朝いちばんで確認すべきこと。それは今日の魚の仕入状況だ。
伊豆山の魚屋・魚久は毎朝欠かさず、水揚げされた魚や手作り惣菜をSNSで公開している。
12/9も掘り出し物がずらり並んでいた。せいこがに400円、メカジキ一切れ250円、カマ1個500円。
「今日は魚久いくぞっ!」と家人に声をかける。なんとしてもカジキのカマを手に入れたい。写真によれば6個しかない。家人の仕事が終わるのをそわそわしながら待つ。
夕暮れ時、ジムニーをぶっ飛ばして魚久へ。幸いカマは二つ残っており、安堵した。
シーチキン用の切り身もふたつ追加し、大いに満足して家路へ。
翌日、隣人がプロ使用だというノコギリと特大の剪定バサミを貸してくれた。曇り空のなか椿の木を一本切り倒し、庭を占拠していた謎の蔓植物、景観を遮るススキなどを刈りまくる。二時間たっぷり庭仕事に従事したのち温泉につかり、ビールで喉を潤したら夕飯の準備開始だ。
カジキはどちらかというと淡泊なイメージだが、皮付きのカマは指にべったりまとわりつくほど脂がのっていた。しっかりオーブンで焼いていこう。
230度で5分を4セット。油をかけながら焼く。皮がプックリ膨らんでパリッとしたら焼き上がりだ。念のため金串を身の分厚いところに突きさして温度も確認。
もはや肉以上に肉々しい代物だった。骨まわりのゼラチンも最高だからしゃぶりつく。
おびただしいほどのDHAを摂取している感覚。それがすぅーっと身体に染みこんでいく感覚。錆びついた脳、ゆがんだ骨、きしむ節々に良質の油が注がれている感覚。
残った油とくず肉はかき集めて〆のパスタに。余すことなくメカジキの脂をとりこんだ。
ほどよい疲れと酒とカジキ。泥のように眠りにつく。
メカジキのカマのロースト
材料
カジキのカマ | 400g | |
ニンニク | 1片 | みじん切り |
イタリアンパセリ | 少々 | みじん切り |
鷹の爪 | 半本 | 種をぬく |
レモン | 1/2個 | くし切り |
塩・胡椒 | 適量 | |
オリーブオイル | 適量 |
つくりかた
- カジキの重量の1%の塩を塗り、しばらくおいておく。
- 水分がでてきたらきっちり拭き取り、パイ皿にのせ、オリーブオイルをどぼどぼっとかけて塗りたくる。
- 230度に余熱にしたオーブンに入れ、5分焼いたら取り出して油をかける。これを4回(20分)繰り返す。皮がパリっとなったらオーブンから取り出す。
- あらためてフライパンにオリーブオイル、ニンニク、鷹の爪を加えて弱火にかける。ニンニクの香りがでたらイタリアンパセリ、レモンを搾りいれ、塩、胡椒で味をととのえる。
- カジキにソースをかけて出来上がり。
オーブンにいれて良し、切った具材の仮置きに良し、鍋の蓋にして良しのパイ皿はオススメです。