食べるラー油が一世を風靡したのが2009年の頃。それまでは餃子につける「赤い色をした油」であり、あくまで中華専用の調味料だった。いつのまにか日本中にご当地ラー油が現れ、そしてまたたく間に日本人のラー油熱は収束していったかのようにも見えたが、それは日本の食卓における定番調味料に落ち着いたのだと、私は理解している。
さて、私が麻辣油をつくり始めたのは5年ほど前。手違いで1kgの唐辛子を購入してしまったのがきっかけだった。
麻辣油は麻(マー:花椒の辛さ)と辣(ラー:唐辛子の辛さ)の、二種類の辛みを併せもつハイブリッド型ラー油。
この麻辣油を使った麻婆豆腐や水餃子を客人に出してみるとおもいのほか評判がよく、レシピを教えてくれだの、一瓶ゆずってくれだのと喜んでくれるので、調子に乗りやすい私はせっせと麻辣油をこしらえ、ついには麻辣油を切らすことに恐怖感さえ覚えはじめ、そしてつくるたびに辛さも過激になっていった。
いまや我が家では欠かせない調味料のひとつに成長した麻辣油の使い道はこんな具合である。
麻辣湯の使い道
皮蛋と豆腐の和え物に加える
茹でた魚貝や肉、野菜と和える
芝麻醤と合わせて担々麺のスープの素に
激辛! 自家製麻辣油
材料
花椒(ホール) |
20g |
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粉唐辛子 |
60g |
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日本酒または水 |
適量 |
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植物油 |
360cc |
米油を使用 |
生姜 |
10g(一片) |
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ネギ |
半本 |
青い部分でよい |
ニンニク |
3片 |
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シナモン |
1本(5gくらい) |
保存容器に合わせて適当に折っておくといい |
八角 |
1個 |
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ローリエ |
2枚 |
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ゴマ油 |
大さじ2 |
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つくりかた
花椒をフライパンで香りが出るまで煎る。手で潰すとぽろりと崩れるくらいが目安。
唐辛子を湿らせる
ボウルに唐辛子を入れて、日本酒または水で湿らせておく。唐辛子の焦げつきを抑えるためだ。
油に香味野菜・ハーブの香りを移す
鍋に油をいれ、生姜〜ローリエまでの香味を入れて中弱火でゆっくりと温度を上げていく。ネギ、生姜、ニンニクは色付いてきたら引き上げておく。
油と唐辛子、花椒を合わせる
油が180度に達したら、唐辛子に注ぐ。
手早くかき混ぜて、蓋をして唐辛子が沈殿するのを待つ。
唐辛子が沈んだら、挽いた花椒とゴマ油をいれてかき混ぜ、新聞紙で蓋をしてそのまま冷やす。
常温になったら保存瓶に入れる。ひとつは冷蔵庫へ、残りは冷凍庫。
私はスパイスも瓶に入れてしまう。というのも、この緋色の風景に映るスパイスの影がなんとも美しいからだ。
底からかき混ぜて食べてほしい。