タイ料理の名前は、調理方法+食材名で構成されていることが多いので、メニューをみるとだいたいどんな料理なのか、想像することができる。たとえばトムヤムガイなら、トム(煮る)+ヤム(混ぜる)+ガイ(鶏肉)となるから、タイのチキンスープになるわけだ。
では今日紹介するトムカーガイ(Tom Kha Kai)はいったいどんな料理なのか?
料理名を分解してみると、トム(煮る)+カー(ガランガル)+ガイ(鶏肉)だから、カー、つまりガランガルが入ったチキンスープということがわかる。
だがすでに紹介したとおり、トムヤムガイにもガランガルは入っている。大きな違いは、ココナッツミルクが入っていることだ。タイ版チキンクリームシチューというのが私の解釈だが、西洋のクリームシチューのように小麦粉は使わないので、胃への負担も軽い。トムヤムよりも穏やかな辛味なので食べやすいことはもちろん、ご飯との相性はばっちりだ。
スープについてはココナッツミルクだけを使ったり、ココナッツクリームを加えて濃厚さを出したものなど、作り手によってその配分はさまざまなので、個性の発揮のしどころだ。
コナッツミルクだけではコクが足りないし、ココナッツミルクと出汁を使うと薄くて物足りないし、ミルクとクリームと併用するとコッテリし過ぎる。そのバランスをとるのに試行錯誤していたが、ようやくココナッツクリームと鶏出汁を合わせたスープに落ち着いた。
ココナッツクリームは香りが飛びやすいので、二回にわけて加えること、そして沸騰させないように火加減を調節するのがおいしいコツだ。
使うハーブは、トムヤムクンやトムヤムガイと同じだが、ガランガルを気持ち多めに使っている。
どれもよく洗って、レモングラスは一本ずつラップし、カフィアライムの葉は水気を拭いてからジップロックに、そしてガランガルは薄切りにしてからジップロックに入れて冷凍しておけば日持ちする。
トムカーガイ(Tom kha kai)のつくりかた
材料
手羽中 | 200〜250g | 鶏肉は好みの部位を使ってほしい。今回は、出汁もとれて食べやすい手羽中を使っているが、手羽中+もも肉など組み合わせてもいい |
水 | 500cc | 出汁用 |
パクチーの根と茎 | 1本分 | 出汁用 |
ココナッツクリーム | 200cc | |
レモングラス | 1本 | 鍋に入るよう2〜3等分に切る。さらに叩いておくと香りが出やすい |
カフィアライムの葉(バイマックルー) | 3〜5枚 | 葉脈を取り除いてちぎる |
ガランガル(カー) | 8枚 | 薄切りしたものを冷凍している |
島唐辛子 | 5個 | 辛いのがすきならば種ごとかるく潰す |
野菜 | 適量 | ナス、ピーマン、トマトなど好みのものを一口大に切る |
キノコ | 適量 | ふくろだけ、マッシュルーム、マイタケなど好みのものを一口大に切る |
ナンプラー | 大さじ2 | |
薄口醤油 | 大さじ2 | すべてナンプラーで味付けをしてもいいが、メーカーによってはかなりクセのある風味になる |
塩 | 少々 | |
砂糖 | 小さじ1/2 | |
ライム | 1個 | タマリンドジュースでもOK |
パクチー | 適量 | 飾り用 |