酸っぱくて辛い、タイを代表する海老のスープ、トムヤムクン。
トムヤムクンという料理を日本にここまで浸透させたのは、やはり日清のトムヤムクンヌードルの功績は無視できない。あれ、かなりレベルが高くて、一時期は生産が追いつかなかったそうだ。いまではすっかり定番のカップ麺に落ち着いている。
甘い・辛い・酸っぱいの複雑なハーモニーが特徴のトムヤムクンは、生のハーブさえ手に入れば、実はかなり簡単につくれる。まぁ、そこが1番のハードルだったりするんだが・・・一度これを食べてしまうと、市販のペーストには戻れない!
日本ではココナッツミルクが入ったトムヤム・ナームコンが主流のように感じるが、私はクリームなしの素朴なトムヤム・ナームサイが好きだ。スープを多めにつくって、〆にラーメンとか素麺を入れたら日清に負けないトムヤムヌードルのいっちょあがりだ。
トムヤムに欠かせない生ハーブ
トムヤムに欠かせないのが、カフィアライムの葉、ガランガル、レモングラスといった生のハーブ。この3つがあると、一気にタイ本場の、あの味と香りになる。
上野アメ横センタービル地下食品街はエスニック食材の宝庫だ。日本語がまったく聞こえないので、まるで外国の市場に迷い込んだようでなかなかに楽しい。生のハーブも安く手に入るので観光ついでに覗いてみてはいかがだろう?
どれもよく洗って、レモングラスは一本ずつラップし、カフィアライムの葉は水気を拭いてからジップロックに、そしてガランガルは薄切りにしてからジップロックに入れて冷凍しておけば、長持ちするからいつでもタイ料理が楽しめる。
トムヤムクン(Tom yam kung)のつくりかた
材料
お頭つきのエビ | 8尾 | 生食できるもの |
水 | 800cc | スープ用 |
パクチーの根 | 2本分 | スープ用 |
レモングラス(宮古島産) | 4本 | 鍋に入るよう2〜3等分に切る。さらに叩いておくと香りがでやすい |
カフィアライムの葉(バイマックルー) | 5枚 | 葉脈を取り除いてちぎる |
ガランガル(カー) | 10枚 | 薄切りしたものを冷凍している |
島唐辛子(宮古島産) | 10個 | |
野菜 | ナス、ピーマン、トマトなど好みのもの | 一口大に切る |
キノコ | ふくろだけ、マッシュルーム、マイタケなど好みのもの | 一口大に切る |
ナンプラー | 大さじ2 | |
薄口醤油 | 大さじ2 | すべてナンプラーで味付けをしてもいいが、メーカーによってはかなりクセのある風味になる |
ライム | 1個 | |
パクチー | 2〜3株 | 飾り用 |
つくりかた
エビ出汁をとる
エビの身は、背わたをとり、塩少々、日本酒で軽く下味をつけておく。
エビの頭と殻はよく洗って、塩を少量ふったのち10分ほど放置して、生臭みをとる。
少量の油で、ちょっと焦げそうになるくらいまでしっかり焼き炒める。焦げそうになったら日本酒を碗一杯いれて、アルコールを飛ばす。
ちなみにタイではあまり酒を多用しないようだが、今回のような養殖かつ輸入物は、多少臭みがあるので塩と酒の力を使うことにした。
水を加えて一煮立ちさせる。
アクをしっかりとったら、パクチーの根を加えて、ときどきエビの頭を潰しながら中・弱火で煮る。
麺棒などで潰しながら、ザルで出汁を漉す。
スープをつくる
出汁にレモングラス、カフィアライムの葉、ガランガル、生の唐辛子を加えて一煮立ちさせる。
香りがでたところで、中火に落とし、野菜も入れていく。生のハーブは香りが命なので、長く煮すぎないことがコツ。