大寒を過ぎた3月、人生初の味噌を仕込んだ。
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梅雨が明けると同時に、味噌は「天地返し」という作業をする。天地返しとは、味噌を空気に触れさせる作業で、味噌の発酵がすすみ風味が増すのだ。
これが宮古島へ旅立つ前の最後の仕事になる。今年は梅雨明けが早かったが大丈夫だろうか? 恐る恐る琺瑯容器の蓋を開けてみると……。
部屋じゅうにぷーんと香りが立ちこめる。どうやら「味噌」っぽいものは出来ているようだ。
味噌から液体が染み出してきている。サランラップをはがして一口舐めてみると、たしかに味噌の味がするではないか。初心者でも案外つくれるもんだなぁと思わず感心してしまった。
懸念していた白カビもほとんど生えていない。しっかり密閉できていたということだろう。気になるところだけヘラで取り除いた。
天地返しというくらいだから、琺瑯の容器ごとゴッソリと味噌を別の容器に移し替え、改めて琺瑯容器に戻したかったが、適当な鍋がなかったのでボウルに味噌を移し、味噌を仕込んだときと同じように味噌を丸めて琺瑯容器に叩きつけ、隙間なく詰めていくことにした。なんて大雑把なんだろうと思いつつも、まぁここまできたら大丈夫だろうという根拠のない自信。というのも、ネットで調べても結局のところ正解はないように思えたからだ。なんせ家庭でつくる量なら、天地返しさえする必要がないともいう。
まぁ軽い気持ちで仕込んだ味噌だ。神経質になりすぎるのも楽しくないじゃないか。
容器に味噌が収まったら拳骨で空気を抜き、表面を滑らかにしてから落としラップをし、少量の塩を容器の縁にふってから重石をして元に戻した。つまり工程は味噌をつくるときと同じである。
納戸に戻し、さらに熟成を待つことにしよう。次のレポートは秋深まったころだな。