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時速1kmの思考

暮らしの散文

丹波の黒豆

丹波の黒豆年に二回届く丹波の黒豆。早生とよばれる若い黒豆は8月、そして秋深まる10月にはさらに完熟したものが送られてくる。 今年も叔母から、東京の母経由で送られてきた。日照りがよかったせいか豊作だそうで、あいかわらず見事な大粒だ。 2023年秋きた…

ミズカマス飯

なぜ元恋人というものは、突然に現れるのだろう。しかも夢の中にだ。 今回はすでに別れている設定らしく、駅前のホテルの前でばったりとでくわすと、「アッ」などと素っ頓狂な声をあげていた。 「アッ」と言いたいのはこっちである。君が勝手に私の夢に登場…

鰯の肝を喰う

8月6日、熱海。 朝から雨と晴れが拮抗している。夕方になると、水面のあちらこちらがふんわり浮いていた。雲の影響だと思うが、淡くてとてもいい。2ヶ月ぶりに伊豆山の魚屋、魚久へ。五月から店舗のリニューアルをしていたうえに、我が家も車がない時期が重…

正しい干物の焼き方を考える

移住してからちょくちょく、干物を買うようになった。 一品足りない時は、干物屋へ走る。 「犬も歩けば干物屋へ当たる」くらいに熱海の干物屋は充実している。これまで干物にまったく興味のない人生を歩んでいたが、いまではそれなりの干物女と言えるのでは…

冷やしたぬき蕎麦

「食品サンプルみたいだね。あっ、誉め言葉だよ」「いただきます」の前のひと言をどう受け止めたらいいのかは不明だったが、昼こしらえた冷やしたぬき蕎麦はうまかった。 うどんならきつね派なんだが、蕎麦だとたぬき派なのは、完全にマルちゃんの戦略に踊ら…

伊豆山土石流災害から2年

サイレンの音で目が覚めた、7月3日。 熱海・伊豆山で起きた土砂崩れから丸二年がたった。この災害で国道135号線が封鎖され、在来線も止まり、家の内見が延期になった。 携帯で撮影された映像をテレビでみたときは、現実のこととは思えなかった。そしていま熱…

赤備えの花咲蟹飯

かに飯なのかヤドカリ飯なのか、いまだに謎店頭では異彩を放っていたんだが、連れ帰ったらややキモいなという印象だったハナサキガニ。GW中に花咲蟹飯と洒落こもうという目論みだった。ハナサキガニの概要を所々からかいつまむとこうある。 ・旬は夏(7~9月…

熱海製麺で食す、相模湾印の濃厚魚介ラーメン

伊豆山の魚屋・魚久で熱海製麺の生ラーメンをみつけた刹那、貯金を全額ひきおろす時がきたと確信した。 konpeito.hatenablog.jp冷凍貯金しておいたのは、チダイが7尾に、ホウボウが1尾のアラをこんがり焼いたものだ。熱海では金目鯛ラーメンが名物なので、チ…

蜜柑の花と鯵三昧

週に一度は、新聞やペットボトルといったリサイクル系のゴミを捨てに、湯河原のスーパーを訪れることにしている。ゴミを捨てるだけでポイントが溜まるというシステムが、自称ポイント乞食である家人のガッツに火をつけてしまったのだ。通常運転なので諦めつ…

飲める刺身、「快力」

快力騒々しいカエルの合唱で目が覚めた。まだ5時前だ。猫が窓の外をじっとり眺めているので覗いてみたら、小鳥とは言えぬ、じゃあ中鳥か、くらいのサイズが数羽、喋りまくっていた。とにかくやかましい。 「茶色・鳥・うるさい」で検索してみると、正体はす…

初夏の薬味蕎麦

薬味蕎麦「椿の新芽を毛虫が食べにくるんですよ」 そう隣人が教えてくれた。我が家にも椿の木が4本、植わっている。移住するまでに時間がかかったから、すっかり巨大化しており、窓から見えるはずの初島をすっぽり隠してしまっている。毛虫も山ほどいるに違…

温泉×MYTREXのシャワーヘッド

本ブログは食に関する投稿をメインだが、リフォーム・熱海への移住に伴い生活が一変したので、備忘録として残しておきたい暮らしのことも細々と書いていきたいと思う。 先日、入浴システムを銭湯スタイルに変えたという話をした折、「浴室はリフォームを行わ…

入浴システムは銭湯スタイルで

本ブログは食に関する投稿をメインだが、リフォーム・熱海への移住に伴い生活が一変したので、備忘録として残しておきたい暮らしのことも細々と書いていきたいと思う。 熱海といえば温泉。 そして我が家の風呂は、温泉だ。黄色くて、しょっぱい。家を購入し…

アラを干物化して冷凍貯金にする

ち鯛532円@小田原明日の土曜日、友人が来熱する。隅から隅まで、掃除などせねばならない。庭の手入れもせねばなるまい。飯もつくらねばならない。酒も調達せねばならない。 にもかかわらず、なぜ魚を買ってしまったのだろう。 こんな時に限って、魚が安いの…

新聞紙で包丁を収納する小技

「包丁に椿油を塗って保管しておくと切れ味が長持ちしますよ」と教えてくれたのは仮住まいの最寄りスーパーに月一で現れる研ぎ師の兄さんだ。ただ毎度それをするのか?と問われると、ズボラの民には厳しいものがある。そこで注目したのが、研いだあとの包丁…

クレヨン王国に移住しました!

コロナで在宅勤務になり、仕事部屋が必要になって品川を引き払ったのが2019年師走。横浜に腰を落ち着け、背水の陣での家探しが始まった。 当初は湘南や三浦が射程圏内だったが、世は地方移住と大河・鎌倉殿のブーム真っ只中。折り合いつかぬままどんどん南下…

ソーメン神7

素麺といえば「揖保の糸」の一択。 というのも、母の故郷は兵庫県。親戚が贈ってくれた夏の中元といえば、もれなく素麺かカルピス、ときどきゴーフルだった。トップ当選はカルピスだ。 カルピスが嫌いな子供が昭和にいただろうか。そもそもジュース類をあま…

見切り野菜のスープ

食材の買い出し前に古本屋を散歩するのが最近唯一の運動だ。 つま先立ちで腕と首を伸ばして上段の棚を眺め、中段は足を肩の位置まで開き腰を捻る。下段ともなればなかばスクワットの状態まで腰を下ろすから、長居すればするほどじわじわと効いているはずだ。…

羊の串焼き

目的もなくスーパーをふらつくとこういうことになる。 ソテー用のラム肉が半値まで落ちているのだ。 厚みは2cmほどか。しかも残り2パック。ややドリップがでてるものの黒ずんだところもなく、悪くない。いや、上等上等。そうして不用意に買ってしまったラム…

明日葉の天ぷら蕎麦

明日菜の天ぷら蕎麦明日葉の天ぷらを初めて食べたのは、もう10年以上も前のこと。友人のデザイナーに連れて行かれた原宿の雑居ビルにある八丈島料理の専門店だった。さくさくに揚がった明日葉は軽やかで、ほろ苦く、野趣あふれている。食べるほどに健やかに…

2022年のおせち備忘録

2022年元日あけまして おめでとう ございます2021年の一大事といえば、家を買ったことだろう。 築88年の古民家はそこかしこにガタがきていて、一筋縄ではいかないボロ具合だった。猛暑を予感させるかんかん照りの6月。がらんとした薄暗い室内は蒸した陰気が…

梅流しうどんにご注意あれ

温梅おろしうどん師走だ。 師走だというのに、謎の腹下しで悶絶している。熱もなければ吐き気もなく、腹は痛いが腹は減り、食べればトイレに直行せざるを得ない事態が続いているので、食事の選択肢が限られてしまう。基本的には粥、白米、蕎麦、うどんで回し…

マゾと銀杏

地獄の銀杏割り秋晴れの日曜日の昼間、ようやく重い腰を上げる。一週間前に購入した銀杏を、いいかげんどうにかしないとマズイ。家人は昨晩アイスホッケーに興じるため東京へ向かい、翌日は午後から上野で草野球。帰宅すると寝る時間がないから都内で野宿す…

山うにとうふを隠密食いする

山うにとうふ「珍味が食べたくなる」という謎のワクチン副反応で衝動買いしてしまった「山うにとうふ」。本当にウニの味がするのか期待先走るところだが、ここは平常心で臨むべくまずは説明書に目を通す。 これは豆腐の味噌漬けである。 壇ノ浦の戦いで滅び…

思いがけないワクチンの副反応

熊本のごちそう「山うにとうふ」2回目のワクチンを打ち終えた。 会場は前回と同じく横浜の集団接種会場だ。5時半の予約で偶然にも一番乗りの席に通され、滞りなく事務的な手続きを終え、白い布で仕切られた問診ブースに招かれる。「どうもこんにちはー!」 …

魚屋のおばちゃん推し「ホウボウは天ぷらにせよ!」

さっさと仮住まいから脱却したい思いとは裏腹に、新居探しは難航している。 土地勘のある宮古島とかグアムなんかに移住してみたいが、家人の仕事の状況からしてさすがにそこまでは踏み切れず、とにかく東京へのアクセスがよいところ、海が見えるところ、安く…

省エネ紅天うどん

やむにやまれず、今年から紅ショウガは自分で漬けることになった。というのも、いまは実家から離れた土地に住んでいるからだ。毎年5月の終わりごろになると母の漬けた紅ショウガをもらい受けるのが恒例となっていたが、以前ほど気軽にいける距離でも状況でも…

魚焼き器でホットドッグを焼いてみる

どうやって焼けばいいんだ!? 猫に食べられないよう冷蔵庫に隠しておいたホットドッグ用のコッペパンは、すっかり冷えきってしまったうえに、固い。もともと食パンや好物のイングリッシュマフィンは、台所に備え付けてある魚焼きグリルで焼いているが、高さの…

プロに学ぶ、「おいしい。を伝える料理写真のテクニック」

健康そうな朝ラー/おいしい。を伝える料理写真のテクニック「モデルになってくれ!」と依頼され、我が家にやってきたのはフォトグラファーの和田剛氏と、YouTube「MINI_LIFE」を主宰している動画クリエーターの北村氏だった。撮らせてくれといっても、モデ…

コロナを超えていけ! 2021年おせちの記録

11月の引っ越し、それによる腰痛の悪化、整骨院通いなどが続き、精根尽き果て泥のように寝込んでいた2020年の年末。今年はもう、おせちをつくるのはやめておこうと諦めていた折に、一本のメールが届く。 「よかったら一緒におせちつくらない?」 いま失業中の…