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時速1kmの思考

自家製TABASCO®ソース、のようなもの

自家製タバスコ

毎年かかさずハラペーニョの酢漬けをつくっているが、今年はなぜか国産ハラペーニョがみつからない。在庫はあとひと瓶だったから、心細さが勝ってノリで買ってしまった千葉県産の赤唐辛子。もう後には引けないゆえ、しばらく悩んだ末、タバスコをつくることにした。
さっそく「タバスコ」で検索をかけてみると、驚きの発見があった。

我々がタバスコと呼んでいる赤くて辛い調味料は、あくまで製造元の米マキルヘニー社の商標だというのだ。だから一般的にはペッパーソースとか、ホットソースと呼ぶのが正しく、逆をいえば「タバスコ」を名乗ってはいけないことになる。でもどうだろう、世界のあちこちにペッパーもしくはホットソースの類が点在しているし、今回作るのはあくまでタバスコ的なものであることに違いない。なので「のようなもの」として逃げ切ろうという安直な腹づもりだ。

マキルヘニー社のTABASCO®ソースのつくりかた


How Tabasco Sauce Is Made

さて、タバスコはどうやってつくるのか? 
マキルヘニー社によるタバスコの製造工程の動画によると、刻んだ唐辛子と塩と混ぜ、木樽に詰めて、紙で蓋をし、その上から大量の塩で蓋をする。発酵することで中の液体が漏れ出し、塩が固まって完全な蓋になる。このまま3年熟成したのち、酢を加えてまた3週間寝かせる。最後に種と皮を漉して瓶詰めにする。
なかなか手が込んでる。というより、タバスコが発酵調味料だったことが第二の発見である。

自家製タバスコをつくる

自家製タバスコ

さっそく作業にとりかかる。
まずは千葉県産の唐辛子を刻む。恐る恐るひとかけらかじってみると、拍子抜けするほど辛くない。しかも圧倒的に量も足りない。そこで宮古島産の島唐辛子を大量投入。宮古島産はかなり、辛い。大丈夫だろうか? 急に空恐ろしくなって気休めに普通の赤ピーマンも一つ刻む。

鍋に1Lの湯をわかし、塩を50gとかして約5%の塩水とする。
煮沸したデキャンタに刻んだ唐辛子をいれ、常温の塩水をなみなみと注ぐ。
唐辛子がぷかぷかと浮いてくるのでサランラップを丸めて押し込み、プリンカップで蓋をして、ソーメン茶碗で重石とする。
これは中国の漬物瓶、泡菜壇(ポーチャイタン)を参考にしたもので、瓶でなくてもペットボトルと蕎麦ちょことか、あるもので対応できそうだ。
このまま常温で2週間、観察した。






中国の漬物瓶:泡菜壇(ポーチャイタン)

ガラス製や陶器製などいろいろある。

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(左から)初日---3日後---2週間後

刻々と塩水は濁り、2週間後、千葉県産の唐辛子は沈み、宮古島産の唐辛子は浮いたままで、完全に分離してしまった。この現象を説明する頭はないが、香りはすっかり酸っぱいし、そろそろすり潰してみよう。

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初日---2週間後

まずはザルに唐辛子をあけ、塩水とわける。
面の皮と同じくらい手の皮も厚いものの、なるべく触れないようにミルサーにかける。
唐辛子だけではミルサーが回らないので、酸味のでた塩水も少しいれて。

自家製タバスコ

種と皮も一緒砕いてしまったので、漉す工程は省いた。ここで味見。

自家製タバスコ

調味料というよりもはや武器に近く、一滴で致死量な仕上がりである。タバスコとしてではなく、痴漢撃退スプレーとして売れそうだ。
そういえば、生命力たくましいコバエもこのタバスコには寄り付かなかったことを鑑みれば、かなりデンジャーな代物を作ってしまった感が否めない。

りんご酢を大さじ2ほど入れて酸味を足し、よく混ぜてから煮沸した瓶に詰めて、ここからは冷蔵庫で寝かせることにした。

自家製タバスコ

ここまでくると、なんとかマイルドな辛みに落ち着くよう、神頼みするしかない。

自家製タバスコと日清カップヌードル

日清のカップラーメン・シーフード味にタバスコをかけたら、酸味と辛味が加わってあとひくうまさ。






イワタニ ミルサー 720 ホワイト IFM-720G-W

後継機種あり。