盛夏の週末を家で過ごしていると、陽が傾くころにはビールに手が伸びてしまう。キンキンに冷えたビールを一口流し込むと、次にほしくなるのは何かつまめるもの。
今年の夏は、味噌きゅう、梅きゅうを凌ぐほどつくったのがたたきキュウリだ。中国では拍黄瓜という冷菜で、家庭料理の王道。今回はニンニクをいれているので蒜蓉拍黄瓜となるわけだ。一度つくってみたら「いくらでも食べられる」となかなか評判なので、すっかり定番になってしまった。とりあえず食っとけと食卓に出しておけば、他の料理をつくるまでの時間稼ぎになるというのも定番化した理由のひとつだ。
調理はたった3分ほど。キュウリを切って、基本の味付けは塩のみ。濃口醤油で風味を加えて、好みで酢を少々、胡麻油で全体をまとめる。レシピなんてあってないようなものなんで、味見しながら大胆に材料を混ぜていけばいいという大らかな一品なのである。
汗をたくさんかいた日は、ついついしょっぱめにつくりがちなので、塩の分量だけはキュウリの重量の1%と決めてしまっている。なのであらかじめキュウリの重量は量っておく。
ニンニクと唐辛子のバランスによっては、とんでもなくパンチの効いた前菜になる。国産のニンニクを使う場合は、香りが強いので様子を見ながら加えたほうがいいだろう。
まずは基本のたたきキュウリをつくって、ちょい足し食材を加えていけば、無限にレシピが膨れ上がりそうな懐の深さを感じさせる。
たたきキュウリ
材料
キュウリ | 1〜1.5本 | あらかじめよく冷やしておく |
ニンニク | 1/2〜1片 | みじん切り |
一味唐辛子 | 好きなだけ | |
塩 | 種を取り除いたキュウリの重量の1% | |
濃口醤油 | 小さじ1 | |
穀物酢 | 少々 | なくてもいいが、さっぱりさせたいときのオプション |
胡麻油 | 小さじ1 |
一味唐辛子は、島根県の神出雲唐辛子・粗挽きを使っている。香りが良く、色も美しいので気に入っている。
たたきキュウリ+α
基本のたたきキュウリに具材をちょい足しして、酒のつまみから総菜への変化を楽しむ。