ゴールデンウィーク真っ只中の5月5日、静岡県産・養殖の真鯛が1580円で売られていた。量ってみるとの1.5kgのなかなかの大物。そして、とんでもなくお安い。
買うべきか、買わざるべきか……一瞬悩んだものの、反射的にカゴに入れてしまった。はたして腐らせてしまう前にすべて食べきれるのか、というお題に直面することになる。不安が先に立つものの、ひとまずは日持ちさせるべく、三枚おろしにするところから始まった。
- 鯛の三枚おろし
- 1品目:刺身
- 2品目:潮汁
- 3品目:鯛飯
- 4品目:鯛のカルパッチョ
- 5品目:鯛の昆布締め
- 6品目:鯛にゅうめん
- 7品目:鯛のお刺身サラダ
- 8品目:鯛の黄身和え
- 9品目:鯛飯ドリア
- 鯛チャレンジを終えての所感
鯛の三枚おろし
デカイとはいえ、構造は鯵と同じ。つまり、でかい鯵だと思ってさばけばいいだけのことだ…と思っていたのも束の間。ウロコがデカイ! 固い! 跳ねる! の三拍子である。
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エラも立派なもんである。ただ大きいゆえに、出刃包丁も入れやすく外れやすいのは意外だった。サヨリのような小さな魚のほうが気を遣うのだ。
頭をとって梨割りに。骨が固くて、小出刃が欠けるんじゃないかと戦々兢々。
なんとか三枚おろし終了。スポーツをしたかのような疲労感である。これを毎日やっているプロの体力は並大抵じゃない。
柵に切りとった身は、皮つきのままキッチンペーパーで包み、ほうろう容器に蓋をして冷蔵保存する。
さばきたては水分がどんどん出てくるので、日に一度はキッチンペーパーを取り替える。働いていた店では蓋付きのステンレス製のバットを使っていて、さらに新聞紙をしいて、ある程度の水分が抜けたらキッチンペーパーの上からラップをして刺身を保存している。
さて、これで何品の料理がつくれるか? かくして鯛チャレンジが始まった。
3品目:鯛飯
潮汁のスープとアラを分けて、アラに残った身をこそげ取って鯛飯にする。
スープの味付けは薄口醤油のみ。おすましよりも少ししょっぱいくらいだ。土鍋に米2合+もち麦、スープ、鯛のアラ、ごく千切りにした生姜を加え、白米と同じように炊きあげる。
食べきれなかった鯛飯は、刻んだ紫蘇を混ぜ込んで、一人分ずつラップして冷凍庫へ。
4品目:鯛のカルパッチョ
気分を変えて、カルパッチョに。一日目の刺身と比べると、水分が抜けて鯛らしいもっちり感が出てきた。
そぎ切りにした鯛を皿に並べて、塩少々。水分が出てきたらキッチンペーパーで拭き取り、改めて塩、レモンとオリーブオイル(同量くらい)、色がつかない程度の醤油を混ぜたドレッシングをまぶして馴染ませたら、冷蔵庫で冷やす。器もしっかり冷えたら、好み野菜と胡椒を散らして出来上がり。
余談だが、紫蘇と煮山椒もオススメだ。レモンじゃなくてカボスやスダチなんかもおいしい。
5品目:鯛の昆布締め
4品目のカルパッチョと同時に昆布締めを仕込んでおいた。
羅臼昆布を日本酒を含ませたキッチンペーパーで拭いて、薄塩して水分をしっかりとった鯛の柵(皮ははいでおく)を挟んで、さらにラップでぴったりとくるみ、冷蔵庫で1日寝かせる。ポン酢との相性が抜群だ。
6品目:鯛にゅうめん
冷蔵庫に入れておいた鯛のアラスープはゼラチンでぷるぷる状態。塩と薄口醤油で味をととのえて、鯛にゅうめんに。これで2品目の潮汁は完売御礼。
せっかくなので刺身に使いづらい、薄い腹身の端っこを焼こう。少量すぎて魚焼き器を出すのも面倒だから、串に刺して直火で炙る。仕上げの削ったレモンの皮が爽やかで、ポイント高し。
9品目:鯛飯ドリア
3品目で残った鯛飯をドリアにアレンジ。
まずはホワイトソースをつくる。みじん切りにしたタマネギ1/8、強力粉大さじ3を米油で炒め、牛乳300ccを加えてとろみがついたら、西京味噌(こし)と塩少々で味付け。
解凍した鯛飯を耐熱容器に入れ、ホワイトソースとチーズをかけたら、オーブンで焼く。
鯛チャレンジを終えての所感
鯛三昧の一週間が終わった。結果、一尾の鯛から合計9種類の料理ができた。ざっくり割ると一品あたり175.5円とお得感もある。
惜しむらくは、焼き物や蒸し物がなく、調理方法に偏りがあったことだけれど、達成感はある。すべての部位も使い切ったし、きっと鯛も晴れやかに成仏してくれるであろう。
お題「#おうち時間」