素揚げした手羽先の皮をパリッとさせるには、どうしたらいいか。これがしばらくの悩みの種だった。粉をつけて揚げる唐揚げに比べるとどうも難易度が高いように感じる。
「低温から揚げる」「二度揚げする」とかいろいろやってみたものの、皮とパリッとさせれば肉が加熱しすぎで硬くなったり、その逆だと色が白っぽくておいしそうに見えず、とにかくそのあたりのバランスがうまくとれない。それをカバーする腕もない・・・・・・。
そこで以前、なにかで見た「砂糖水で下茹でする」という方法を試してみると、これが思いのほか調子がいい。色よく、皮パリ、ジューシーな素揚げが出来上がったので、検証してみたい。
砂糖水で手羽先を茹でる効果
原理としては、北京ダックの調理法に似ている。
北京ダックは、下味をつけた合鴨に熱湯をかけて皮をピンと張らせてから、飴糖水という麦芽糖と水を溶かしたものを鴨にむらなくかけて、干したのちに焼くことによって、パリッとした皮を食べるという手の込んだ料理だ。
皮に砂糖水がまんべんなくついているので、焼いた時に表面がカラメル化し、飴色の深い色合いと皮のパリパリ感が生まれる。
砂糖水で茹でてから揚げても、似たような効果が期待できるということだ。
手羽先を加熱してから揚げる効果
もうひとつ、「EAT THE WORLD ep4. 料理の啓蒙」で紹介した韓国の料理人フランチェスコ・チュウ(Francesco Chu)のつくる手羽先料理も参考になる。
彼はまずは手羽肉を1~2分揚げて肉汁を閉じ込め、一度冷凍してから、高温の油で揚げ、最後に唐辛子の風味をつけるべく炒めていく。冷凍することよって鶏皮が膨らむのだという。
以上を踏まえると、あらかじめ加熱処理をしてから手羽先を揚げるという方法は、理に適ったやり方なのかもしれない。
たくさん手羽先を仕入れてしまっても、半調理しておけば生よりは日持ちするし、一人で複数の調理をするワンオペでも、最後は高温でがんがんと揚げていけばいいだけだから細かい温度管理から解放される。
かけるタレ次第でアレンジしやすいのが素揚げのよいところ。ネギと胡麻油で中華風とか、ポン酢で和風でもいいけれど、今回はナンプラーとパクチーで、タイ風の味付けにした。
手羽先チューリップの素揚げ・タイ風ソース
材料
手羽先チューリップ | 8本 | 手羽先をチューリップにするやり方はこちらへ |
塩 | 少々 | |
水 | 1L | 下茹で用 |
みりん | 大さじ1 | |
砂糖 | 小さじ1 | |
ソース | ||
ナンプラー | 大1 | |
濃口醤油 | 大1 | |
湯 | 大1 | |
ハチミツ | 大1 | |
レモン | 大2 | |
レモンの皮 | 少々 | |
パクチー | 少々 | |
島唐辛子 | 1個 |
レモンの皮をレモングラスにすればよりタイっぽいかな。