2016年6月21日/太陽視黄経 90 度
陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以て也(暦便覧)
夏至に生まれた者としては、複雑なのである。
もっとも夏を謳歌する、てっぺんの喜ばしい日なのか、
冬にむかい陽が短くなっていく、打ち止めの日なのか。
さらには、双子座の最終日でもあるから、自分のなかにある二面性に、目を向けざるを得ない日なのである。
さて、今年は恒例の宮古島ではなく、台湾に足を延ばした。懸念していた雨よりも、多湿な気候に参ってしまった。ビールを飲んでも飲んでも、皮膚から蒸発していく感覚だ。そのうえコットンの洋服は、汗を吸ったまま乾いてくれない。一眼レフをいれたリュックも肩に食い込み、びしょ濡れだ。
台北→日月潭→基隆→猴硐(ホートン)→十分→九分→台北を五泊六日で巡ったわけだが、想像をはるかに超える体力を要する旅になった。
日に日に体力が奪われていくのを感じながら、とにかく食べることだけには集中して取り組んだ。文字通り、食べまくらないと、もたない。
どれほど食べたことだろう。台湾の料理は、初日に食べた臭豆腐以外は、どれも個性的でうまいうえに、安い。これなら、家でつくる必要などない。
バライティに富んだ小麦粉の使い方は、さすがというしかない。スープは塩分が控え目でさっぱりしている。特筆すべきは豆花だ。豆腐をプリンに見立て、甘いシロップや豆や果物などのトッピングをかけて食べる台湾のデザートである。ヘルシーかつさっぱり。これは再現してみたいものだ。
雨空のなか、無事に帰国。東京の夏はこれからだ。