先日紹介した春子鯛の酢締め。酢でしめてから一枚ずつラップでぴっちりくるんで冷凍しているので、晩酌のつまみに重宝している。
とはいえ、いつも土佐酢ばかりじゃ飽きてしまうので、今回は目先を変えて、「てっぱい」をつくることにする。
てっぱいに
にんじん、大根
冬の味
『讃岐ふるさと 食農かるた』より
香川の郷土料理「てっぱい」は酢で締めた鮒に野菜を加え、酢味噌で和えたものだ。
ため池の水を抜いた後のふなを酢じめにし、旬の大根と金時にんじん(赤色が鮮やかな和にんじん:香川県が生産量全国一位)を短冊切りにしたものを、白みそを使って酢みそ和えにした、讃岐の冬ならではの料理です。(「鉄砲あえ」が「てっぱい」になったらしい)
本来は、ふなを使う料理ですが、最近は、ふなが手に入りにくく、さばやこのしろを代わりに使って作ることが多くなりました。
『讃岐ふるさと 食農かるた』より
関東でいう「ぬた」、関西の「鉄砲和え」の親戚のような料理だと解釈したけれど、ワケギやワカメを使わずに大根やにんじんがといった農産物が主役級に扱われているのが「てっぱい」ならではだと思う。
ピンク色の春子鯛が白い大根から顔を出し、とても春らしい一品になった。
てっぱいに
にんじん大根
春の味
冷酒がすすむ。
春子鯛のてっぱい(酢味噌和え)
材料
酢締めした春子鯛 | 4枚 | 短冊切り |
大根 | 太いところ6cmくらい | 短冊切り |
ニンジン | 3cmくらい | 短冊切り |
小口ネギ | ニンジンと同じくらい | |
西京味噌 | 大盛り大さじ3 | |
穀物酢 | 適量 | |
砂糖 | 少々 | |
乾燥唐辛子(option) | 少々 | みじん切り |
分量をしっかり計らなかったが、感覚的にはニンジンと小口ネギは大根の1/3くらいの分量だと色のバランスが美しい。こういう家庭料理はあまり分量にこだわる必要はないのかも。和える酢味噌の味さえ決まれば、うまくいく。
料理屋では酢味噌をつくるときに玉味噌(白味噌、卵黄、酒、みりんを合わせて火にかけながら練ったもの)を使うけれど、稲刈りが一段落したあと、家族が集まって疲れた身体を酢で癒す食事だと思うので、わざわざ玉味噌などは使わずに、ざっくばらんに仕上げることにする。