パスタ愛好家なら誰しもが一度は憧れる、パスタ専用のアルミパン。
アルミパンがパスタにむいている理由はざっくり3つある。
- 熱伝導の良さ→火力の調整がしやすい。
- 軽量→パスタを煽りやすい。
- 色が明るい→乳化したソースやニンニクの火入れ具合など、色で判断しやすい。
そしてなにより「プロっぽい!」というミーハーな理由も忘れてはならない。
「パスタをつくるならアルミのフライパン一択」と自分も信じて疑わなかったが、実は片手鍋のほうがパスタを和えるには便利かもしれない・・・・・・とおもう四十路の話である。
30cmのアルミパン
数年前に知り合いの店主にゆずってもらった中尾のアルミパンは、30cmという重量級。梅宮辰夫ソックリな店主はこのフライパンを軽々ふっていたが、そう甘くはなかった。
これでパスタをつくると、筋トレかよというほどつらい。片手で持つとプルプル腕が震えだし、最終的には脇に抱えることになる。苦行だ。
重いがゆえにコントロール不能で、フライパンを振るごとにトマトソースが飛び散っていき、台所はもれなく事件現場のごとく荒んでいった。
軽いと言われるアルミパンだが、しっかりしたつくりのものはやはり、重たい。
しばらくしてこのフライパンでパスタをつくることは諦め、同じアルミ製品のやっとこ鍋へと移行したのだ。
konpeito.hatenablog.jp
やっとこ鍋でパスタをつくる
21cmのアルミ製やっとこ鍋は、パスタをつくるのに最上のチョイスだったと思う。これ以上鍋を増やしたくないこともあったが、何より使い慣れているし、軽いし、鍋の縁が直角に立っているのでソースの飛び散りも少ない。機能面ではアルミパンと遜色ない働きをしてくれていた。ところがある日、悲劇は起きる。
konpeito.hatenablog.jp
いつもどおりパスタをこしらえていたある日のこと、やっとこバサミをもつ左手首に激痛が走ったのだ。鍋を煽ったときにあらぬ方向へ曲がったらしい。手首損傷は生活のもろもろに不便をもたらし、歳のせいか痛みは長引いた。
やっとこバサミでパスタを煽るには限界があると悟り、パスタ専用鍋の購入にむけて重い腰をあげたのが2年前のことだ。
アルミパンか片手鍋か?
我が家では一度にパスタを150g茹でる。21cmの鍋だと具によってはソースが飛び散ったり、やっとこバサミが引っかかって混ぜにくいのが地味に不満であった。考えてみれば、決断が遅すぎたのかもしれない。
見た目重視のアルミパンにするか。それとも機能重視で片手鍋にするか。
実に悩ましい問題だった。
さらに大きさと重さも無視できない。
口径21cmか、それとも24cmか。
大いに参考になったのは、Amazonの商品リンクにあったこの写真だ。
一人分のパスタを和えるのに、21cmの片手鍋を使っている。一人分は、店にもよるだろうが、およそ100gだろう。
たとえば友人がきた場合などは4人分つくるとして、一人50g換算でも200gのパスタを調理することになる。となると、24cmが妥当か。
だがしかし、そうなると問題は重さだ。
EBMアルミ片手鍋の重さ
内寸 | 重量 | 容量 |
21cm | 1.3kg | 2.5L |
24cm | 1.5kg | 3.6L |
ちなみに24cmの蓋を除いた本体だけの重量は1003gだった。
アルミは軽いと言われているが、厚みがある鍋はそれなりに重たい。
憧れの中尾のアルミパンの重さはどうだろう。
中尾アルミパンの重さ
内寸 | 重量 |
21cm | 600g |
24cm | 700g |
圧倒的に軽い。つまり、煽りやすい。パスタをプロっぽく煽る自分の姿を夢想する。
だがしかし、ここで憧れなどかなぐり捨て、私は鍋を買うことにした。
飛び散らないし、混ぜやすいし、何より手首に優しい。プロっぽくフライパンを振るのはカッコいいけど、それより自分のペースで旨いパスタを作る方が最優先だ。
アルミの片手鍋でパスタをつくる
アルミの片手鍋を購入して、そろそろ一年たつだろうか。
実際にパスタをつくってみると、あまりに使い勝手がよくて、手放せなくなってしまった。
煽ることはできないが、鍋を傾けゴムべらで縁をなぞるように混ぜれば乳化もしっかりできる。しかもエッジが直角なので、具がこぼれることは圧倒的になくなった。
手首の負担も軽減。
熱源のコントロールのしやすさ、熱伝導のよさ、鍋のなかの見やすさは、アルミパン同様だ。
パスタ専用の片手鍋。買って本当によかったと思える鍋でした。