新鮮な野菜を求め熱海の街へくりだす木曜日。咲見町にあるイオンでは伊豆や三島の地野菜を販売しており、仕入は毎週木曜日だと判明したからだ。
残暑もピークを迎えた夕暮れは、伊豆産のパプリカがひとつ98円だった。国産で98円は破格といっていい。冬に向けてマッサを仕込むことにした。
マッサ・デ・ピメンタオ(Massa de pimentão)、通称マッサは、塩漬け蔵したパプリカを発酵させて、ペースト状にしたポルトガルの調味料のことだが、以前こちらでも紹介した自家製TABASCOソースの辛くないバージョンといっていいだろう。
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ただ、塩分濃度が高いので、発酵食かどうかは疑問が残っている。
ポルトガルでは肉や魚をマリネして焼いたり、スープの味付けに使うようだが、数年前に訪れた長野ワイナリー、ヴィラデストでは、牛ランプ肉の炭火焼きのソースとして皿を彩っていた。見た目にも美しく、食べてもうまい。これは使える調味料だと確信してマッサをつくるようになった。
辛くないので子どもでも食べられるし、トマトでは出せない鮮やかな天然の色素は、茶色になりがちな飯をパッと彩ってくれるのだ。
物によってはニンニクなどを加えるレシピもあるが、塩とパプリカだけが好みだ。パスタに加えるもよし、カレーに加えるもよし、タイ料理の色出しに加えるもよし、なにかと使い出がある。
パプリカを大きめに切りそろえると、干す作業がはかどる。逆に小さく切っておくと干す作業はややめんどくさいが、潰す作業はやりやすい。
マッサ・デ・ピメンタオ
つくりかた
ヘタと種をとり、大きめに切る。
パプリカのヘタとお尻の周りは丸まった形状をしているので、軽く包丁を入れおくと塩が馴染んだころにはある程度平べったくなっている。
ざっと洗って水分を拭き取り、重さを量る。
パプリカと塩を交互に入れる。
1週間、常温で放置。ときどき容器ごと振って塩をいきわたらせたい。
ちなみに、今回は家人の祖母の遺品整理でもらいうけたタッパーウェアを使っている。この容器は重石がなくても梅干しがつくれるという代物で、みるみるうちに水分があがってくる昭和の不思議遺産だ。
普通の容器でつける場合は、重石をするのがベターだろう。
干す。
一週間たったら容器からザルへ取り出し、一日干す。
本来なら梅干しよろしく天日干しするのがベストらしいが、野生動物らが闊歩している我が家の庭ではむりだろう。虫が寄らないようキッチンペーパーをふわりかぶせて干した。
瓶に詰める。
煮沸消毒しておいた瓶に詰める。