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時速1kmの思考

山葵風味のバルサミコソース

5年ほど前から年に一度、定期便のように訪れるぎっくり腰。ここのところ調子が良かったもんで、今年はなんとなくやり過ごせる気がしていたが、やはり魔女の一撃は交わせなかった。
台所に立つにもオットセイのような声が漏れ、くしゃみの時には全身で身構え、全神経が腰に集中するもんだから頭の中から人間らしさがずるずると失われていく。

数週間たち、ようやく腰も癒えてきたので、途中になってた記事に向かい合うものの、ぎっくり以前の記憶も曖昧になっている。そうそう、紹介したかったのはバルサミコソースだった。



今夏いちばん世話になったバルサミコソース。そもそもは板長の誕生日にバルサミコ酢をプレゼントしたのがきっかけだったが、牛肉に合うというこのソースを伝授しようと翌日には筑地にエシャロットを発注したそうだ。
つくりかたはいたってシンプル。

バルサミコ酢に炒めたエシャロットを入れて煮詰め、醤油を加え一煮立ち」
以上である。

煮詰めたバルサミコにけっこうな量の濃口醤油を加えることで、和食にもしっかりマリアージュする仕様となっている。出来たてを舐めてみると、高級なウスターソースといった赴きもあり、コロッケなんかにもぴったりはまりそうである。

ステーキには塩胡椒! を頑なに貫いていた家人も、コロナをすり抜けて我が家を訪ねてきた友人も、何が入っているかよくわからないけれど高級っぽい味がすると驚いている。
瓶に詰めて冷蔵庫に入れておけば日持ちするのもありがたい。
香りが飛ばないよう、最後にワサビを加えるのがポイントだ。

山葵風味のバルサミコソース

材料

バルサミコ 500cc 250ccの瓶2本
エシャロット 200g みじん切り
少々 ※つくりかたに詳細
濃口醤油 200cc ヤマサ使用
ワサビ 適量

つくりかた

バルサミコのステーキソース

フライパンで、エシャロットを分量外の油で焦がさないようにしんなりするまで炒める。油はオリーブオイルやバター、もしくはその両方をミックスさせてもいい。
鍋にエシャロットとバルサミコを一本(250cc)入れる。

バルサミコのステーキソース

竹串で高さを測って、その部分を折っておく。もう一本バルサミコを加えて煮詰めていく。

バルサミコのステーキソース

半量(先ほど折った竹串が目安)になるまで煮詰める。

バルサミコのステーキソース

醤油を加えて一煮立ちしたら出来上がり。食べるときにワサビを混ぜて提供する。

バルサミコソースを使った料理

ローストビーフ

ローストビーフ

サラダビーフのサンドウィッチ

サラダビーフのサンドウィッチ

抜かりなく手を抜いた、猛暑の冷奴飯

冷や奴飯

梅雨が終わって晴れ晴れしたのも束の間。次は暑くてどうにかなりそうだ。洗濯物を干していると太陽による強火の遠火にさらされ、顔がピリピリ傷む。四十路の肌は悲鳴をあげている。マッハで干し終えて、クーラーの効いた部屋でひと息つく。

今日は家人が出社したので、昼食をつくらなくていい。正直、ほっとしている自分がいる。
一回の食事にまつわるエトセトラがなくなるだけで、浮いた時間は自分のために使える。ひとまずは腹ごしらえをして、有意義な午後をスタートダッシュしたい。

どうせなら抜かりなく手を抜きたい。となると、時間・労力ともに省エネなのは間違いなくカップ麺だろう。だが手を伸ばしかけたところで、中途半端に残っている豆腐を思い出してしまった。1人ではちょっと多く、2人では足りない分量だから、さっさと処理してしまったほうが得策だ。

冷や飯を温めている間に、豆腐を盛る皿を取り出したものの、洗い物が増えると思い直し、飯茶碗にそのまま豆腐を座らせた。白飯に白い豆腐。やや味気ない風景なので、渋々まな板を取り出してネギを刻む。

出汁醤油をかけて豆腐の角を崩しながら、飯と交互に食べる。
これはうまい。
冷たい豆腐の喉ごしと水分が手伝って、白飯が驚くほど爽やかな粒となり、口の中で混ざっていく。汗もすっと引き、萎んでいた胃もぐるぐると活動しはじめた。



豆腐といえば、江戸時代(1782年)に発行された『豆腐百珍』を思い出す。この豆腐料理の専門書では100種類ものレシピが紹介されており、「尋常品」「通品」「佳品」「奇品」「妙品」「絶品」という6つのカテゴリに分かれている。冷や奴は「通品」に分類されているが、いまのところ自分のなかではこの冷奴飯は「絶品」であり、101品目に加えてほしいくらいである。

前のめりで食べていたら、あっという間に豆腐が先になくなってしまった。不覚にも飯と豆腐の配分を完全に見誤ったようだ。
仕方なく、もう一丁あった新品の豆腐に手を出すことになった。1/9ほどに切って、残った飯にのせる。次は豆腐と飯をぐちゃぐちゃにかき混ぜて出汁醤油をかける。猫マンマのようで、他人様に見せられたものではないが、茶碗に口をつけてがさがさとかき込む。うまいうまい。はじめから混ぜていれば飯と豆腐の配分を間違えることもなかったなと、また余らせてしまった豆腐に思いを馳せる。

茶碗を片づけて、有意義な午後の始まりだ。ひとまず本とiPhoneを携えて、ベッドに転がる。

薬味蕎麦

薬味蕎麦

食あたりならぬ、肉あたりをしているようだ。買い出しへ出かける回数を極力減らしているせいか、日持ちの良い肉食に偏りがちで、夜通し消化するのに想定外の体力を使っているらしく、朝目覚める頃には胃が疲弊している。
こんな時は、薬を食べるに限る。薬と言っても薬味のほうだ。ここは冷たい蕎麦にでもして心身もろもろを整えたいと思う。

一人ならば薬味だけでお釣りがくるくらいだが、在宅勤務中の家人の体がもつわけがなく、ネバ系食材でスタミナを足してごまかすことにした。

冷蔵庫を漁り蕎麦にのっけられそうなものを取り出す。
キノコ焼き浸し(油をひかずに焼いた数種類のキノコを出汁、薄口醤油、みりん、塩で味を調えたものにつけこんだもので日持ちする)、叩きおくら、鈴廣の蒲鉾、納豆、ミョウガ、山芋、小ネギ、梅干し。なんだかんだで八種類、縁起もいい。薬味はただ刻んだだけである。
麺つゆはいつもどおり、出汁と濃口醤油味醂を5:1:1で合わせて、さっと沸かして冷やしたものだ。

薬味蕎麦

konpeito.hatenablog.jp
茹でて氷にさらし、水気をしっかり切った蕎麦に具材を並べて麺つゆをたっぷりと注ぐ。悪くない景色だ。
肉っ気を抜いた割りには食べ応えもあり、梅干しの効果で消化もいくぶんスムーズに行われているようで、さっそくに薬の効き目を実感。これなら午後もうひとふんばりできそうだ。
つゆまで飲み干し、膨れた腹をなでながら食器を流し台にさげたところで眠気に襲われ、ふんばれそうもない。おとなしく布団に直行した。

軽井沢ジモティーによるブルーベリーの冷凍保存

軽井沢のブルーベリー

梅雨を引きずった七月の終わり、軽井沢の友人からブルーベリーが届いた。ダンボールを開けると枝付きのブルーベリーが1本添えられており、なんとも粋な計らいに雨模様な気分に光が差す。

本来なら友人と一緒に、軽井沢でブルーベリーを狩るはずだったが、都内の感染者が300人に届かんとするニュースを無視することはできなかった。
枝から実をひとつもぎ、口に含めば、ブルーベリー狩りの雰囲気は漂う。トルコで求めたチャイカップがしっくりきた。

軽井沢のブルーベリー

ダンボールいっぱいのブルーベリーは、一粒一粒に個性が際立つ。青かったり赤かったり紫だったりで、スーパーで見かけるやつとはひと味も二味も違う気がする。
割れてしまった実は褒美として口に放り込みながら、洗浄作業に勤しむ。

水気をとったブルーベリーはビニール袋に小分けして、なるべく重ならないよう配置して急速冷凍にかけた。先日隣人から桃をもらったことを思い出し、お裾分けに持って行ってから、友人に御礼のメールを送ると、数時間後に返事がきた。

軽井沢のブルーベリー

ジモティーは、砂糖をまぶして小分けにして冷凍してる。飲み過ぎた夜に最高のデザートです」
そういう情報は前もって教えてほしかったが時すでに遅し。

砂糖がブルーベリーの緩衝材になってくれるのだろうか? 甘味が増すんだろうか? どちらにせよ、来年は砂糖をまぶして冷凍しよう。

それにしても「ジモティー」という言葉が懐かしい。90年代半ばに使われ始めた若者言葉のようだが、そんな若者もいまではくたびれた中年、友人にいたってはアラ古希だが、軽井沢に引っ越した彼は相も変わらずの体躯と精彩を放っている。ブルーベリーのドーピング疑惑が深まるばかりだが、その効果に期待して猛暑を乗り切りたい。

糖質0g麺で気休め冷やし中華

紀文【平麺・丸麺】糖質0g麺

家人に合わせて、1日三食をしっかり食べていたところ、完全に重量オーバーだ。腹回りと太腿まわりにでてきた貫禄が否めない。
解せないのは、家人は体重をキープしているどころか、ときどき「痩せたかも」と耳を疑う独白をするのである。

在宅勤務をしている家人に比べれば、日がな一日肉体労働を強いられているのはこちら側であるというのに、解せないにもほどがある。
つくってもつくっても飯が消えていく事実に反して、「家でなにも食べさせてもらってないんじゃないか」という疑惑さえでかねない事態に、戦々兢々とする毎日である。

週末にアイスホッケーと草野球に興じている家人は、基礎代謝がだいぶ高いと見える。健康優良児でありがたい反面、飯をつくる側としては燃費が悪すぎて迷惑な話でもある。

考えてみれば、在宅勤務が始まる前の自分の昼食は、いっぱいのかけうどんだったり、パン一枚とか、そんな程度のものだった。いうまでもなく、晩酌に命をかけている自分にとって、カロリーの摂取はスロースタート気味だ。

それがいまや、寝起きからカツ丼、ラーメン、天ぷら蕎麦にパスタ……トップスピードで走り出してるもんだから、そりゃ肥えるのが自然の摂理である。

「今週は暑くなるから冷やし中華を買っておこう」と提案され、気軽に了承したものの、製麺コーナーから走ったのは、蒟蒻コーナー。いま自分に必要なのは、限りなくカロリーの低い、麺状の蒟蒻なのだ。

見つけたのは紀文の糖質0麺、カロリーにして25calである。常用しているカトキチの冷凍うどんに比べれば割高だが、背に腹は変えられず、カゴに納める。


梅雨の切れ間、ハム、錦糸玉子、トマト、カイワレダイコンを具にした冷やし中華で昼食となった。

紀文【平麺・丸麺】糖質0g麺

家人は小麦粉の麺で、自分は蒟蒻である。みためは、ほぼ遜色ない冷やし中華となった。食べてみると、昔の蒟蒻麺とはまったく違い、蒟蒻独特の臭みはなく、コシはないものの、麺としては成立している。昨今の食品技術には舌を巻くばかりである。しかも茹でなくていいという手軽さもズボラな自分には合っている。

こんな程度では気休めくらいにしかならないだろうが、気休めでもやらないよりましなはずだと自分を慰める。そして、通常の倍速で腹が減ってしまい、柿の種に手が伸びるのだった。問題の元凶は、自分を甘やかしているところにあるようだ。