは、生野菜に熱々のスパイスオイルをかけてから、ジャガイモと馴染ませること。発色と歯ごたえもいいし、芋が油っぽくならない。
ジャガイモ | 2個 | 皮ごと水に入れ、柔らかくなるまで茹でる |
タマネギ | 1/4個 | 薄切り |
ニンジン | 1/4本 | 細切り |
ピーマン | 1個 | 細切り |
パクチー | 適量 | ざく切り |
米油 | 大さじ3 | |
黒ごま | 大さじ1 | すりつぶす |
レモン | 1/4個 | |
●ホールスパイス | ||
フェヌグリーク | 小さじ1 | |
●パウダースパイス | ||
ターメリック | 小さじ1 |