夏ごろから八百屋に頼んでおいた新生姜が、ようやく手に入った。
一袋400円の破格。デフレ過ぎやしないかと不安になりながら2つ求めたが、一緒に買い物していた常連が「こんなに要らねぇよ」とさらに半分以上をタダでくれた。
這々の体で持ち帰り、量ってみると2.5kg。ちょっとぞっとする物量だ。
ところで、新生姜の旬は初夏だと信じて疑わなかったんだが、本来は秋が旬だそうだ。
「6月ごろ出回るのは高知県のハウス栽培の新生姜なんだよ。露地モノは秋が旬だからね」
紅生姜は梅を漬ける時期に一緒に仕込むものだと教わっていたので、青天の霹靂だった。
そんなこんなで待ちに待った新生姜だ。安く新生姜が手に入ったのは嬉しいが、困ったのは肝心の梅酢が店頭から消えていることだった。
「この時期(10月)に梅酢なんてないですよ」とどこの店員も呆れ顔だった。ようやく大手スーパーで一袋だけ見つけたときは、心底安堵した。
「梅酢は初夏に買え」
人生の教訓がひとつ増えた。
新生姜の仕込み
ざっとタワシで洗う。
普通のタワシでざっと土汚れを落とす。
殺菌
数年前はショウガをスライスしてからさっと茹でていたが、前年より塊のまま30秒ほど茹でている。
本来必要のない作業だが、泥など洗い残しがあって万が一腐ってしまうのが怖いので、殺菌目的だ。
湯通ししたらザルにあげる。
重さをはかる
新生姜の重量の3%の塩で下漬けをするので、ここで塩も量っておく。
ショウガを薄切りする
ショウガを縦の繊維に沿って切りつつ塩をまぶすを繰り返す。
重石をする
重石をして下漬けする。
1時間くらいで水があがってくるはずだったが、今回は量が多かったので、3時間ほど放置した。
干す
ショウガの水分をぎゅっと絞って干す。
マンション暮らしのときは天日で一日干していたが、平屋だとごろつき動物の餌になりかねないので、部屋干しにした。
さらにザルにも限りがあるので、キッチンペーパーを挟んでミルクレープ状態で一晩おいた。
瓶に詰める
翌日いちばんで保存瓶を熱湯消毒し、ショウガを隙間なく詰め、梅酢を注いだらできあがり。
梅酢が足りずに、急遽ひと瓶だけ甘酢につけてガリに舵を切る。