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時速1kmの思考

【暮らしの道具】理想の中華お玉を選ぶ

中華用のお玉を買い換えることにした。これまで使っていた香港製のお玉は、家人がわざわざ買ってきてくれたものだったが、つのる不満はもはや頂点に達していたのだ。

決定的な不満は2つ。

手持ちの中華鍋(リバーライト製の30cm)に対してお玉の直径が大きいのか混ぜにくいこと。これはリバーライトの炒め鍋の底が平たいのも影響しているかもしれない。

次が決定的なんだが、持ち手の木製部分が外れてしまうことだ。歯止めもなく、オモチャのようにスポッと取れる。布をかませてみたりしたけれど、やはり外れる。ついには直に柄を持っていたけれど、長さが足りなく調理中かなり熱く、まさに地獄のキッチン! 我慢大会さながらなのだ。

どうやら香港のかっぱ橋と呼ばれる卸売り市場の中で最も安いものだったそうだ。安かろう悪かろうをつかまされたのか? それともあえてこういう設計なのか、謎である。

ところがいざ買い換えようと決めてから購入にいたるまでの道のりはなかなかに遠かった。
ネットで探せばいくらでも中華お玉は出てくるものの、それを実際に触ることができないのでポチッと決心がつかないのだ。実際問題、気になるお玉が一挙勢ぞろいしている店もないだろう。

中華鍋に比べてあまりに情報が少ないので、結局購入に至るまで数ヶ月かかった。
なので今日はその長い道のりを振り返り、中華お玉の購入を検討している人の参考になればと考えている。

中華お玉を選ぶうえで注視したのは、形状、素材、容量、柄の長さである。

中華の形状〜円形か楕円形か

中華お玉の形状には円と楕円がある。
円形はどこの中華料理店にもあるオーソドックスな形状で、炒める、すくう、混ぜる、つぶす、盛るなどあらゆる作業に使える。




工房アイザワ 中華お玉 ステン

サイズ:幅10.1×奥行38.5×高さ6.9cm
素材:18-8ステンレススチール
容量:140ml
重量:192g
生産国:日本

楕円形も調理の機能という意味では同じだが、おもに四川料理に使われているようだ。もし四川料理を学ぶならもうこの一択しかないのかもしれない。

鍋との接地面が大きいので食材を混ぜやすく、かつ水溶き片栗粉を少量たらすといった細かい作業はやりやすいのではないか、と想像する。実際私も、普段使いのお玉では楕円の方が重宝している。






玉虎堂 楕円中華お玉

サイズ:135×105×365
素材:ステンレス18-8 柄は天然木(ブナ) 日本 ATY16
容量:338cc
重量:275g

ただ、炒飯を作ったらやはり楕円形、つまりオムライスみたいになるんだろうか?
まずは基本の一本が欲しかったので、今回はオーソドックスな円形を選択。

中華お玉の素材とメリット・デメリット

中華お玉の素材は大きく分けて3つ、鉄、ステンレス、その他の素材に分けられる。どの素材が自分にあっているのか、それぞれの特徴をかき出してみた。

素材 ステンレス チタンなど
メリット - 油が馴染むので、食材がくっつきにくい。
- 頑丈
- 軽い
- 錆びにくい
- 頑丈
- 超軽い
-頑丈
デメリット - 重い
- 油返しが必要
- 錆びやすい
- 鉄より頑丈ゆえに、鉄鍋を傷つけやすい
- 油が馴染まないので食材がくっつきやすい
- 価格が高い
-鉄に比べると熱伝導率と油なじみ劣る

この時点で、自分の中ではややステンレスが優位。たしかに炒飯のこびりつきは気になるものの、毎回油ならしをするのは現実的じゃない。だが、鉄製で油ならしが必要ない中華お玉もある。リバーライト製のものだ。少々値がはるが、手持ちの中華鍋とも合うので候補としては捨てがたい。






リバーライト 中華 お玉 鉄製 レギュラー

サイズ:直径10.5x全長37cm
素材:鉄(窒化熱処理済み) グリップエンド/木製
容量:140ml
重量:210g
生産国:日本

さて、ステンレスでも18-0と18-8がある。この違いは、ステンレス純度みたいなもので、18-8のほうがより高級なステンレスとなる。たとえば、スプーンのように鏡面が品質になる商品はほとんどが18-8だろう。
ただ、ネット情報によれば、より鉄を多く含む18-0のほうがこびりつきが少ないという記事もあった。これは有力情報だ。そもそも、中華のお玉にそこまで美しい輝きだとかは求めていない。

中華お玉の容量

中国では両という単位で容量を測るようで、1両40cc、お玉もそれに準じて40の倍数で構成されているようだ。だいたい4両から、つまり160ccが小さいお玉のようである。

日本製になると、160cc以下の家庭用サイズの選択肢が豊富だ。

ミニ 120〜160cc 頭径100mm以下
小  240cc  頭径100〜120mm
中  320cc  頭径120〜130mm
大  400cc  頭径130〜140mm
特大 480cc  頭径140〜150mm

お玉の直径にもよるが、30cmの中華鍋に合うのはミニ、もしくは小くらいまでだろう。

できれば容量違いを何本か持っておきたいところだが、収納の関係もある。
ちなみに主に炒飯を作ってまん丸の形に一発で盛り付けたいなら、小〜中、かつ湾曲が大きいものが向いているのかもしれない。

柄の長さ

お玉は腕の一部になるものだから、自分の体型や台所の広さなんかが大いに関係してくる。

まず注意すべきは、お玉の長さの表示の仕方がメーカーによってまちまちなことだ。柄長か全長(柄長+頭径)でだいぶ変わってくる。

次に自分の身体のサイズに合う長さ。感覚を掴むために、右手に針金のメジャーを持って、左手で鍋をあおるなんてこともやってみたところ、私の場合は35cmの柄は手に余ると感じた。とはいえ、手持ちの柄長24cmの中華ヘラはやや短いと感じていたので、全長で35cmくらいのものを探した。

結果的に購入したお玉の全長は、自分の肘下の長さにほぼ近い

理想の中華お玉

以上を総合的に考えて、ようやく購入したのが、カンダの中華お玉ミニサイズである。偶然にも、魚焼きグリルと同じメーカーだった。






Kan ステンレス ミニ中華お玉

サイズ:頭径φ95×柄長295mm、全長378mm
素材:18-0ステンレス
容量:140cc
生産国:日本

30cmのリバーライト炒め鍋と比較するとこんな感じ。

柄とお玉の部分の溶接。

バンコクで購入した全長32cmのヘラと比べてみる。

このお玉を使った中華料理第一号は、椎茸と雪菜の炒め物。地味だけどうまいのよ。

https://66.media.tumblr.com/f0dab0724ffdc2019ef33e7d1807ca84/f34247c8538b78d1-8c/s1280x1920/a4ee406e87808d9f1f06b155da875e9617070744.jpg

炒める、すくう、混ぜる、つぶす、盛る。やはりヘラとはまったく違った便利さである。
よし、がんがん使うぞ!