mogu mogu MOGGY

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時速1kmの思考

和える

牡蠣と熱海レモンのマリネ

庭仕事の疲労が抜けない。まるで鉛製の背後霊に憑かれたかのように気だるく、ギリギリの戦闘力でスーパーを徘徊。パック売りしている牡蠣を見つけた刹那、身体の全細胞がタウリン!と叫んだ。 そういえば去年の今頃は厚岸から殻付きの牡蠣が届き、引越後の錆…

シイラのセビーチェ【七夕風】

七夕。イオン熱海店の特売は、シイラの刺身だった。 漢字では、魚へんに暑いと書いて鱪、もしくは鬼頭魚などと書く。角が生えたような頭でっかちの魚で、ふだんは南の海に生息しているが、産卵を控えた季節、つまり夏になると日本の近海にやってくるという。…

ブッラータチーズ、トマト、紫蘇のサラダ

熱海は梅雨のまっただ中。すっきり晴れない日が続く。 坂の街・熱海では、日々の買い出しにそれなりの体力がいる。買い物カゴを背負い、なまりきった身体に鞭打って坂を上ったり下ったりしている。雨がふればなおのこと、体力が削られる。車がなければ、ちょ…

かくや和え風浅漬け

古漬けになってしまったぬか漬けを、細かく切って醤油で味付けした「かくや和え」という食べ物がある。江戸時代の料理人・岩下覚弥が徳川家康に献上したとか、たくあん漬けの考案者、沢庵和尚の弟子・覚也がつくった(三代・家光が食べたそう)とか、高野山…

イチジクの白和え

イチジクの白和え起床。また正午を超えてしまった。人生にたとえるなら四十代は正午、五十代は黄昏だとある心理学者が言っていたが、なんだか意味をはき違えて実践している気がしないでもない。家人がいれたコーヒーはすでに冷え切っていたので、温め直しに…

冷やしアラビアータはじめました

梅雨入りしそうでしない5月某日。 「そろそろ冷やし中華が食べたいなぁ」とつぶやく家人。個人的見解だが、「冷やし中華はじめました」は梅雨明けがふさわしい。あれは座っているだけでもじっとり汗ばむ夏日に食べるもので、からりと爽やかな五月晴れには似…

根三ツ葉の下ごしらえ

根三つ葉スーパーの一角にある地元農産物コーナーを巡るのがお勤めとなっている昨今だが、まさか根三つ葉があるとは思わなかった。年中出回っている糸三つ葉と違って、茎が太くて白いのが特徴だが、これは栽培方法によってこの違いが見られるようで、葉っぱ…

てっぱいに にんじん大根 春の味

先日紹介した春子鯛の酢締め。酢でしめてから一枚ずつラップでぴっちりくるんで冷凍しているので、晩酌のつまみに重宝している。konpeito.hatenablog.jpとはいえ、いつも土佐酢ばかりじゃ飽きてしまうので、今回は目先を変えて、「てっぱい」をつくることに…

なぜふきのとうは苦いのか? 

「なんでふきのとうが苦いのか、知ってる?」 「冬になまりきった身体を起こすため、かと思っていました。冬眠から覚めた熊とか食べるとか?」 「うーん、きっとそれもあるだろうね。これはお客さんから聞いた話なんだけど・・・・・・」 苦味という成分は、身体に…

ナムトック風牛しゃぶのサラダ

タイ北東部のイサーン地方は食の宝庫。イサーンのサラダといえばラープ(Laab)が有名だけれど、ナムトック(Nam Tok)という肉とハーブをふんだんに使うスパイシーなサラダも外せない。英語ではWaterfall Salada、直訳すれば「滝のサラダ」となるが、一説に…

懐の深い中国のたたきキュウリ

盛夏の週末を家で過ごしていると、陽が傾くころにはビールに手が伸びてしまう。キンキンに冷えたビールを一口流し込むと、次にほしくなるのは何かつまめるもの。今年の夏は、味噌きゅう、梅きゅうを凌ぐほどつくったのがたたきキュウリだ。中国では拍黄瓜と…

初夏の小鉢はオクラの辛子和え

店の味が家の味になる。オクラの辛子和えのそのひとつだ。 ちょうど一年前は、店でオクラを刻んでいた。お通しとして使っていたから、店ではけっこうな量のオクラを仕込むことになる。両手に包丁をもってひたすらとんとん叩いていくわけだが、だんだんと腕が…

アジのりゅうきゅう

りゅうきゅうは、アジ、サバ、ブリ、カンパチといったどちらかといえばクセの強い魚を、醤油ダレと薬味で和えた大分県のソウルフードだ。 いきつけの店主の実家が大分県なこともあって、「シマアジのりゅうきゅう」は店の看板メニューである。特徴は柚子胡椒…

さば缶と新玉ねぎのサラダ

さば缶に目覚めた2018年の盛夏。もっとおいしい食べ方はないだろうかとSNSで問い掛けてみたところ、料理好きなMちゃんが是非にと勧めるのが「さば缶と新玉ねぎのサラダ」だった。 なので新玉ねぎの季節になるまで気長に待っていたわけだが、ようやく機が熟し…

炒めても生のようなパリパリ食感! しりしりキャロットラペ

立派な葉つきニンジンが手に入ったので、久しぶりにキャロットラペを作ることにする。 千切りしたニンジンを細かく切って酢と油であえるだけの簡単な料理だけれど、フランスを代表する偉大な惣菜だ。 一時期、キャロットラペにハマりすぎて、切り方を変えた…

6種の野菜しりしりサラダ

冷蔵庫に残っている野菜をすべて"しりしり"してサラダにすることにした。 「しりしり」とは、沖縄の方言で「千切り」のことだ。 しりしりしたニンジンと玉子を炒めた「ニンジンのしりしり」は沖縄を代表する料理のひとつ。沖縄にはしりしり器という専用のス…

グアム飯をつくろう④ ビンナガマグロのケラグエン

ケラグエン(Kelaguen)は肉や魚を柑橘果汁で和えた、グアムはチャモロの郷土料理。 以前紹介したフィッシャーメンズ・コープのエビのケラグエンは、本当にうまいので食べてみてほしい。PIKA's Best Guam ではベスト・ケラグエン賞なんてものがあるほどなの…

サルピコン改め、スペイン酢ダコ

料理に関する書籍を貪るように読みふけった時期があった。仕事をやめて暇だったのか、それとも突然料理に目覚めたのかは、よもやさだかじゃない。 とにかく気になった料理書を片っ端から買っていたわけだが、なかでも気に入っている一冊が『壇流クッキング』…

サラダ用寒天でクラゲもどき料理を! 奥深い寒天の世界

もどしかたでアレンジ自在奥深きサラダ用寒天の世界 中華料理屋で必ず注文してしまうのがクラゲの冷製だ。あのコリコリとした食感がたまらなく好きなんだが、家でつくろうにも生クラゲがなかなか手に入りにくい。 そこで目をつけたのが伊那食品工業が発売し…

ねっとり濃厚なカツオのユッケ

先週末、いしかわ伝統工芸フェアで手に入れたのは漆の大皿。 ケヤキの皮に漆を施したものなんだが、ベリっと剥がした自然そのままの形で、唯一無二。小さなものから、大きなものまで、その歪な形はまさに自然美だ。 漆の器というと、扱いが難しそうに感じら…

さば缶のピピラーナ

さば缶初心者の私が、伊藤食品の「美味しい鯖水煮」の次に手を出したのが、やまめのさば水煮。銀座の百貨店でひときわ目立っていた商品だ。缶切りが必要なタイプの缶詰は久々かもしれない。原材料は鯖と塩のみだが、オイル漬けかと思うほど脂がたっぷりと染…

雷干しした白瓜の土佐酢和え+ウニ和え+明太子和え

前回紹介した白瓜の雷干しにひと手間かけて、一品にしてみよう。 konpeito.hatenablog.jp 胡麻、梅、明太子など手近なもので和えていくことでバリエーションが広がっていくんだが、なかでもいちばん気に入っているのは、土佐和え。つまり鰹節をかけた料理だ…

哲学者テオプラストスに学ぶ、ビーツの食べかた

テオプラストスいわく、ビーツは生で食べてもおいしい 欧米ではビーツを煮たり、丸ごと焼いたりして食べるが一般的だ。海外のレシピをもたいてい火を通した料理が多いので、まだビーツがそこらで手に入らなかった時代は殊勝にもボルシチなんかをつくっていた…

生がうまい! 紫小松菜とブリーチーズのサラダ

季節もんは出会いもん。馴染みの八百屋で出会ったのは紫小松菜だ。いつもなら炒め物や煮浸するけれど、一口つまんで気が変わった。これは生で食べたほうがいい。茎はシャクシャクとした歯触りで、小松菜特有の筋がむしろよい方向に活きている。葉は柔らかく…

カリカリ千切りフライドポテトのサラダ

料理をする醍醐味のひとつは、「日常を忘れてひたすら没頭できる」ことだ。いや、実際食べることは日常ではあるけれど、飯をつくるときの集中力は、なにか非日常的なものを感じてしまうのだ。 なかでもひたすら野菜を刻むという行為は、一日の悲喜こもごもを…

カリフラワーは生で食べられる! フランスに学ぶカリフラワーのタブレ

アメリカに赴任している友人がある日SNSでこんなことを漏らした。 「アメリカ人てさ、ブロッコリーもカリフラワーも生で食べるんだよね。あれさ、まずいんだよ」 アメリカでは家族ぐるみで持ち寄りパーティを開くことも多く、サラダとして生のカリフラワーが…

秋の戻り鰹とピーナッツのサラダ

秋に獲れる鰹は「戻り鰹」と呼ばれ、脂ののりがよく美味しいと人気が高い。 血合いの部分に独特の生臭みがあるが、それを消すためにショウガやニンニク、ネギなど薬味をたっぷりのせて味わうのがカツオという魚である。ただどんなに「旬モノだ!」「うまい!…

大分県産かぼっコリーでつくる山形の郷土料理「だし」

Oisix(オイシックス)という有機野菜の宅配業者のお試しセットのなかに、「かぼっコリー」という野菜が入っていた。 ブロッコリーとのかけ合わせかと思っていたんだが、生で食べられる、大人の握り拳大の小さなカボチャだ。皮も薄く、サクッと包丁がはいり…

三種の豆のチョップドサラダ

三種類の豆の塩煮(手亡豆、ひよこ豆、キドニービーンズ)をメインにしたチョップドサラダ。豆の塩煮のつくりかたはこちらをご覧ください。 konpeito.hatenablog.jp赤、緑、オレンジ、白、黄色など、彩りを重視しながら好きな野菜をつかい、その分量も適当だ…

おふくろの味は白和えご飯

「うちのおふくろの味ってなんだった?」そう母にたずねたのは数年前。気づけば母もそろそろ70歳にとどこうとしている。60代半ばにサルコイドーシスという難病にかかかり、がくっと痩せて愚痴りがちだが、いまだ銀座へ出かけるとなると生気を取り戻す。どう…