世の中に、手羽先嫌いがいるとは思わなかった。なぜ手羽先が嫌いなのか尋ねてみると、
- 手が汚れるから
- 骨が邪魔だから
- モモ肉のほうがうまいから
という理由だ。
なるほど、一理ある。だがね、大人の事情で毎度正肉を食卓にあげることはできんのだよ。
そこで嫌いな理由を回避して手羽先料理を追求していくと、手羽先チューリップにいきつくわけだ。
手羽先チューリップがいつどこで生まれたのかはわからないが、昭和、平成を駆け抜けてきた日本の鶏肉文化の一つであることは間違いない。こんな形は他の国では見たことがないし、これぞ食べる人に向けた日本人のもてなしの心そのものじゃないだろうか。次の元号にも伝えるべく、手羽先チューリップを平成最後に残しておきたい。
手羽先チューリップのつくりかた
作業手順は写真右からポップ・ステップの要領だ。さて、はじめよう。
- 手羽先には2本の骨が腱でくっついているので、菜箸で指したあたりを包丁かハサミで断ち切る。
- 切り落とさないように注意。
- 手羽中と先をしっかり両手で握り、力をこめて山折りすると2本の骨が露出する。
- 露出した2本の骨を、両手で左右にひっぱる。(写真は切り込みが逆になっているがそのまま説明する)。
- 手羽中を左手でしっかり握り、細いほうの骨を右手の指でつまんで、ひねりあげるようにして回転させると、骨がするりと抜ける。
- たまに頑固にとれない骨もあるが、めげずに同じ方向に回していけばとれるはずだ。
- 先を切り落とす。
- 太い骨に肉をたぐりよせて、成形する。
慣れてくるとけっこう楽しい作業だ。
切り落とした手羽の先は、コラーゲンたっぷりのスープにおすすめ。
さて、次回は手羽先チューリップを揚げてみよう。