我が家の台所は狭い。だからこの鍋を買った理由はひとつだ。重ねられて場所をとらないからである。直火で使える浅鍋と深鍋、そして穴あきのコランダーとボウルにガラスの蓋が付属している。直径14.5cmの小ぶりな鍋が届いたとき、「ボウルはいらないから、鍋をもう一つ増やしてくれればいいのに」というのが率直な感想だった。ステンレスのボウルはすでにいくつか持っていたから、なかなか出番が回ってこなかったのだ。
浅はかだった。ボウルに土下座したい気分である。このボウルはたいへんに便利だったのだ。炊き味噌やカルボナーラといった、ちょっと火を通しすぎると後戻りできない料理の成功率がぐんと高くなったのである。湯煎することで火の通りが柔らかくなるので、素人の私でも焦ることなく調理に集中できる。
「ホテルのスクランブルエッグが食べたいなぁ」
すっきりとした青空の広がる清々しい日曜日の朝は、このボウルの出番である。
石黒鍋でつくる休日のスクランブルエッグ
材料
玉子 | 4個 | |
バター | 20g | もっと多くてもいい |
生クリーム | 大さじ2 | |
牛乳 | 大さじ2 | |
塩・胡椒 | 適量 |
つくりかた
※石黒智子の重ね鍋の一番深いものとボウルを使う。
- 深鍋に湯を沸かす。
- ボウルに玉子、バター、生クリーム、塩をいれてよくかき混ぜる。
- 深鍋にボウルをのせ、湯煎しながらスパチュラでかき混ぜていく。
- 卵液がとろとろのいい具合になったら皿に盛り、好みで胡椒をかける。
組み合わせで広がる調理法
重ね鍋の組み合わせによって調理の幅は広がる。
①コランダー+深型鍋=蒸し器
②コランダー+浅型鍋=茹で&水切り
③ボウル+深型鍋=湯せん&温め
ホテル仕様のスクランブルエッグの場合は、③を利用したわけだが、①なら小さめの芋やトウモロコシなどは手軽にふかすことができる。
ちなみに、パスタをつくるときには②を深型鍋にして利用している。
取り扱い注意点
- ボール・コランダーは火にかけての使用不可
- 空だき禁止
- 使用後は乾燥させる
- 焦げ付き等を落とすときは、金属製の固いものは使用しない
- 油温は200度以上にしない
- 空だきした後、急冷しない
- ストーブの上で使用しない