ようやく念願のカニチャーハンにありつけた。カニの身をほじくる時間に比して、食べている時間はあっという間だけれど、そんな苦労なんて忘れてしまうほど中毒性がある。
konpeito.hatenablog.jp
パラパラの米粒に埋もれているカニ・カニ・カニ。どこを掘ってもカニがいる幸せ。本気のカニチャーハン、感無量。
せっかくなので家庭でおいしいチャーハンをつくるポイントを考えてみた。家人が好きなチャーハンだが、私自身あまり得意な料理ではなく、ダメ出しされながら試行錯誤してきた。
米粒はパラパラ。ぱさついているわけではなく、米粒がふんわりしてほどよいしっとり感のあるチャーハンが好み。火力の弱い家庭でも、店で食べるようなチャーハンに近づけようと、こんな努力をしている。
チャーハンをおいしくする いくつかのポイント
これまで受けたダメ出しは、「しょっぱすぎた」「パサパサしている」「玉子がかたい」「ご飯がダマになっている」「べっちょりしている」・・・と数知れず。これらを改善し、少しでもおいしいチャーハンをつくるべく、以下のことを実践している。
【失敗に学ぶ】家庭でもできる改善方法
- 中華お玉は必須→ご飯のダマをなくほぐすにはヘラでは難しい。ぜひ中華用のお玉を用意してほしい。
- ご飯は温めてほぐしておく。→卵と米粒が馴染みやすい。
- 卵1個に対して油大さじ1が目安。→油を使いすぎるとべっちょりした食感に。
- 具は小さめに切る→火力が弱くても、火の通りが早い。
- 固い食材(今回であればスナップエンドウ)はあらかじめ加熱しておく。→炒めすぎでパサパサになるのを防ぐ。
- 献湯(ヒントン)を少々加える。→米粒にほどよくしっとり感を加えるとともに、塩味が馴染みやすいので味を調整しやすい。
献湯(ヒントン)とは?
ざっくりいうと、主に広東料理で使われている塩だれのようなものだ。和食で言えば古来から水塩というものがあるが、それよりも塩分は薄く、砂糖や酒も入っているのが特徴だ。調べてみると、料理人にもよるが塩分濃度は6〜10%くらい。献湯は単体で使うというよりも、さらに醤油や酒などを加えて使うベースとなる塩味の合わせ調味料という位置付けだ。
献湯をつくろうと思ったきっかけは、野菜炒めだった。というのも、野菜炒めに鶏ガラスープを使うことに疑問をもってしまったのだ。たとえば、青菜の炒め物とかモヤシだけの炒め物なんかは大好物なんだが、私にとっては温サラダ的前菜の位置付けで、わざわざ動物性の出汁を使う必要性が感じられない。そもそも、中国だってベジタリアンはたくさんいる。なんでもかんでも鶏ガラスープを使うはずもない。
『プロのためのわかりやすい中国料理』には、塩22.5g、砂糖11.25g、二湯(二番出汁のようなもの)375ccを一度沸かしたものを献湯としている。動物性の二湯に変わる植物性の出汁を考えたところ、身近にある昆布にいきついた。
小さめの昆布をしばらく水に浸しておき、火を付けて沸騰寸前に取り出して、上記の分量で塩と砂糖を加えれば、昆布のうま味のある献湯の出来上がりだ。
色をつけたくない塩炒めをはじめ、醤油や酒やオイスターソースを加えればまた新しいソースになる。さらに言うと、塩という調味料は食材に馴染むまである程度の時間を要する。水に塩を溶かすときのことを思い浮かべてみてほしい。
塩をひとふりして、味が馴染まず、物足りないからとまた塩を加えてしまえば、どんどん料理がしょっぱくなってしまうのだ。
パラパラしっとり 本気のカニチャーハン
材料
カニの脚の身 | 1杯分 | |
温かいご飯 | 250g(茶碗大盛り) | "あきたこまち"に"もち麦"を加えて炊いたものを使用。 |
卵 | Lサイズ1個 | ときほぐす |
スナップエンドウ | 4個 | 塩茹でして一口サイズに切る |
ショウガ | 小さじ2 | みじん切り |
ネギ | 大さじ1 | みじん切り |
献湯 | 大さじ2〜 | |
濃口醤油 | 小さじ1/2 | |
塩・白胡椒 | 少々 |
中華は手順と手際が命。材料を鍋にほいほい放り込めるよう、準備しておく。
つくりかた
- 中華鍋は煙がでるほど熱して、油ならしをする。
- 大さじ1の油を鍋に入れ、煙がたちはじめたところに溶き卵を投入。すかさずご飯も加え、オムレツの要領でひっくり返す。半熟の玉子をご飯に染みわたらせるようなイメージだ。
- 中華お玉で軽く叩くようにして、ご飯と玉子をまんべんなくほぐしていく。
- 米粒からパチパチとはじけるような音がなってきたら、ショウガ、ネギ、スナップエンドウ、カニを加えて炒める。
- 塩・白胡椒、献湯を鍋縁から加えて味を調える。
- 最後に醤油で香りをつけ、ざっと混ぜたら出来上がり。
いま思えば、カニの赤い色をいかすんだったら、玉子は卵白だけでもいいのかもしれない。いつカニが手に入るかはわからないけど、ぜひやってみたい。