" "

mogu mogu MOGGY

時速1kmの思考

レシピ

生成りの神髄光る、握り蓮根

握り蓮根(『野菜調理の基礎』より)季節が巡るたびたびに捲る本というものがある。たとえば『野菜調理の基礎』もその一冊だ。 著者は、大阪・梅市の店主、奥田高光氏。江戸時代から伝わる関西の「生成り」料理を継承する料理人である。 閑話休題。 生成りと…

ワンタンの餡をリメイクした百花醸豆腐

ワンタンの餡をリメイクした百花醸豆腐ワンタンが食べたい。 ワンタンが食べたい。 ワンタンが食べたい。取り憑かれたようにワンタンを欲していた先週。その辺の中華にでも行けばいいじゃないか、とは思いつつ、わざわざ行列に並ぶのも、店を予約するのも億…

鮭とイクラの親子飯

鮭とイクラの親子飯二人で暮らしているから、魚の切り身は二切れのパックを買うのが常だ。先日は皮のピンと張った鰆が半額だったので、迷いなくかっさらって味噌床につけておいた。明日の献立はほぼ内定ということで、のらりくらり過ごすはずが、そんな時に…

丸ごとパプリカのオーブン焼き

パプリカを割るとジューシーな肉がとろりと溢れる八百屋が空へ旅だって、数日がたつ。幸いにも通夜に間に合い、最後のお別れをすることもかなった。 だが、冷蔵庫の野菜室はすっからかんだ。渋々スーパーへ足を運んだものの、野菜を見るとどうにも思い出して…

妄想ベルリン風スペアリブ

由比ヶ浜に、ドイツの素晴らしき古城あり。「孤独のグルメ」Season8で登場するドイツ家庭料理「シーキャッスル」は、気に入りのエピソードだ。本場仕込みの料理もさることながら、何より印象的だったのは、かたせ梨乃演じる女店主のどこか哀愁を漂うたたずま…

たんぱく質が摂れる「チキン&チリ」サンドを作ってみた

たんぱく質がとれるチキン&チリビーンズ・サンドコンビニで売っている「たんぱく質がと摂れる」シリーズのサンドイッチは天下の名品だとおもう。特にチリ味が我が家の御用達で、あまりに家人が褒め称えるもんだから、自作してみることになった。 ベンチマー…

豆干絲で、記憶をつまみに一杯

豆干絲とゴーヤとキクラゲの和えものお盆の真っ只中。新卒でお世話になった上司たちと会うことになった。久しぶりの上京だから、冷やかしに高級スーパーでも覗いてみるかと、前のりしたのが功を奏した。発見したのだ。あの豆腐干絲を。しかも国産じゃないか。…

土鍋で熱々チョリソーのケソ・フンディード

メキシカン・チョリソーのケソ・フンディード自家製タバスコが残り少なくなってきたので、メキシカンに勤しむ夏となっている。 前回に引き続き、孤独のグルメSeason7 第3話、「東京都港区南麻布のサルシータ (SALSITA)」で登場した、ケソ・フンディード(Q…

かき氷の代わりに、大根おろしを食べている

かき氷代わりの大根おろし・なめ茸味先日、スーパーへいったときのことだ。 突如、体調がおかしくなった。店内は、親の敵ほどクーラーががんがんに効いているにもかかわらず、体が熱いのだ。こめかみを締め付けるような頭痛もする。既視感のある異変である。…

ユカタン風チキンとライムのスープ~ Sopa de Lima~

ユカタン風チキンとライムのスープ梅雨明けがはっきりしない7月中旬。逗子にあるAirbnbに召喚された。夏を待ちきれないせっかちな友人がタコスパーティをやるぞと言うのだ。語気からしてすでに決定事項のようだったから、4時間ラードで煮込んだカルニタス、…

暑いぜ熱いぜタコライス

じめじめした夏日に食べたいタコライス移動八百屋の手伝いをはじめてそろそろ一年がたつ。バンから野菜をおろしたり、値段を書いたり、会計のアシストをしたりと、仕事には慣れた。が、先日は蒸し暑いうえに、熱海あるあるの突風が吹き荒れ、やっかいなコン…

ヤリイカのヤムウンセン

ヤリイカのタイ風春雨サラダ【ヤムウンセン】五月最後の日曜日。夜半に降りしきった雨はピタリととまり、ビーチにくだる国道135号線は輝いていた。足取り軽やかな観光客を横目に、ドライブがてら干物を求めて網代へ向かう。丸亀名産店がつくる塩鯖の虜となっ…

豚ハツの豆板醤炒め

豚ハツと葉ネギの豆板醤炒め五月も庭掃除に明け暮れていた。移住してから三年目を迎えるが、ようやく本腰を入れて庭の整理にとりかかったのが四月。おそらく前の住人も、庭の手入れには一切興味がなかったと思われる。雑草は自由闊達に蔓延り、枯れ葉は堆肥…

シイラのフライ

タルタルソースには伊豆山の魚屋・魚久で辻売りしてるフェンネルを惜しみなく。なんせひと束で100円の破格。近所にハーブを育てる名人が住んでいるそうだ。東京にいたころは、臭くて不味いと思っていたシイラだが、目の前の相模湾でとれるシイラは、さっさと…

空豆のフジッリ

空豆のフジッリ「これ、旨いって評判なんだよ」と八百屋が太鼓判を押す空豆。日記を捲れば、今年も例外なく、季節が巡ってきたようだ。 早速ゆでて、熱々を口の中に放り込む。芋のような、栗のようなほっくり具合で、思わずもう一粒に手が出そうになるが、ぐ…

土鍋でほっとけ手羽先のスープ

手羽先のスープ庭いじりをすると、身体を動かし土に没頭することで無となり、心身共にリフレッシュするとなにかで読んだことがあるが、自分の場合は逆のようだ。負の感情が渦巻いてしまう。 思い出したくもない過去や、人生で二度とお目にかかりたくない人な…

タケノコとイカの木の芽和え

タケノコとヤリイカの木の芽和え(簡易バージョン)中島水産でヤリイカが半額。秒でカゴにいれる。この日を待ち望んでいた。 タケノコとイカと木の芽。役者は揃った。今夜は木の芽和えしかない。御年75を越える師匠がつくる木の芽和えは、大変に手の込んだ料…

青菜炒めの「正解」を考える

中華料理屋に行ったら必ずオーダーするものといえば、青菜炒めである。空芯菜、豆苗、ひゆ菜、小松菜。気の利いた店だと「季節の青菜」という札が下がっていて、それを尋ねるのも一興だ。 餃子、麻婆豆腐、エビチリ、炒飯、ラーメンといった主菜はどれを食う…

あともう一品の、葱焼豆腐

葱焼豆腐青椒肉絲、トマトと卵の炒め物、春菊と菊花の和え物、あともう一品をどうしようか。 麻婆豆腐だとちょっとぐいぐいきすぎ。でも豆腐を使った中華っぽいものを食べたいと思っていたら、SNSからちょうどいいのが流れてきた。 「葱焼豆腐」だ。 揚げ焼…

モーリシャス料理オリマン@湯河原の激辛マザバルで焼くマザバルチキン

モーリシャス料理・Kitchenオリマン@湯河原インド洋に浮かぶビーチアイランド、モーリシャス。日本からは飛行機で平均約31時間30分、腰痛持ちの身としては、なかなかハードモードな旅程である。 ところがだ。熱海から15分、車を飛ばしたところにモーリシャ…

野菜の皮の切り漬け改め、大富豪漬け

大根の皮、大根を面取りしたところ、大根の葉、人参、胡麻、昆布去年のちょうど今頃、ある大富豪のお宅にお邪魔する機会があった。その邸宅はまさに城と呼ぶにふさわしいモダンな設計の豪邸で、結婚式場と美術館とレストラン、ジムにプールにシミュレーショ…

長芋素麺でとろろ蕎麦

長芋素麺とろろ蕎麦正月に義父からいただく長芋がべらぼうに旨いんだが、とろろ蕎麦にする際は、ひとつ悩みがあった。 山芋と違って水分が多いので、擦るとサラサラの粘液状になって、麺つゆに流れ出てしまうのだ。つゆは濁るし、せっかくの熱々のかけ汁は冷…

アワビとウニを炊き込んだ元祖"いちご飯"、存亡の危機

いちご飯「苺飯」というものを知ったのは、数年前のことだ。古本屋で手に入れた『日本料理四季盛付』を眺めていたとき、有馬籠の雅なおひつに盛られたアワビ飯のページにひと言、添えてあったのだ。 因みに、鮑と生の雲丹を入れたものを「苺飯」と言います。…

一挙両得 あさり飯とネオ深川飯

新旧・深川飯家人の父が江戸の文化、風物、経済などに造詣が深いこともあって、当時の食関連の本を大量に譲ってもらった。ザッピングしながら眺めているが、日々新しい発見があって楽しい。深川飯の話をしよう。 いまでは駅弁に給食に冷凍食品にと、江戸時代…

まるでカツ煮? 厚揚げの卵とじ

カツ煮もどき定食2日連続で肉肉しい献立(一昨日はジンギスカン、昨日はすき焼きと、どうかしている)だったので、一人飯は精進しておこう。八百屋が隠密に横流ししてくれる熱海のてづくり厚揚げを、ネギと卵でとじる。賞味期限が2日と短いので、半分残して…

味醂であっさり柚子大根

「漬物は塩だけが最上」と頑なに信念を曲げない男、それが家人である。白菜漬けも、大根漬けも、柴漬けも、梅干しも、原料は塩だけのものを好むので大変に面倒くさい。 このご時世、塩のみで漬けた漬物を探すのはハードルが高い。砂浜で落としたコンタクトを…

あんかけ卵とじうどん

あんかけ卵とじうどん【プレーン】朝、玄関に出て腰をかけ、ふと空を見上げると、胸壁に香箱の猫がいた。黒い鼻に薄茶の斑があるキジトラ猫だ。まだ小さい。一歳にとどいてないだろう。じっと動かない。この距離でこちらに気づいてないんだろうか? 「おーい…

今宵は江戸飯。冷えても旨い大根の菜めし

菜飯に刺身、柚子大根、おでんを添えて、今宵は江戸飯江戸の庶民に愛された菜めし。青菜は小松菜、春菊、京菜、嫁菜、大根や蕪など、緑葉であればなんでもいい。 『たべもの江戸史』によれば寛永の頃(1624年~44年)には、菜めしと豆腐の田楽がセットになっ…

鶏肉とひよこ豆のスープ

何が食べたいかわからないけど、なんだが優しい味わいのものが食べたいと適当に作ったら思いのほか好評だった鶏肉とひよこ豆の煮込み。汁だくにしてメインに据えた。縦長の土鍋に玉ねぎとニンニク、焼いた鳥、完熟トマト、バター一欠片、湯がいて冷凍してお…

インパクト勝負の冬の鍋、砂鍋獅子頭(大肉団子の土鍋煮込み)

砂鍋獅子頭砂鍋獅子頭。「シャーグゥオシーヅトウ」と発音する、中国の家庭的な土鍋料理だ。 この料理のポイントは、揚げた大きな肉団子が4つ入ってることだ。獅子はライオンを意味するが、四子(スーツー)と獅子(シーヅ)をひっかけた洒落ネーミングらし…