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時速1kmの思考

2016-01-01から1年間の記事一覧

【二十四節気を食べるおうち八寸】大暑の献立

2016年7月23日/太陽視黄経 120 度暑気いたりつまりたるゆえんなれば也(暦便覧) 小暑のころ、メインで使っているiMacが壊れた。パソコンひとつないだけで、こんなにも無力感を感じるとは、まったく情けない。 そして、まだ梅雨はあけていない。というより…

【二十四節気を食べるおうち八寸】夏至の献立

2016年6月21日/太陽視黄経 90 度 陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以て也(暦便覧) 夏至に生まれた者としては、複雑なのである。 もっとも夏を謳歌する、てっぺんの喜ばしい日なのか、 冬にむかい陽が短くなっていく、打ち止めの日なのか。 さらに…

【二十四節気を食べるおうち八寸】芒種の献立

2016年6月5日/太陽視黄経 75 度芒ある穀類、稼種する時也(暦便覧) あっという間に小満は過ぎ去り、気づけば芒種になっていた。 逗子の花火大会へ行ったり、週に一度アルバイトを始めたり、猫が四歳の誕生日を迎えたりと、穏やかではあるがバタバタとした…

幻の珍魚、ギンポ(銀宝)が想定以上に美味かった!

この魚を知っている人は、釣り師か、さかなクンもびっくりの博識に違いない。 鰻のようだがなんだか短小、皮は鰈のような色をしている。どこに目があるかもわからないその面は、未確認生物のようだ。偶然に網にかかった深海魚なのか、魚屋のアニキを尋問して…

【二十四節気を食べるおうち八寸】立夏の献立

2016年5月5日/太陽視黄経 45 度夏の立つがゆへ也(暦便覧) GWにはいり、日増しに夏めいてきた。日中歩いていると、顔にあたる日差しが痛く感じるほどである。からっとした初夏の陽気がなんとも気持ちがよい。とはいえ、夕方になると急に空気が冷えてくるの…

炎の料理人ゴードン・ラムゼイに学ぶ、豚バラ肉の低温ロースト

北海道は池田町の阿部農場から送られてきた黒豚をたいらげるミッションは継続中。今回は、豚ばらブロック1kgを食べる。 いつもなら、角煮、東坡肉といった中華系に寄ってしまうのだが、今回は趣向を変えたい。なんせ新鮮な1kgのブロックなど、なかなか調理す…

三ツ星『シェフ』を目指せ! キューバサンドイッチへの道③〜ローストポークを焼く

ピンク色の豚肉は、人によっては敬遠する 引き続き、キューバサンドイッチについて書いていこう。友人が集まったので、ようやくキューバ風ローストポークを焼くことができた。以前の記事では、 240℃で10分、100℃で54分、アルミホイルにくるんで54分、中心温…

理想の卵の調理法! 失敗しないポーチドエッグのつくりかた

ポーチドエッグがあれば、人生バラ色 グアムの「キッチン リンゴ」で食べたケールのサラダには衝撃を受けた。地元でとれた新鮮なケールは、噛むほどに栄養がしみわたる滋味にあふれていた。 ケールの山頂には「5ミニッツ・エッグ」が鎮座している。いわゆる…

【おうち八寸】穀雨の献立

2016年4月20日/太陽視黄経 30 度春雨降りて百穀を生化すれば也(暦便覧) 暦のうえでは春の最終章。 例年、穀雨までに夏に使うハーブの種を蒔く。なぜこの時期かというと、雨が降るから、少々水やりをさぼろうともちゃんと発芽し、育ってくれるからだ。ずぼ…

三ツ星『シェフ』を目指せ! キューバサンドイッチへの道②

www.youtube.com 究極のしっとり柔らか目指したローストポーク 前回に引き続き、究極のしっとり柔らかなローストポークのつくりかたについて考えてみる。まずはジョン・ファブローによる、キューバサンドイッチのつくりかたを要約してみよう。 ジョン・ファ…

三ツ星『シェフ』を目指せ! キューバサンドイッチへの道①

猛烈にキューバサンドが食べたくなる映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」 ふるさと納税で送られてきたのは、北海道は池田町、阿部農場の黒豚だ。ロース、肩ロース、モモ肉、バラ肉など総重量4.5kgのブロック。我が家二人と一匹では、ひとパックあ…

失敗した甘酒を救済する

失敗した甘酒は、捨てるべからず 前回、甘酒をつくったが盛大に失敗をしたという記事を書いた。あのときの落ち込みようといったら、言葉では表しきれない。甘くもない炊飯器いっぱいの甘酒を前に呆然と立ちつくし、涙するしかなかった。 失敗したとはいえ、…

米麹でつくる、俺の甘酒

甘酒は飲む点滴米麹 vs 酒麹 去年の冬から甘酒にはまっている。その起源は日本書紀の時代まで遡るというが、江戸時代には夏の栄養ドリンクとして親しまれ(甘酒が夏の季語とは勉強不足だった)、今ではその豊富な栄養から「飲む点滴」と称されるほどだ。 砂…

茹で汁でつくるハンダマのビシソワーズ

ポリフェノールやアントシアニンを含んだハンダマの茹で汁は栄養豊富で捨てるのはもったいない。さっそくビシソワーズをつくってみよう。目指すは、桜色をしたジャガイモの冷製スープ、つまりビシソワーズだ。 材料(2人分) ハンダマの茹で汁 200cc 葉と茎…

咲きも残らず 散りもはじめず〜桜の季節を表す日本の言葉

桜がすっかり満開になったというのに、ここ最近は雨が降ったりやんだり。それでも日本人は、あらゆる言葉を駆使して桜を愛でる。 謡曲「鞍馬天狗」にこんな一節がある。 一筆啓上せしめ候 古歌にいはく 今日見ずは くやしからまし 花ざかり 咲きも残らず 散…

【二十四節気を食べるおうち八寸】清明の献立

2016年4月4日/太陽視黄経 15 度万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれる也(暦便覧) 先週末、目黒川沿いの桜が満開になったが、ここ数日は春の雨が続いている。 花曇りのなか歩く。今年は人手が多い。海外からの来客も多いようで、あちこちで聞き…

喜界島から届いたスーパーグリーン長命草を天ぷらに

先ごろスーパーへ出かけると、明日葉が安く出回っていた。あぁ、そんな季節か・・・・・・。 はじめて食べたのは、10年ほど前のことだ。出版の世界にはいってしばらくたったころ、ある絵本を担当することになり、装幀デザイナーとして紹介されたのがA氏だった。変…

海老の塩焼き

お目当ての大正海老は見つからず、通年手に入るアルゼンチン海老に落ち着いた。 生食用とあるが、この海老は生では食べられたものではない。軽く火を通したほうが、断然うまい。 有頭海老としては、そのコストパフォーマンス、味、見栄えを考えると、優秀だ…

薩摩芋の二色茶巾

サツマイモといえば、秋の味覚というイメージが強いし、実際、収穫されるのは9月〜11月だ。 だが、そこから数ヶ月貯蔵すると、水分がとんで甘みが増すそうだ。つまり、旬が二回くるという、ありがたい穀物なのである こんな時期に高知県の越知町から送られて…

菜の花の辛子和え

菜の花となばなを両手にとり、じっと考える。同じアブラナ科なのに、なぜにこんなに値段が違うのか。 気のせいなのかもしれないが、菜の花のほうがほろ苦さが立っていて、春はなぜかそういう苦味をほっしてしまう季節。 清水の舞台を飛び降りる覚悟で、菜の…

鶏ささみの梅和え

手間暇かけていないのに、やたら「うまい」と言われるものがある。この料理もそのひとつだ。 梅の花を意識して、紫蘇でつけた梅干しを使っているが、もちろん普通の梅干しでも十分にうまい。 できることなら、ささみは表面だけ火を通し、半生に仕上げたい。…

三陸茎ワカメの酢醤油漬け

三陸の茎ワカメがスーパーに並んでいた。規格外のワカメらしいが、なんだかこちらが申し訳なくなるほど安い。 ご飯に混ぜたり、油で炒めたり、汁物にいれたり・・・・・・ここ最近は茎ワカメととともに暮らしているといっても過言ではない。 今日はさっぱりと酢醤…

ホッキ貝と九条ねぎのぬた

「今日はこのホッキ貝でしょ」 手の平ほどもある貝を自慢げに見せる魚屋のおじさん。北では、ホッキ飯にするという。はまぐり、アサリ、青柳。春分は二枚貝の季節だ。九条ねぎも手に入ったから「ぬた」にしよう。 ぬたは母の十八番である。 何度かつくりかた…

高知県・越知産の三つ葉香る温泉玉子

ふるさと納税で、高知県は越知という町から送られてきた三つ葉。 スーパーで売っている三つ葉よりも、みずみずしく、青々としていて、香りが強い。実はこの香り、ちょっと苦手だったりする。 春の息吹が感じられるよう、温泉玉子にそっとのせる。 久々に口に…

【二十四節気を食べるおうち八寸】春分の献立

2016年3月20日/太陽視黄経 0 度日天の中を行て昼夜等分の時也 昼と夜の長さがちょうど等しくなる季節の変わり目。今日から日に2分ずつ、昼が長くなっていく。 今年の桜前線はひねくれ者のようだ。東京が開花したあとに、九州の開花宣言。 日差しが温かいの…

二十四節気を食べる、おうち八寸

和食とは家庭料理である 日本には食材が溢れている。まったくありがたいことである。 農業の革新によって、夏の野菜は冬でも食べることができるし、その逆もまたしかり。世界中の食材が日本に集まり、TPPによってさらにそれは加速するだろう。ちょっと大げさ…

便器大国ニッポンの、奥深き便器の世界

By 浪速丹治 - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=43882203 三軒茶屋にあるタイ料理店で呑むことになった。メンバーは一人をのぞいて初対面だったので、やや緊張気味で挑むが、話は盛りあがり、くい…

躍るシロウオをどうやって喰うのか

粋な突き出しを出してくる店は、たいがいうまい。新宿のはずれにあるこの小さな寿司屋も例外ではない。 寒さが底をつく2月。いつもより少しだけ上等な、厚手の白いセーターを着て出かけた。目の前に置かれたのは、生きたシロウオ(素魚)だ*1。どうやら一足…

金平糖の科学

寺田寅彦のエッセイ『備忘録』によると、どのようにして金平糖があの毬栗のような姿になるのか、長らく解明されなかったらしい。 さらにいうと、その角の数を決める物理的因子がなにかというのも、長らく物理学上の摩訶不思議だったという。 金平糖について…

グアムの万能だれ、フィナデニソースは絶品だ!

フィナデニとは、醤油に酢(もしくは柑橘類の果汁)、唐辛子、タマネギなどを混ぜ合わせたグアムのソースである。唐辛子のはいったピリ辛ポン酢といえばわかりやすいだろうか。肉、魚、米とあらゆる料理に合う万能ソースで、たいていのレストランで料理に添…