2018-01-01から1年間の記事一覧
この時期タラが安く出回っているが、寒いからといって鍋ばかりだとさすがに飽きてしまう。 そこでクロアチアで食べた忘れられない魚のスープをつくることにした。安くて、具だくさんで、栄養満点。貧乏旅行者にとっては涙がでるほどありがたい食べ物だった。…
安くてうまい冬大根の季節。 ちょこちょこ大掃除にもとりかかっている。普段使わない筋肉を使うせいか、もしくは日々の掃除がずさんすぎるのか、たいしてきれいになってもないのに、疲れだけは一人前。だから師走は簡単につくれる料理が好ましい。正月に向け…
低温調理したローストポークは大好物なんだが、とにかく時間がかかりすぎることが難点で、ヘタすりゃ数日がかりになることさえある。 美味いものを喰うには時間(と金!)がかかるのはわかっているんだが、今日はさくっと、シンプルに焼きたい。というのも、…
魚屋で特売だったのはヨロイイタチウオ。漢字で「鎧鼬魚」と書くらしい。ちょっと変な顔だし、どんな味がするのか皆目検討もつかないが、好奇心が勝って連れ帰った。顎ヒゲが生えていることから、関東では「ヒゲダラ」とも呼ばれるらしい。 ヨロイイタチウオ…
馴染みの漬物屋で「青唐エリンギ」という総菜を買ってみたところ、これが大ヒットだった。見た目はメンマのようだが、それを裏切るシコシコ食感。どちらかというと無味無臭で食感勝負なエリンギだが、こんなうまい食いかたがあったのかと嬉しくなった。その…
11月の下旬あたりからレディーサラダを見かけるようになった。例年に比べてやや小ぶりな気もするが、寒さが深まればきっと大きく育ってくれるだろうと期待している。 レディーサラダは神奈川県の三浦が発祥で、あの有名な三浦大根に外国産の品種を掛け合わせ…
見渡す限り茶色い畑。刈り取られた稲の合間を群れのカラスがついばんでいる。ゴッホの描いた麦畑に似ているような気もするが、ここは千葉の君津だ。代わり映えしない景色が流れていくうちに現れたのは、丘の上にそびえる場違いなほど巨大な建物だった。「あ…
By Fir0002 - 投稿者自身による作品, GFDL 1.2, Link 蜂はどこへ消えた? 蜂が地球上から消えているというニュースを見た。どうやら、人間には無害(と言われている)のネオニコチノイド系農薬が、蜂にとっては有害極まりないもので、蜂が失踪している、もし…
日本のエディブルフラワー代表格といえば、食用菊だろう。 そもそもなぜ菊を食べる文化が広まったのか、その歴史は江戸時代後期にさかのぼる。当時は魚を捌いてから売る屋台の「刺身屋」が流行っていたという。おそらくこれは、醤油が大量生産されるようにな…
「なんでおでんに竹輪麩入れんねん!」 「竹輪麩うまいじゃん!」2018年「ボジョレーを飲まない会」も終盤にさしかかるころ……もともとは「ボジョレーを飲む会」だったが、ひとり一本以上のボジョレーはあまりに翌日の代償が高いことを年々痛感するようになり…
店では魚をまるごと仕入れると必ずアラがでるんだが、板長が賄いで出してくれる潮汁が最高だ。特に鯛は骨までしゃぶりつきたくなるほどうまい。捨てるところなし。 腐っても鯛とはよく言ったものだ。そこで鯛のアラを使って、和風の鯛パエリア、いや洋風の鯛…
鰤のカマの調理法といえば「焼く」「煮る」くらいしか思いつかなかったし、実際それが定番だろう。 だから、鰤のカマを揚げて、酸味の利いたタレにつけこむ「ぶりかま酢」という料理を板長がつくってくれたときはとても新鮮で、すっかりはまってしまった。カ…
食べるラー油が一世を風靡したのが2009年の頃。それまでは餃子につける「赤い色をした油」であり、あくまで中華専用の調味料だった。いつのまにか日本中にご当地ラー油が現れ、そしてまたたく間に日本人のラー油熱は収束していったかのようにも見えたが、そ…
魚屋でたまに見かけるメゴチ。たいてい売り場の目立たない場所においてある。 だがこちらもギンポと同じく、江戸前天ぷらの雄。1パック200円と格安なんだが、残念なのは「こちらの魚は下処理いたしません」とパックに明示してあることだ。たしかに、この小さ…
銀座でいつも立ち寄る田中屋という蕎麦屋がある。私のなかではちょっと贅沢な蕎麦屋というカテゴリーに入る。 今日は山かけせいろを堪能し、お勘定をしているときふと、レジ脇に積んであるB5変型サイズの冊子が目に入った。ページを捲ると、記事は蕎麦に関す…
すっかり秋も深まって、いつのまにやらカボスの季節。毎年思うことなんだが、あと数ヶ月で一年が終わるなんて震撼する。今年はいったい何をやってきたんだろうと。 さらに参ってしまうのは、毎年のように「これはカボス? それともスダチ」と同じ会話をくり…
エプロン選びにあれだけ苦労するとは思いもしなかった。デパート、大型スーパー、雑貨屋などあちこち見て回ったが、どれも一長一短。ピンとくるものがなく、あったとしてもえらく高値のものばかり。 もうなんでもいいかと、あきらめかけたころ見つけたのがこ…
季節はずれの真鱈を発見。 はて、夏のタラはうまいんだろうか? 切り身自体は透き通っていて食欲をそそられる。 調べてみると、夏のタラは白子や真子をなんかをたくわえてないぶん身に旨みが凝縮されるそうで、冬のタラとはまた別格のうまさがあるという。仕…
夏のヘビロテ飯は冷豚しゃぶサラダ。「夏の」といったが、季節を問わず豚しゃぶは食卓の救世主だ。超速、簡単、栄養満点の万能飯だと思う。 さて、そんな誰でもつくれる冷豚しゃぶサラダだが、私なりのコツがある。 肉を広げて軽く塩をふる 沸騰した湯で茹で…
最高のポン酢——それはまろやかな酸味で料理を引き立ててくれる名バイプレーヤー。シンプルな食材、混ざりっけ一切なしのポン酢は、背筋がシャキッと伸びるような爽快さと、胃袋の細胞が覚醒するような滋養があり、「もうこのポン酢さえあれば!」という気に…
カドゥン ピカ(Kadon Pika)は鶏肉を醤油、酢、タマネギ、ニンニク、唐辛子で煮込んだグアムの辛い鶏肉のシチューだ。 グアムの先住民チャモロの言葉で「カドゥン(kadon)」は「シチュー」、「ピカ(Pika)」は「辛い」という意味。グアムの代表的家庭料理…
カボチャの煮物というと飯のお供だけど、冷たくて、甘くて、キンキンに冷やした白ワインに合うカボチャの煮物もこの季節にはいい。醤油味のカボチャの煮物は崩れないように煮ていったが、ハニーバターの場合はすこし煮崩れているくらいのほうがコクがあって…
さば缶初心者の私が、伊藤食品の「美味しい鯖水煮」の次に手を出したのが、やまめのさば水煮。銀座の百貨店でひときわ目立っていた商品だ。缶切りが必要なタイプの缶詰は久々かもしれない。原材料は鯖と塩のみだが、オイル漬けかと思うほど脂がたっぷりと染…
さば缶の進化には「恐れ入った」としか言いようがない。 なんせ、あの王道ツナ缶を抜いてついに水産缶詰第一位に躍り出たというんだから、さば缶熱は日本列島を席巻しているとみえる。一昔前は猫が舌なめずりして寄ってくるあの生臭さにどうも拒否反応があっ…
記録的猛暑。 飯を作るのも、口に運ぶのもめんどくさい熱帯夜がこれでもかとやってくる。 そろそろ噛むという行為すらウンザリしてきた。それでも体は毎日、野菜をほしがっている。だからガスパチョを作ることにした。ご存知スペインが世界に誇る冷製スープ…
バイ貝とかツブ貝とか、とにかく巻いている貝を見つけると気持ちが高ぶってしまう。遺伝子に刻み込まれた採集時代の名残かもしれない。幼いころ葉山の海で大人の拳ほどある巻き貝を見つけた。ぬるっと殻からはみ出した身に興奮した人生初の採集。地元のおじ…
モヤシで感動するなんて、人生で何度あるだろう。今日はすごいモヤシ料理の話をしたい。板長がまかないでつくってくれたのはボウル一杯の、出汁にひたしたモヤシだった。まぁ正直、なんの変哲もないモヤシのおひたしに少しがっかりしたのも事実。それを察し…
宮古島ではいつも平良を拠点にしている。というのも、宮古島の繁華街・西里にほど近く、どれほど深酒しても歩いて帰ってこられるという酒飲みのわがままと安心感の狭間の地なのだ。 ドミトリーと個室一室の小さな宿だが、こざっぱりとして風通しのいいその場…
ここ十年ほど毎年のように通っている宮古島。なんで飽きもせずまた宮古島? と周りはいぶかしがる。自分でも不思議なくらいだが、あのゆるりとした風、身体に突き刺さる太陽光線、無色透明の海、夜な夜な浴びる泡盛がすっかり体に馴染んでしまったんだろう。…
大寒を過ぎた3月、人生初の味噌を仕込んだ。 konpeito.hatenablog.jp梅雨が明けると同時に、味噌は「天地返し」という作業をする。天地返しとは、味噌を空気に触れさせる作業で、味噌の発酵がすすみ風味が増すのだ。 これが宮古島へ旅立つ前の最後の仕事にな…