
ガーキンキュウリが出回る頃合いに八百屋に頼んでおいたのが今年の6月のことだ。その前年は、見た目がガーキン種に似ている、出自不明の短小な、若どれ国産キュウリで発酵ピクルスを仕込んだが、これが発酵を通り越し、見事に腐ってしまった。原因を考えてみると、ひとつに暑すぎたこと。もうひとつにそのキュウリはガーキン種よりもタネが多く、その部分から腐りはじめて空洞になってしまったと考えられる。腐ったピクルスは相当に気持ちの悪い物体だった。
なので、今年はなにがなんでも、正真正銘のガーキンキュウリを手に入れようと息巻いていたのだ。

だが期待に反して八百屋が仕入れてきたのが「白石もろきゅうり」というものだった。八百屋も四方かけずり回って探してくれたらしいが、市場ではガーキンを見つけられず、苦肉の策だったと言う。東京ではそれなりに出回っていたんだが、移住すればいつもの食材が手に入らなくなるのは仕方ないことだ。やってみるしかない。
そんな経緯から、今年は白石もろきゅうりで発酵ピクルスを漬けたのが、7月26日。つくりかたは常のとおり、5%の塩水にハーブやスパイスと共に漬け込む、以上だ。
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今年は梅雨明けが遅かったが、8月ともなれば一足飛びに夏日となった熱海。各地でも災害級の猛暑を記録していた。我が家は都内のマンションより外気温の影響を受けやすいので、一週間ほど常温で発酵させ、塩水がやや濁ってきたところで冷蔵庫に移し、様子をみる。発酵の速度は遅くなるが、腐らせるわけにはいかない。ときどき冷蔵庫から出し、空気を抜いてやることも忘れない。発酵食品は生き物なのだ。
そして今では、すっかり立派な発酵ピクルスへと変貌をとげた。
白石もろきゅうりは、種はあるものの胡麻粒より極小だったことも功を奏した。ガーキンよりも色味が渋いが、しっかりとピクルスである。パリパリと小気味よい音をたてて囓っている家人もご機嫌だ。


価格もガーキンと比べて断然安い。まっすぐなキュウリなので瓶にも詰めやすいし、いいことずくめではないか。
来年からは白石もろきゅうりのピクルス、量産体制に入ろうと思う。