皮蛋豆腐をググると多様なビジュアルが拝見できて胸躍る。
四角い冷奴にのせる正統派皮蛋豆腐。
賽の目コロコロ系皮蛋豆腐。
ドミノ倒し系皮蛋豆腐
皮蛋と豆腐が区切られた所轄系皮蛋豆腐。
グチャ混ぜの白和え系皮蛋豆腐。
具沢山のビジュアル系皮蛋豆腐。
この10年あらゆる皮蛋豆腐を食べてきた。
一人で食べるなら冷や奴に刻んだピータンをのせてチマチマ紹興酒を煽りたい。
でも数人でシェアするなら、一口の豆腐に一口のピータンが鎮座する皮蛋豆腐がいちばん性に合っている。
根がしみってれているんだろう。誰かがちょっとでもピータンを多く食べるような事態は不公平じゃなかろうかと常々思っていたのだ。かといってピータンを奪い合うのも大人げない。なにごともバランスが重要だ。なにがなんでも、ピータンと豆腐は同時に、それも均等に食べたい。
よく居酒屋でみかけるのは平たく切った豆腐にピータンがのっかるパターンじゃなかろうか。たとえばこれを保守系皮蛋豆腐としよう。
豆腐半丁を8等分。皮蛋も8等分。
豆腐に皮蛋をのせ、タレと薬味をかければ出来上がりだ。
ところが先日、この保守系皮蛋豆腐を巡ってちょっとした事件が起きた。
箸で持ち上げたときに豆腐が崩れてしまったのだ。絹ごしなので一度崩れるともうとめどない。掴もうとすればするほど箸先のコントロールがきかなくなり、焦る。
横から箸でぶっ刺せば回避できるが、やはりマナー違反であろう。中国的にも刺し箸は禁止なのだろうか。
「箸の使い方が下手なんだよ(家人)」
「島豆腐なら崩れることはない(宮古島の兄さん)」
「スプーンで食べれば?(中国出張が趣味の元同僚)」
などなど耳の痛い意見を各方面からいただき、皮蛋豆腐の盛りつけについて考えることになったのだ。
後日、豆腐を棒状に切ってみることにした。きっと薄切りだから崩れるのだろう。
豆腐半丁を縦長に8等分、そしてピータンをにぎり寿司の要領でのっける。
タレはネギ油抜きの簡易版だ。シンプルでうまい。
これなら絹豆腐でも箸で容易に持ち上がる。
これで晴れて円満解決か!と喜んだのも束の間。また別の問題がもちあがる。
前回と同じ豆腐を使ったのだが、同じ豆腐とは思えないくらい味の違いがあったのだ。
表面積が減ったせいで、ソースのからみがいまいちなのが原因か。
波形の包丁があればいいなとネットで探してみたものの、なにかもっといい手立てはないものか。
今日も今日とて皮蛋豆腐。
まずは豆腐の表面を斜めにカットする。
食べやすい大きさに切る。
タレをかける。