骨から透き通った出汁をひき、鶏肉を茹で、湯がいた米麺を丼に盛りつけ熱々のスープをはる。ナンプラーやレモンで好みの味付けにし、香草や野菜のせていただく。
鶏肉のフォーはまじめに作ろうとするとけっこう手間がかかる食べ物だ。朝にさくっと食べたいと調理にとりかかっても、スープを煮込むうちに昼をまわってしまうだろう。もっと手軽につくる方法はないかと思案していたところ不精の神が降りてきた。「鶏ひき肉でフォー!」。筋骨隆々の神は、黒革でぴちぴちの装束をまとっていた。
それはそうと、鶏ひき肉のフォーは、出汁要らず。そして1人~大人数まで量を調節しやすく、調理時間も短い点で大変にお手軽だ。
ポイントはひき肉に日本酒と塩少々加えて、肉をほぐしてから点火。肉から透き通った汁気が出るまでしっかりと炒めて鶏そぼろにすることだ。酒の旨味が加わり、さらに酒が蒸発する力で鶏肉特有の臭みなども消してくれる。これは和食の師匠に教わった鶏そぼろの作り方で、これに醤油や砂糖を加えれば定番の鶏そぼろご飯もおいしくできる。
炒めた鶏そぼろに水を投入して沸かし、入念にアクを取ったらスープ完成。藻塩やナンプラーで味調整する。もちろん骨からとったスープには劣るだろうが、思い立ったらすぐにありつけるこのフォーは、我が家の救世主だ。
鶏ひき肉のフォー
鶏ひき肉 | 170g | |
●日本酒 | 適量 | 挽肉がひたひたになるくらい |
●塩 | ふたつまみ | |
水 | 800cc | 一人400ccのスープで換算 |
塩or藻塩 | 小さじ1 | |
ナンプラー | 少々 | |
野菜 | 適量 | モヤシ、薄切りのタマネギetc |
薬味 | 好きなだけ | パクチー、レモン、唐辛子、フライドオニオン、ネギetc |
フォー | 180g | 商品によるが、20分くらいぬるま湯につけておく |
つくりかた
- 鍋(やっとこ鍋19.5cm使用)に鶏肉、日本酒、塩を加えて、しっかりほぐす。
- 点火して、混ぜながら火を通す。酒が蒸発し、肉から出た濁った汁が透明になるまでしっかり炒める。
- 水800cc、あればパクチーの根やショウガを加えて沸かし、適宜アクをとる。10分ほど弱火で煮込み、塩とナンプラーで味を調整。
- フォーを茹でて器に分ける。
- 挽肉、生野菜をのせて、熱々のスープをかける。