【2017.06.08】初出
【2019.08.22】調理工程を追加しました。
バケツでプリン、蛇口からオレンジジュース、ボウルにババロア……幼少のころ憧れていた飯のひとつに、うずらの玉子だけをひたすら食べるというものがあった。
我が家ではうずらの玉子は1人1個という暗黙の了解があって、そのうずらはあまりに崇高なので、神様、仏様、うずら様という状態だった。
そういえば、百貨店の屋上にある食堂でよく食べていた“かた焼きそば”にも、うずらはてっぺんに一個しかのっていなかった。何でもそろう百貨店でさえ、うずらはたった1つなのだ。
そして、いつかバケツ一杯うずらの玉子を食べることを夢に見ていたわけだが、すっかり忘れていて、ついに実行に移したわけだ。
ひと串2個のうずらの串揚げを一口で食べる贅沢感。いや、むしろ罪悪感。うずらの玉子に罪はない。
先日招いた50〜60代のお客も串揚げに目を輝かせていたところを見ると、どうやら一定の年代にはうずらへの強烈な思慕があるらしい。そしてこの年代にいたっては、缶詰のうずらはNGだ。