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時速1kmの思考

9月のお菜覚書

9月の野菜
9/2にGenさんから届いた野菜。ゴーヤと赤紫蘇は豊作。福耳唐辛子、ローズマリー

だらだらと、雨が降り続いている。
都心では先月27日から降り続き、2019年の33日間を大きく上回り、統計史上最長記録を更新中。

野菜の調達がままならず、悶々とする。農家も出荷するものがないのかもしれない。
「百姓殺すにゃ刃物はいらぬ、雨の三日も降ればいい」
趣味で農業に勤しむ軽井沢のGenさんも、半ばやけっぱちだ。彼の本業は蕎麦屋なんだけれど。
ほうれん草、カブ、大根だけでも早く種まきしたいと、雨上がりの隙間をぬって足繁く畑に通っているとの報せ。

熱海・櫻井農園所では、酢橘が盛り。隙あらば酢橘を料理に食い込ませ、ビタミンを摂るように心がける。
今年はシャインマスカットが豊作だと、初老の女性店員が声を張り上げていた。一度はアタリ、二度目はハズレだった。嵐が来る前にと、慌てて収穫してしまったんだろうか。茎がやたら青々としており、皮の口当たりが悪く、甘みも香りも弱かった。とても残念な気持ちでいたら、SNSでマスカットを甘くする方法というのが流れてきた。

「糠床に漬けると甘くなるらしいよ」と、早速仕入れたプチハックを家人に披露するも、「頼むからやめてくれ」と懇願された。既視感のある焦りようである。
「ナメコを炒めるとポルチーニになる」という噂を信じて、パスタをつくったことがある。ナメコを炒めればポルチーニ。ずいぶん景気のいい話である。結果、たいへんまずいナメコのパスタが出来上がった。「二度とつくるな」と釘を刺された。
シャインマスカットの糠漬けはおあずけとなる。

豚カシラの串焼きとフライドポテト

豚カシラの串焼きとフライドポテト
ベビージャガイモ、豚カシラ、酢橘

ベビージャガイモの旬は、春から初夏(3月〜6月)と秋(9月〜10月)の年2回。半割にして、切り口に米粉をまぶし、ローズマリーとニンニクと一緒に低温で揚げる。
カシラは、酢橘、カレー粉、オリーブオイル、塩、ニンニクでマリネ。串に刺して、KAN焼上手で焼く。
とてもヘルシーなメインディッシュだったが、揚げた芋で相殺された。
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アサリと豆腐の煮込み

アサリと豆腐の中華煮込み
アサリ、豆腐、ネギ

酒蒸しにしたアサリの殻をとり、出汁を漉す。
ネギと生姜を炒め、アサリの出汁と水で200ccほど沸騰させ、アクをとったら、角切りの豆腐を加えて煮込む。紹興酒、塩で味付け。アサリを戻して5分ほど煮込み、水溶き片栗粉でとろみをつける。

ツルムラサキのマヨネーズ和え

ツルムラサキのマヨネーズ和え
ツルムラサキ

お浸しに飽きたので、マヨネーズと薄口醤油で和える。目先が変わって、これはこれでいいと思う。

アーリーレッドのオニスラ

アーリーレッド(赤玉ネギ)のオニスラ
アーリーレッド、卵黄

アーリーレッドのパック売りは珍しい。アーリーレッドは9月、北海道でピークを迎えるそうだ。いつもバラ売りしているから、気にしたことがなかった。葉物野菜が手に入らないので、たいへん助かる。スライスしてポン酢をかける。家人は夢中で食べる。

鶏団子の白いスープ

鶏団子, スープ, レシピ鶏団子, スープ, レシピ
大根、白舞茸、長芋、鶏肉、酢橘、アーリーレッド

鶏ひき肉、生姜の汁、卵白1個分をよく練り、少々の片栗粉でまとめて、白団子とする。
大根、長芋、白舞茸を煮込み、団子のタネと落とす。一日目は塩のみの薄い味付け。
翌朝にナンプラーと酢橘を加えてフォー化。

新生姜と砂肝の和え物

新生姜と砂肝の和え物
新生姜、砂肝、ネギ

紅生姜用に下漬けしておいた新生姜に、茹でた砂肝、ネギ、酢橘と酢、ほんの少しの醤油と青花椒油で和える。
顎の強化にとてもいい。

小さなローストポーク

新生姜と砂肝の和え物
酢橘、豚肩ロース

350gと小さめの豚肩ロース。重量の2%の砂糖と塩、酢橘、庭から引っこ抜いたローズマリーとタイムで数時間マリネ。
オリーブ油を塗って200度で5分、150度で30分。少し休ませてから切る。
発酵胡瓜は残り一本。ディジョンマスタードの値上がりが凄まじい。翌朝は、熱海のパン屋・久遠のソフトフランス「ハポネ」に挟んで、キューバサンド。

貴州産の唐辛子で回鍋肉

貴州産の唐辛子で回鍋肉
新生姜、豚肩ロース、ネギ

本来は発酵させた唐辛子、糟辣椒を使う貴州の回鍋肉。
豚バラは塊ごと生姜とネギの青いところで40分ほど茹でて、冷やし、適宜切り出して使っている。
豚バラを中華鍋に敷き詰めて焼いたら、一度取り出しておく。
水で湿らせた粗挽き唐辛子、ニンニクと発酵生姜を炒め、肉を戻し、ネギを加えてさらに炒める。味付けは塩と砂糖。シンプル。
見た目ほど辛くはなく、唐辛子のアロマが存分に活かされる。
従来の豆豉を使う回鍋肉とは別物。甘ったるくないので、軽い。ネギの甘みが際立つ。
まだ生の赤唐辛子が手に入らないから、パプリカの発酵調味料マッサと貴州唐辛子でつくればいいかもしれない。
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かきたま汁

かきたま汁
豆腐、卵

かきたま汁は英語でエッグフラワースープであることを知る。中国語の蛋花湯を直訳したんだろう。優雅でいいと思う。
掻き玉汁。
字面がビンボ臭くないか。こんなに華やかなスープなのに。もっといいネーミングがあるはず。
出汁を塩と淡口醤油で味付け。賽の目の豆腐をいれて、水溶き片栗粉でとろみをつけたら、溶いた卵を回し入れる。すぐにかきまぜない。ふんわり花が咲き固まるまで我慢すること。

本エビの刺身と味噌汁

本エビ、ヒゲナガエビの刺身と味噌汁本エビ、ヒゲナガエビの刺身と味噌汁
ヒゲナガエビ、酢橘、

記録によれば、本エビ(ヒゲナガエビ)は生食が最上。前回はセビーチェにしていたので、今回は刺身にする。賞味期限は、朝どれでその日のうち。
頭と殻は乾煎りして、味噌汁にぶち込む。やや変色したエビと薬味を椀におき、熱々の汁をかけて、酢橘を絞ると、和製トムヤムクンじゃないの。
前回食べたのが五月。深海に季節はないんだろうか。

蒜泥白肉

蒜泥白肉, 珍珍, 小岩蒜泥白肉, 珍珍, 小岩
ゴーヤ、豚肉、豆腐、酢橘

しゃぶしゃぶ用の薄切り肩ロースを使った、お手軽な蒜泥白肉。
ニンニクと同量の生姜を加えて爽やかさを重視。醤油、黒酢、砂糖、辣油、花椒、青花椒油、豚肉のゆで汁、胡麻をよく混ぜてタレとする。
胡瓜が食べられないので、ゴーヤを添える。これで今年のゴーヤ納め。翌日はタレを豆腐にかけて、小岩の四川家庭料理・珍珍風。読み方は「ちんちん」ではなく、「ぜんぜん」だ。

焼野菜

焼野菜のサラダ焼野菜のサラダ
アスパラガス、蓮根、人参、エリンギ、大根、生ハム

すきやき鍋で、野菜をじっくり焼く。味付けは塩のみ。生ハムとパルミジャーノをかける。
おしゃれ野菜アスパラガスより、大根がジューシーで最高だ。

アカイカのイカ墨パスタ

イカスミ, イカ墨スパゲッティ, ネロ
トマト、アカイカ、ニンニク, アンチョビ, 酢橘

日記によると、去年もアカイカをパスタにしていた。移住してから知ったアカイカは文字通り、湯だったタコのような赤い体をしている。柔らかくて、食べやすい。そして、比較的安いのが嬉しい。

胴体と足を外して、足は細かく切り、胴体は皮を剥いで筒切り。
たっぷりめのオリーブオイルにニンニクのみじん切りをおいて点火。香りがでたら、アンチョビ、足を加えて、白ワインで水分を飛ばす。賽の目のトマトを加えて軽く炒めたら、ゆで汁と墨で伸ばし、イカの胴体に軽く火を通して、パスタを和える。酢橘をのせる。
味付けが足りなければ、塩か魚醬。塩辛があれば、肝の効果か、なんとも奥深い味になる。

いつイカが手に入ってもジタバタ焦らぬよう、使い切りの小分けパックにされたイカスミペーストを常備するようになった。






地中海フーズ イカスミペースト (4g×2袋×5セット) 40g

原産国 スペイン
原材料 イカスミ、食塩

新生姜、泡姜になる

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静岡産新生姜(9/15)

露地ものの新生姜が出はじめた。
「6月ごろ出回る新生姜は、高知県のハウス栽培なんだよ。露地モノは秋が旬だからね」
そう教えてくれた熱海の八百屋の親父は去夏の終わり、急逝してしまった。しばらくはスーパーの野菜売り場にいるのも苦痛で、失意に暮れたまま季節は過ぎ去り、梅干しの時期に買っておいた梅酢も、パントリーにて賞味期限が切れた。

秋雨の合間をぬっては、熱海駅前の平和商店街にある櫻井農園直売所へでかけている。酢橘が盛りなのだ。今年も4~5個入った袋で100円と破格で嬉しい。先日は、3袋求めた。500円玉を出し、おつりを待っている暇つぶしに眼を遊ばせていると、棚に陳列する黒いペットボトルにフォーカスした。手書きの太マジックで「梅酢」と札が下がっていた。たしかに、ここは自家製の梅干しも売っている。梅酢があってもおかしくない。

いつかの秋に紅生姜を漬けたとき、梅酢を探して方々駆けずり回った。それ以来、「梅酢は夏に買え」が教訓だったが、灯台もと暗し。あえて目に留まらない高い棚においたのか。ペットボトルの蓋は白く、売り方が密造酒のやり口だ。

二年ぶりに、新生姜を手に取る。静岡県産で、やや小ぶりの色白。
念のため2年前の覚書に目を通し、そのとおりつくっていく。黒く見えた櫻井農園直売所の梅酢は、灯のもとで見事な蘇芳色だった。
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新生姜, 紅生姜, つくりかた
熱海・櫻井農園直売所の梅酢で仕込んだ紅生姜


今年はもうひとつ、つくってみたいものがある。
塩水で発酵させる中国の漬物、「泡菜」だ。生姜でつくると「泡姜」となるらしい。発酵唐辛子はすでに常備菜となっているので、新生姜もラインアップに加えていきたい。

新生姜の泡菜(泡姜)

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新生姜の泡菜、1日目 

材料

新生姜 320g  
濃度6%の塩水 水1リットルに塩60g  
赤唐辛子 1本
焼酎 大さじ1 与那国島の「どなん」使用

作り方

  1. 新生姜を丁寧に洗う。節と節の間に泥が入りやすいので、切り離して入念に洗う。ザルにあげておく。
  2. 水に塩、唐辛子を加えて沸騰させる。塩を完全に溶かす。常温に冷めたら、焼酎を加える。
    (もしあれば)すでに発酵させた液体があれば、発酵が進みやすい。
  3. 保存瓶を消毒し、生姜を詰める。
  4. 塩水を注ぐ。生姜が浮いてこないように、軽く蓋をして、常温で発酵を待つ。
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左から、2日目、5日目、7日目、12日目

クリアだった塩水は、2日目には濁り、だんだんと濁った黄金色となり、ほどなく新生姜の先のピンクも抜けた。長雨で気温があがらなかったので、発酵は穏やかだったのかもしれない。ごく控えめに、金魚のため息くらいの水泡がぷくぷくと浮かぶ。
12日目には、濁った汁はクリアな琥珀となり、いくつかの生姜は沈んでいる。

ときどき蓋をあけて空気をいれてやる。そのたびに、不思議と柑橘の、レモンの香りがする。ツンとしたレモンの香というより、懐かしい蜂蜜レモンジュースの柔らかな香り。
瓶の中でなにが起こっているのだろう。まさか、甘くなっているはずは……ひとかけら、スライスして口にいれる。塩っけのある新生姜だ。だけれど、香りが新生姜ではない。フルーティな生姜。

酸味はまだでていない。もうしばらく香りだけを楽しもうか。

青花椒油、花椒三重奏

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青花椒油を仕込む

麻辣油が冷えるのを待っているあいだに、青花椒油を仕込んでいく。
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つくりかたはいたって簡単。青花椒と油を重量比1:7で合わせ、弱火にかけるだけである。

青花椒油

材料

青花椒ホール 10g
米油 70g






四川 青山椒(ホール)

鼻に抜ける爽やかな香りは花椒と比較するとかなり強めです。
麻婆豆腐や担担麺にはもちろん、鶏肉との相性が良く炒め物や揚げ物に加えるのもおすすめ。
キレのある爽やかな風味と辛味が絶好のアクセントになります。
包丁の側面で叩き潰すか、すりこぎ・ミル等で軽く挽いてお使い頂くとより香りが立ちます。

つくりかた

  1. 小鍋に青花椒をいれて、弱火にかける。
  2. 花椒から泡がでて色が変わるまで加熱したら火からおろし、そのまま冷めるまでおいておく。
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鉄のフライパンでなくステンレスのほうが、色の変化がわかりやすい

ほぼ無味無臭無色のオイルが、太陽の宝石ペリドットのような輝きだ。まるで錬金術師にでもなった気分である。
試しにひと舐め。
ジンジンキタキタ〜。アンメルツのような刺激が口の中に広がった。


麻辣油と青花椒油がそろい踏み。麻婆豆腐をつくるしかあるまい。
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つくりかたはいつもの通りだが、麻辣油の痺れが弱かったので、ひき肉を炒める前に、小さじ1の赤花椒(ホール)を炒めて香りを足し、とどめは青花椒油で焼き上げた。
さらに中国のたまり醤油もうっかり手に入れたので、小さじ1ほど忍ばせると、黒っぽい麻婆豆腐になった。

食べる直前に、挽き立ての青花椒をたっぷりかける。
この麻婆豆腐のアロマよ。花椒三重奏だ。

青花椒オイル,藤椒油, レシピ, 麻婆豆腐, 自家製, 麻辣油 青花椒オイル,藤椒油, レシピ, 麻婆豆腐, 自家製, 麻辣油
麻辣油と青花椒の麻婆豆腐






花椒ミル

■サイズ Φ44×128mm 容量
■満水容量 約 70ml
■材質 フタ・ミル本体:ポリプロピレン(耐熱温度 100℃)、容器:ガラス、刃部:セラミック磁器、フィン:ナイロン(耐熱温度 170℃)


某日。生の唐辛子を探すべく、うみえーる長浜の朝市へでむくも、長雨のせいか野菜自体がまったく見当たらない。こればかりは仕方ないけれど、
「手ぶらで帰りたくない」

フリーマーケットでザルを二つ、200円で購入し、宇佐見まで足を伸ばし昼食をとる。気になっていたインドネシア料理店だ。

ゆで野菜にピーナッツソースをかけたガドガド、スパイシーな鯖の煮付け、ジャワチキンカレーをいただく。強風のなかどっしりと座禅を組む黒い大室山を眺めながら飲む、甘ったるいミルクティーが心地よく腹に落ちる。
勘定を済ませ、店の脇にある花壇に目が留まった。赤い唐辛子が植えてあった。しかも二種類だ。こんなところに求めていた唐辛子があったとは。まじまじと詰め寄る。

「そっちは辛くて、小さいのはぜんぜん辛くないよ」
振り返ると、シェフとおぼしき外国人がテラスから見下ろしていた。「ひとつ、ください」とは言えず、車に乗り込む。
途中、タイの雑貨店で箸を4膳、衝動買い。熱海に舞い戻る。
車中、賞味期限が怪しい豚のひき肉のことが頭から離れなかった。「夜は、餃子にしようか」
餃子の皮を求め、新宿製麺に立ち寄る。大と小がある。大は、ジャンボ餃子になるそうだ。普通の大きさがいい。小をひとつ、頼む。

久しぶりの焼き餃子なので、包むのが下手くそになっていた。自家製の皮のように伸びない。包み方をあれこれ試しながら餡を包んでいく。
皮の中で肉汁が対流しているのが見えるほど薄い皮。羽根をつけたら見てくれはどうとでもなる。穴さえ開かなけりゃそれでいい。やけっぱちでつくった時ほどうまくいくものだ。軽い食感で、いくらでも食べられる餃子だった。水餃子に季節が来る前に、また買おう。

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熱海の新宿製麺の餃子の皮(小)。薄くて軽い仕上がり

薬味は、先だってつくった麻辣油と熱海・櫻井農園直売所の酢橘。
麻婆豆腐のときは、「麻~が、麻~が」と痺れが足りない麻辣油についてあれこれモノ申していたが、「餃子だったら、痺れ控えめ麻辣油でもいいのかもしれない」
臆せずあっさり手の平を返す。通常運転の家人である。

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焼き餃子の薬味は麻辣油と酢橘

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貴州の唐辛子で麻辣油をつくる

辣油, ラー油, 麻辣油, ガチ中華, レシピ, 作り方
貴州産粗挽き唐辛子で麻辣油をつくる

麻辣油を自作しはじめて6年がたち、すっかり我が家の定番の味となっている。
在庫がなくなる前に仕込まねばと、贔屓にしているスパイス屋ラセラヌーのサイトをチェックしていたところ、とんでもない唐辛子を発見した。

貴州朝天辣椒(荒挽き)だ。
中華料理店からたっての要望があって取り扱うようになったのだそう。もしかしたら、昨今の麻辣湯ブームなのかと邪推してしまう。

「天無三日晴 地無三里平 人無三分銀」
天に三日の晴れ間なく、地に三里の平地なく、人は三分の銀をもたない――そんな言葉があるほど厳しい土地とされてきた貴州省だが、唐辛子となると話は別。「食は広州にあり、唐辛子は貴州にあり」。そんな言葉はないが、とにかく貴州は唐辛子のメッカなのである。

どんなフレーバーなんだろうか。気になっておちおち夜も眠れなくなったので、すぐさまポチった商品が先ごろ届いた。唐辛子の在庫は増えていくばかりだが、仕方ない。趣味なんだから。

在庫の韓国産キムチ用唐辛子と、中国産天鷹唐辛子パウダーと比べてみると、同じ赤でも色味の深さが違う。韓国産はほとんど辛味はなく、甘みのある香り。貴州産は、舐めたあとにじんわり広がる辛味と、唐辛子らしい輪郭がはっきりした風味。前回の麻辣油に使った中国産天鷹唐辛子パウダーにいたっては、開封しただけで鼻腔に突き刺さるデンジャーな辛味。鼻水がとまらない。

あまり辛くないので、貴州産と中国産のブレンドで麻辣油をつくることも思案したが、せっかくだから今回は貴州産オールインでいってみたい。

つくりかたは常のとおり・・・
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ではなく、こっちも変えてみることにした。
いつもなら、香味油に煎って粉末にした花椒を後入れしていたが、今回は初めから香味油にホールの花椒を入れる方式だ。その他の材料、分量はいつも通り。

花椒は赤と青を買い足したので、オマケに青花椒油も仕込んでおく。

辣油, ラー油, 麻辣油, ガチ中華, レシピ, 作り方辣油, ラー油, 麻辣油, ガチ中華, レシピ, 作り方
貴州産と韓国産の唐辛子
辣油, ラー油, 麻辣油, ガチ中華, レシピ, 作り方辣油, ラー油, 麻辣油, ガチ中華, レシピ, 作り方
左から、韓国産粗挽き唐辛子、貴州産粗挽き唐辛子、中国産天鷹唐辛子パウダー

貴州産粗挽き唐辛子の麻辣油

材料

辣油, ラー油, 麻辣油, ガチ中華, レシピ, 作り方
麻辣油のつくりかた
貴州朝天辣椒(荒挽き) 60g
日本酒または水 大さじ2くらい
花椒(ホール) 20g
植物油 360cc 米油を使用
生姜 7g 薄切り
ネギの青いところ 2本
ニンニク(青森県産) 2片 半割
シナモン 5g 保存容器に合わせて適当に折っておくといい
八角 1個
ローリエ 2枚
胡麻油 大さじ2






四川唐辛子 貴州朝天辣椒 (荒挽き)100g

本格中華の風味付けにはコレ!
中華料理店様からのご要望があり、四川唐辛子のさやを種ごとざっと挽いた製品です。






花椒(ホール)選別品50g入り

完熟した実の外皮だけを選別。かどのない柔らかな風味で使いやすく、素材にピリッとした辛味と風味のアクセントを加えます。よく乾燥しておりますので、ぜひ挽き立ての風味をお楽しみ下さい。



赤唐辛子(辛口)パウダー100g(天鷹唐辛子)


赤唐辛子(辛口)パウダー100g(天鷹唐辛子)

天鷹唐辛子をパウダーにした辛口タイプです。
料理に食味をそそる赤色を加え、辛めに仕上がります。

つくりかた

  1. 耐熱ボウルに唐辛子を入れ、日本酒(もしくは水)で湿らせる。
  2. 中華鍋に油、香味野菜、唐辛子以外のスパイスを入れ、中火~弱火でじっくり熱する。ネギと生姜はカリカリになったら引き上げる。
  3. 180℃になったら、ザルで漉しながら油を唐辛子に加える。(火傷に注意)
  4. 冷えたら胡麻油を足し、煮沸した瓶に唐辛子ごと詰める。
辣油, ラー油, 麻辣油, ガチ中華, レシピ, 作り方辣油, ラー油, 麻辣油, ガチ中華, レシピ, 作り方
網は大きいほうがいい
辣油, ラー油, 麻辣油, ガチ中華, レシピ, 作り方辣油, ラー油, 麻辣油, ガチ中華, レシピ, 作り方
しっかり冷えたら瓶詰め


出来上がった麻辣油。
瓶の蓋をあけると、ふわっとナッツのような香りがする。これが貴州産唐辛子の香りなのだろうか。刺激臭は皆無なのである。
ひと舐めしてみると、生で食べたときと同じように、じんわりと舌の奥に辛味が広がる。余韻のある辛味が続き、最後にほんのり「麻」で痺れる。なんとも高貴な味わい。前回の麻辣油が、口角泡を飛ばし、烈火のごとくしゃべりたおす四川の親父だとすれば、今回は天女の衣を羽織った踊り子。そのアイシャドウのような、妖しく艶やかな辛味である。麻辣油というより、正調な辣油なのかもしれない。

「ちょっと麻が足りないんじゃないの?なんで変わったことしちゃうんだよ」
花椒を後入れしなかったことに家人は不満げだが、卓上にはミルに入れた青花椒もあるから、挽き立てで痺れを効かせればよいのでは?という気もする。しかも、青花椒油も仕込んであるよ、と補足。

次回は、貴州産と中国の天鷹唐辛子をミックスする手もある。麻辣油の旅は続くのだ。

さて、お次は青花椒油だが、長くなってきたので、日を改めて書きたいと思う。
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リバーライト 極JAPAN 30cm

●錆びにくい鉄製炒め鍋
●サビやすい欠点をほぼ完璧に打ち消し、面倒なお手入れのいらない鉄フライパン

熱海式酢橘鶏

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熱海式酢橘鶏

熱海駅前の商店街にある櫻井農園直売所で、酢橘が出回りはじめた。今年もビニール袋に4~5個入って100円という破格。一年早いなぁと、すだち蕎麦をしみじみ啜る今日このごろだ。
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すだち蕎麦&酢橘カップヌードル

カップ麺に季節感をねじ込むシリーズにも酢橘を登板させる。唐辛子と白胡椒をどばっとかければ、気分は東南アジア。味の方向性は日清カップヌードルのムーマナオ味だ。

あぁ、もっともっと酢橘が食べたい。
カップ麺の底にへばりついた酢橘をしゃぶっていたところ、酢橘の神が降臨した。
そうだ。雲南の「檸檬鶏」を酢橘でつくってみたらどうだろう。
「8月のお菜覚書」にも残したが、檸檬鶏は中国・雲南省で食べられている、ハーブたっぷりの酸っぱ辛い鶏肉の和え物だ。味わいは、タイのイサーン名物、ナムトックやラープガイを彷彿とさせる。

庭に植えたパクチーはすでに種と化していたので、生き残りのミントと紫蘇を摘む。酸味は熱海の酢橘。辛味は宮古島の島唐辛子。先日仕込んだばかりの青花椒油を隠し味とする。
雲南式檸檬鶏ならぬ、「熱海式酢橘鶏」と命名したい。

レシピは書き起こしてみたものの、酢橘の酸味やとれる果汁の分量など、不確定要素が多いので、あくまで目安としてほしい。なんなら暑い寒い、汗をかくかかないで、酸味の感じ方が変わってくる。鶏肉とタレを合わせたら味見をして、その日にちょうどいい味を見つけていくのがこの料理の醍醐味、ということにしておきたい。

「ミント味で米をたらふく食べる日が来るとは思わなかった」
「麻婆豆腐が残って、酢橘鶏が売り切れる日が来るとはね」

やたらに米と合う料理なのだった。

酢橘鶏

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酢橘鶏

材料

鶏モモ肉 1枚(300g)
スダチ 5個 1個は輪切りに、残りは搾る(大さじ4弱だった)
塩・砂糖 各小さじ1/2
薄口醤油 スダチ果汁の半量
鶏のゆで汁 スダチ果汁の半量
ニンニク 1片 みじん切り
島唐辛子 1本 強烈に辛い品種なので種を取ってみじん切り
ミントと紫蘇 適量 ざく切り
青花椒油 小さじ1

つくりかた

  1. 沸騰した湯に鶏肉を入れ、全体が白くなったら取り出し、さっと水洗いする。(本来なら必要ないが、残ったゆで汁をスープにしたかったので、アクを最小限にしたかった。)
  2. 鍋に水、ネギの青いところと生姜の切れ端を加えて沸騰させ、弱火で20分くらい鶏肉を茹でる。
  3. 鶏肉に火が通ったら氷水にとり、冷えたら手で裂く。
  4. スダチ果汁(4個分)を搾り、塩~島唐辛子をボウルに入れ、よくかき混ぜたら、冷えた鶏を和える。しばらく馴染ませて味見をし、調整する。
  5. 食べる直前に、ミントや紫蘇、輪切りにしたスダチ、青花椒油を加えてよく混ぜる。