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時速1kmの思考

梅流しうどんにご注意あれ

温梅おろしうどん
温梅おろしうどん

師走だ。
師走だというのに、謎の腹下しで悶絶している。熱もなければ吐き気もなく、腹は痛いが腹は減り、食べればトイレに直行せざるを得ない事態が続いているので、食事の選択肢が限られてしまう。

基本的には粥、白米、蕎麦、うどんで回しているが、いちばん胃が受け付けてくれてかつ美味しく感じるのが温かい「梅おろしうどん」だった。

つくりかたは常のとおり。出汁300cc、塩を小さじ1/2、薄口醤油を少々煮立たせ、冷凍うどんを投入。その間に6cmほどの大根をおろす。
うどんが煮立ち大根おろしを汁ごと加えたら煮えばなをどんぶりへ。真ん中に梅干しを埋めて、食す。

まずはスープをすくっては飲みを反復。梅干しが柔らかくなったところを見計らって箸でほぐし、そのまわりのスープを楽しむ。次にうどんをすすり、梅干しをちょびり齧り、咀嚼。

つくづく滋味であり、肢体の全方向に効いているだろうか、とたんにぽっぽと火照って背中に汗がにじり寄り、胸いっぱいの邪気を吐き出す。

梅干し
義母産梅干し

義母産の梅干しは、先日家の整理をしていたときに発掘されたという年代不詳のもので、梅干しというより化石なビジュアルだが、塩加減も酸味もまろやか、ゼラチンでかためたのごとく果肉の歯触りがしっかりしていてクセになる。
メンタルにも好影響なのか、来年は梅干しを漬けてみようかという気運すら高まってくるほどだ。

食後は布団に横になり、ぼんやりと携帯を眺めて過ごす。
すると見過ごせない記事が現れた。



【医師監修】大根×梅干しで便秘解消? 頑固な便秘に効果が期待できる“梅流し”でデトックス

温梅おろしうどん=梅流しうどん。健康的な食事療法というものは、なかなかに難しい。

そんな腹痛の合間を縫って年末の食材を求めスーパーをパトロールしている。去年の築地とは品揃えが違いすぎて、ギリギリに追い込まれているが、なんとか盛り返していきたい。

日式三杯鶏でメリークリスマス

三杯鶏
クリスマス。そうだ、三杯鶏(サンベイジー)をつくろう


ローストチキン
の記事の閲覧数が跳ね上がっていて、はて何ごとかと首を傾げていたところクリスマスイブであったことを思い出した。引きこり生活が板につきすぎてそういう晴れがましいイベントとはすっかり縁遠くなってしまっている。どちらかといえば頭の中は正月のお節でいっぱいの年頃だ。

そういえばスーパーの館内放送で「今年のクリスマスはオリンピックで神聖なチキンを〜♪」と流れていた。斬新なキャッチコピーだと感心してたんだが、よくよく耳を澄ませば「新鮮なチキンを」とのこと。いよいよ耳までも疲労が回ってきているようで、今年はチキンを焼く気概もなければ、借りぐらしでオーブンもない。

そんなクリスマスに完全に出遅れてしまった者たちでも手軽にそれなりに楽しめる鶏肉料理がある。

台湾の国民食である三杯鶏(サンベイジー)だ。
中国料理の世界史:美食のナショナリズムをこえて』によれば1970年代に台湾で広まった料理なので歴史はそう古くないが、たどれば江西省から伝わったものだろうというのが著者の見立てだ。

胡麻油、醤油、酒を一杯ずつ、つまり同割りにして鶏を煮付けることからこの「三杯鶏」という名がついたそうだ。なにが魅力的かといえば、この覚えやすさに尽きる。

和食にも酢、醤油、みりんを同量ずつ合わせた三杯酢、醤油とみりんと酒を同量ずつ合わせた幽庵(祐庵)地などがあって、この同割りという概念はアジア料理の根幹に横たわる大河のようなものに感じられる。



ちなみに合わせ調味料については諸説ある。
志の島忠氏によれば三杯酢は一般的には「杯」と書くが、本来は酢と調味料を配分する意味合いから「配」と書くのが適当で、彼の三杯酢は酢5:薄口醤油5:みりん3の割合である。

幽庵地においても漬け込む食材や料理人の考え方によるところも多く、たとえば先の志の島忠氏はみりん5:醤油3:酒2の割合を基本としている。


調味料に胡麻油を使う点が三杯鶏を中華たらしめるが、その他の特徴として、①土鍋で煮て熱々を食すべし、②九層塔(ジュウ・ツン・タァ)という台湾バジルが味の決めてだ。

とはいっても手持ちには日式バジル紫蘇しかないため、否おうなしに「日式三杯鶏」となった。
紫蘇、赤ピーマン、ネギでクリスマスカラーを演出、鶏肉は手羽先を使ってクリスマス気分をお安く旨く盛り上げる魂胆だ。
調理時間も30分くらいなので、今からスーパーに走ればディナーに間に合うはず。
みなさま、よいクリスマスを!

日式三杯鶏

材料

手羽 8本 足先の関節で二等分する
濃口醤油 大さじ2+α
紹興酒 大さじ2
胡麻 大さじ2
きび砂糖 小さじ2
ショウガ 親指ほど 薄切り。たっぷりがうまい
ニンニク 1片 潰す
長ネギ 10cm 5mの長さで細切り
唐辛子 1〜2本 適当に砕く
赤ピーマン 1個 好みで。一口大に切りそろえる
紫蘇 10枚 5mmほどの千切り

つくりかた

三杯鶏
醤油で洗った手羽先を焼く

手羽先に分量外の濃口醤油を小さじ2ほどまぶし和える。醤油で洗うことで臭みを消しつつ、焼いたときに香ばしい色になるのだ。
10分ほどおいたらフライパンで鶏肉を焼き、こんがりと焼けたら皿にとっておく。

三杯鶏三杯鶏三杯鶏
ショウガの香りをがっつり引き出すのがポイント

土鍋に胡麻油、ショウガを加えて、弱火で香りをがっつり引き出したところに鶏肉を戻す。

三杯鶏三杯鶏
調味料と野菜を加える

紹興酒と醤油を加えたらかき混ぜて馴染ませてから、中火にして野菜を加える。かるくふたをして、たまにかき混ぜつつ煮詰めていく。

三杯鶏
紫蘇はたっぷりがいい

汁気が少なくなったら、紫蘇(もしくはバジル)をかけて、熱々を食卓に。
三杯鶏は飯泥棒的おかずなので、クリスマスではありますが、ぜひ米を炊いておくことを推奨します。

心おきなく銀杏を食べたい

ぎんなん, 銀杏, ぎんなんくんボス
翡翠銀杏

地獄の銀杏割りから数日後、銀杏割り器が届いたので、まだ在庫があるというのに慌てて真鶴へ遠征、フレッシュな銀杏を手に入れた。フレッシュといっても果肉を取り除いた核の部分である。

はるか昔は、イチョウ並木のど真ん中に居を構える祖母と銀杏をひろいながら近所を練り歩き、庭に埋めて果肉を腐らせ、それを丹念に洗い流さねばならなかった。その異臭からしても死体処理班の様相を呈していた祖母と孫なので、すでにここまでやってくれた御仁には足を向けて寝られない。マンション暮らしでは確実に通報される案件だろう。

手に入れたギア(銀杏割り器)の筆おろしを祝してか、今日も清々しい冬晴れだ。
さて、自分が習った銀杏の下処理はこうだ。

  1. 銀杏割り器で殻を割る(薄皮がついている状態)。
  2. 銀杏が重ならないよう鍋に入れ、銀杏にひたひたほどの水に重曹をひとつまみ加えて火にかける。
  3. 穴のあいたお玉の背で銀杏を転がしながら、薄皮を取り除く。湯が減ってきたら都度足す。
  4. 八分通り薄皮が剥けたら(だいたい20分くらい)、流水にさらす。

ところが手持ちの本を捲ってみると、聞き捨てならない記述を目にする。

・銀杏を一晩水につけておけば、銀杏の殻を割ると同時に薄皮もつるりとむける。
・銀杏を重曹水でゆがく意味はなく、塩水でよい。

それならばと、昨日から銀杏はたっぷりの水につけておいた。そして今朝、部屋中に漂う異臭で目覚めたのだ。水を含んだ銀杏は一回り大きく膨らんでおり、その異臭は不気味に泡だった水から放たれていた。よもや水死体・・・・・・まぁいい、とりかかろう。

はじめの数個の銀杏は見事に実をクラッシュさせてしまったが、数をこなしていくうちに器具のコツがわかってきた。
ひとつに、銀杏は器具の奥までしっかりいれること。次に、銀杏のやや尖ったほうを上に、かつ2本(ときどき3本あるが)の筋を挟むようにして器具にセットするとうまく割れる。

ぎんなんくんボスぎんなんくんボス
(左)奥までしっかり入れると実が潰れない(右)筋を挟む

残念なことに薄皮はしっかり残ったままで、水につけておいた効果はまったく感じられなかった。
浸水時間が流すぎたのかもしれないと思い、後日、1〜5時間の幅で一時間毎に殻を割ってみたが、やはり薄皮が簡単にとれるという事象はみることができなかった。
ただし、殻がふやけて柔らかくなるので、浸水時間に比例して握力的に楽に割れるというのが唯一の利点かもしれない。

前回1時間以上かかった殻割りは30分短縮し、明らかに効率がよくなった。さすが専用の器具だ。「さっさとかっておけばよかった小道具リスト」に追加すべきかもしれない。
殻を捨て、薄皮をむく作業にはいる前に手を洗う。どうも臭いがとれない。入念に洗う。ごしごし擦る。そして気づいた。

重曹をひとつまみいれるのは、この臭いをとるためだったんじゃないか、と。掃除好きならご存知だろうが、重曹には消臭効果がある。

さらにもうひとつ、重曹については以前「ワラビのあく抜きとその科学」でも書いたことがある。

マヤやアステカの古代人はトウモロコシを、灰や石灰でつくったアルカリ性の溶液で煮ることで外皮を除きやすくして(ニシュタマリゼーション)トルティーヤをつくった。

ワラビのあく抜きとその科学 - mogu mogu MOGGY

そう、いまから銀杏の薄皮をむかんとしているのは、これと同じ効果を期待できないだろうか?

ついでにいえば、アク抜きをしていないワラビ同様に銀杏も、オーバードーズすると中毒を起こす。かつて食糧難にあえいだ戦時中には食べ過ぎで死に至るケースもあったという。
「銀杏は歳の数だけ食え」というのも死者を出さぬための啓蒙に勤しんだ先人の知恵なのだろう。なので自分も、御年70越えた板長の言葉を信じて、これからもまじないほどの重曹を加えることにした。科学的根拠など一切なく、ある意味オカルト的な境地から信じることで救われることもある。

銀杏を鍋に入れ、ひたひたの水に重曹ひとつまみ、点火。
お玉の背で転がしながら気長に薄皮がむけていくのを眺める。幼児の頬を撫でるかことくあくまでも優しく。皮がめくれていくごとに、鍋肌にも茶色い膜のようなものがへばりつく。アクだろうか?

銀杏をゆでる銀杏をゆでる
穴あきお玉で転がしながら

この作業ですべての薄皮を取り除くのはむずかしく、最後は流水にさらしながらの人力作業だ。指の腹でこすりながら、腰痛がぶり返していることに気づき、改めてこんな晴れた日にやるべきじゃないな、と思う。

ラストスパートだ。薄皮がむけた銀杏を鍋にいれ、同割りの酒と水をひたひたに注ぎ、煎っていく。ヤットコで煽りながら、水分がぎりぎりに煮詰りそうなところで塩を加え、完全に水分を飛ばす。薄皮をとったときの銀杏にはなかった艶がでており、思わず味見と称して口にポンポンと放り込む。もっちりとしてプーンと香り、うまい!

銀杏, ぎんなん銀杏, ぎんなん
水分がとぶと銀杏に艶がでてくる

バットに移して粗熱がとれたら、ジップロックにいれて即冷凍。これでいつでも、好きなだけ銀杏が食べられるのだ!
ということで、さっそく炊き込みご飯を仕込むことにした。

銀杏, きのこ, むかご, 炊き込みご飯
秋の大三元

銀杏むかごキノコをこれでもかと釜にぶち込む。秋の大三元飯と呼ぶにふさわしい炊き込みご飯だった。

さっさと買っておけばよかった台所の小道具

モノが捨てられない質が災いしてか、もしくは「ないならないなりに」という親の教えが染み付いているせいか、モノを買うときは吟味に吟味を重ねすぎて無為に時間ばかりがすぎていく。石橋を叩きまくったあげく渡りそびれるタイプだ。

「あったら便利かもしれない」「なくてもなんとかなる」「専門性が高い」「代替案がある」「安くとも高くともない」
こういった要素が強い商品は「まぁ今でなくともいいか」と後回しにしがちだが、こちらが油断した頃合いを狙ってまた購買意欲を刺激してくるので、さらに無駄な時間を費やすことになるのだ。

「モノが増える」「単なる無駄使い」「使えなかったらどうしよう」などなど負の真理を乗り越え、「さっさと買っておけばよかったよ!」という高みまで昇華した道具はもう一生手放せないだろう。

ちょうど今日はブラック・フライデー、アメリカでは感謝祭(Thanks giving)にあたるらしい。アメリカの友人は毎年「よいThanks Givingを!」とメールをくれるが、正直、そういう習慣がないのでどう返してよいかわからずほぼスルーしてしまっていたが、いつのまにか日本にも名前をかえて上陸していたことを知ったのは、ついさっきだ。

ということで、日本列島の買い物気運が高まっている今こそ紹介したい、買ってよかったキッチン小道具を集めてみた。
それもこれも、「よいブラックフライデーを!」と言ってみたかったに他ならない。

調理器具編

クレーバートング エコノミータイプ






クレーバートング エコノミータイプ

外寸 :240mm
製品重量:60g
材質:18-0ステンレス・オールサテン仕上
原産国:日本
そのまま置いても卓上につかない

もはや箸や茶碗と同じレベルで「一人一本」がマストだと豪語したい細身のトング。
出番が多いのは焼肉すき焼き・しゃぶしゃぶといった肉鍋料理。薄い肉でもがっつりつかんで離さない。「菜箸でもいいじゃないか」と思っていたが、フライパン上での細かい作業さえ断然スピーディかつ楽になった。
テーブルに置いても先端が少し浮く形状で衛生面にも配慮されている工夫がすばらしい。

ステンレスのパイ皿






210mm 大 ステンレス 日本製

半調理した食材の一時置きとして使っている。中華なんかには有効で、「入れるの忘れてた!」といううっかり予防になる。
肉や魚を皿ごとオーブンで焼く正攻法はもちろん、鍋やフライパンの蓋としても使い勝手がいい。スープを煮込むときはパイ皿蓋の上にレードルや木べらを仮置きできるのが地味に便利である。ただし蓋にする場合は熱くなるので指の皮を厚くするなど鍛錬が必要となる。
縁の立ち上がりが緩やかなので、バットより洗いやすいのも嬉しいポイントだった。

サラダスピナー






サイズ展開が豊富(ノーマル、M、ジャンボ、スマートボウル、バケツタイプ、ビッグ)

冷蔵庫を買ったオマケに電気屋からもらったときは、「もっといい物くれよ」と悪態をついていたが、いまや必需品。やや収納が嵩張るものの生野菜は俄然生き生きするので、サラダ生活が楽しくなった。
初代は10年の時を経てついに壊れたので代用品を探していところ、図らずもまったく同じ商品が届く。蓋は進化しており、より軽い力で回しやすくなっていた。

角型の菜箸






サイズ:30cmと33cm
素材:国産天然竹 日本製

調理中に菜箸が転がって落ちる。これほど地味で苛つくストレスはなかったが、一発で解消してくれた角形。いろいろな太さがあると便利なので、都度買い足すようになった。
ボウルの上に橋渡しをして、その上にザルをおき、出汁を漉すといった、丸型ではできなかった作業もこなす。

お助けスプーン






【日本製】 ステンレス 取り分け サービススプーン 11643 燕三条

一見ただのでかいスプーンだが、大皿料理(炒め物、麻婆豆腐アクアパッツァ、ピラフなど)を取り分けるには絶妙の大きさ、深さ、厚み。一度で適量をすくえるし、柔らかい豆腐や魚も崩すことなくサーブできる。何度もすくわなくてよいからこぼす率もおのずと減った。
金属製のスポンジはNG。

茶筅型ホイッパー






貝印 ドレッシング ウィスク kai SELECT 100 DH-3118

●サイズ:165×47×47mm ●重量:78g ●材質:ステンレススチール

少量のドレッシングをつくる、玉子をほぐす、味噌をとるなど、ケーキ用のホイッパーでは手に余るときに重宝する。
しかもワイヤーの先端がループしていない茶筅型がこんなに洗いやすいとは目から鱗。洗いやすいからまた使おうという気になるよい循環を促してくれる。

アイスクリーム・スクープ






サイズ展開複数あり:大(大さじ3)・中(大さじ1.5)・ミニ(大さじ1)

肉団子を超高速かつ均等に丸めることができる時短道具。
焼売の皮を将棋盤よろしくテーブルに並べ、スクープでとった肉をリズムよく配置し、空気を抜きながらつつヘラで包むと、通常の倍速で焼売ができあがる。OXOの40ml(大さじ1.5)と30ml(大さじ1)を愛用。

ミニ焼き網

食材を炙るには魚串が便利だが、手持ちの本数に限りがあるし、身の薄い魚においては崩れることもしばしば。そこで目に止まったのが小さな焼き網だった。直径16cmで手持ちつき。トレーをはずして、ガスの直火で炙っている。ネギや刺身など、本当にちょっとしたときに便利な大きさで、必要十分の機能。網は食材を点で支えられるよう波形に加工してあり、しっかり熱くしてから食材をのせるとこびりつきも少ない。

餃子ベラ

餃子専用のヘラを再掲。餃子においては必携の道具で、そのへんのナイフでは味わえない餡のキレの良さである。
餃子や焼売以外には、パンにマヨネーズやマスタード、玉子スプレッドを塗るときに便利なので、サンドウィッチ率が高い我が家では週に3回は登板している。
ペースト状の食材を扱うにはいちばん無駄がでない形状になっているのかもしれない。

Microplane おろし器






Microplane プレミアム ゼスターグレーター ブラック MP-0611

適応食材:ハードチーズ・ハードチーズ・チョコレート・タマネギ・アーモンド・ ナツメグ・ニンニク・ペッパー・シナモン・ジンジャー・柑橘類の皮

岩のように固いパルメザンチーズやナツメグから、レモンやユズの外皮といったしっとり系まで、さっとなでるがごとくバッサバサと削れるおろし器界の精鋭部隊。
konpeito.hatenablog.jp

掃除編

水切れの抜群のスポンジ

スポンジほど毎日使い、あれこれ浮気してきた商品もないが、たどり着いたのはパックスナチュロンのスポンジだった。泡立ちがよく、水切れが抜群で乾きが早いのでカビることがない。もしカビたとしても漂白剤につけておけば復活する。
亀の子スポンジも遜色ない働きをしてくれたが、価格的にもパックスナチュロンに軍配があがった。

ゴム手袋






サイズ:SとM
商品ラインナップ:キッチン、センシティブ、アウトドア、バスルーム

コロナ渦と食器洗浄機がなくなった生活の末、持病に手荒れが加わってしまった。こうなると素手での洗い物は拷問に等しく、防戦一方である。最後の砦はゴムとなった。
指のグリップが効いているのか洗剤でぬるついた皿を落とすこともなく、ゴム素材も他と比べて厚手で破れにくい印象。使用感としては、半年に一度くらいの買い替えだ。
とにかく、手荒れだいぶ改善した。

海をまもるキッチンブラシ






サイズ:長さ11cm
ブラシ部分:特殊ポリエステル、ゴムラテックス
柄部分:ポリプロピレン(耐熱100℃)

1000円するブラシなど買ったことがなかったので相当悩んだ商品だ。
ブラシ部分の素材は毛足の長いゴムで、コシがかなり強い。このコシのおかげで、ザルや目の立ったおろし器なんかが洗いやすい。
洗剤を使わなくても汚れがおちるという触れ込みだったが、油汚れには不向きなようだ。
またゴムが密集しているので乾きにくく、ときどき黒くカビることがあるが、漂白剤につけておけば新品同様になる。
すでに5年ほど使っているがいまだ現役と考えると、費用対効果はよいといえる。

マゾと銀杏

銀杏
地獄の銀杏割り

秋晴れの日曜日の昼間、ようやく重い腰を上げる。一週間前に購入した銀杏を、いいかげんどうにかしないとマズイ。

家人は昨晩アイスホッケーに興じるため東京へ向かい、翌日は午後から上野で草野球。帰宅すると寝る時間がないから都内で野宿するという、不要不急の過密スケジュールで不在だ。

「打って投げての二刀流さ!」意気揚々の家人から監督にもらった土産(サンドウィッチや握り飯など)を受けとるたびに、口からでそうになる。「現物じゃなく現ナマ億もらってこいよ」「草野球というよりクソ野球だね」と。

他人の趣味に口出し無用とは思うが、それをこなしたところで一銭にもならず、仕事による疲労体を週末にまでいじめ抜くマゾ気質は、同居人として不安でもある。
まぁいい。とにかくしばらくは帰宅しないだろう。やるなら、いまだ。

食卓に銀杏を広げ、テレビをつける。ちょうど二時間ドラマがはじまった。主演は北大路欣也。全国津々浦々の所轄署に"期間限定の署長"として乗りこみ、事件を解決していくシリーズらしい。所轄はそんなに人材不足なのか? 署長がスポットでいいのか? いつも家財道具一式車にのっけてるのか? などなど突っ込みどころは満載だが、いまは銀杏に集中したいから番組はなんでもいい。佐渡島を旅する北大路署長が旅館で女性と出会い、物語ははじまった。

殻付きの銀杏を左手に、右手には万能バサミという万全の体制でとりかかる。
ハサミの柄の根元に銀杏をはさみ、ぎゅっと握ればいとも簡単に・・・・・・割れなかった。圧倒的に握力が足りていない。運良く割れたとしても実がクラッシュしてしまう。クラッシュと割れない比率は五分五分で、ひとつもまともに割れない。惨敗だ。

仕方なく古来の方法を試す。包丁の背の根元あたりでかち割るという縄文的メソッドだ。割れる比率が格段とよくなった。よし、これでいくしかないと心を決めた矢先、銀杏を押さえていた指に包丁がクラッシュする。類としては、足の小指を角にぶつけたような、堪えるしかない悶絶系痛みである。

あぁ、自分は日曜の晴れた昼間に何をやっているんだろう。きっとみな外で楽しい午後を過ごしているにちがいない。紅葉狩り、芋掘り、遊園地、ドライブ、もしかしたら「昼顔」よろしくロマンスを紡いでいる人もいるだろうに。銀杏と対峙している場合なんだろうか?

乗りかかった泥舟から降りることはできず、黙々と割ることに専念する。指が痛い。爪が痛い。あげくに首が痛い。そんなの無視だ。無だ。
殻を割り、重曹をいれた湯で薄皮をとり、水にさらしてようやく一段落だ。腰を落ち着け、はたとテレビに目を向けると、犯人は最初にでてきた女性だったということで一件落着のエンドロールが流れていた。

ことの顛末をSNSに投稿した。誰かに褒めてもらいたかったのだ。「よく割ったね!」と労ってほしかった。数分後、和食料理人のSさんから「銀杏割り器は絶対に買うべき!」という冷静なコメントが入る。そう、年に一度のことだからと先送り先送りしていたが、今こそ買うべきだ。Amazonでポチっとした。

反省点はいろいろある。
自分は疲れているときに限って手間のかかる安い食材に手を出してしまう癖がある。
買うべきものを後回しにして失念したあげく、同じような過ちを起こしがちだ。

癖なのか趣味なのかその境界線が曖昧だ。他人の趣味に口出し無用と言ったが、家人のマゾ的一面を心配している場合じゃない。

家人が帰宅。銀杏をふんだんにいれた茶碗蒸しをつくることにした。メインはノドグロ飯だ。
「銀杏がいっぱい入ってる! やっぱり銀杏うまいなぁ」とスプーンで銀杏を掘り当てるたびに顔がほくほくしている。

紅葉狩りも、芋堀りも、ドライブも昼顔も、なにもなかった一日だったが、このひと言でむくわれる。やっぱりマゾなのだろうか。

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先日、銀杏ラバー夢のギアが届く。今季はがんがん割っていきたい。