ある週末のこと、家人は夜中からアイスホッケーへ、そのまま泊まりで、翌日は野球に興じるという。よくもそこまで遊びほうけられるものだと呆れつつも、若干うらやましく、なんだか悔しいので、せめてもの抵抗として五反田でジャスミンライスを買ってくるよう命じていた。
ところがその夜、持ち帰ったジャスミンライスがいつものヤツじゃない。フェニックス印の袋ではなく、無色透明のビニール袋に精米日だけが印字されている。よくいえば無印良品のようでもあるが、怪しすぎる米である。
イヤな予感は的中。フェニックス印と比べて明らかに香りが弱い。
あのチキンライス屋ももろもろ経営が厳しいのだろうか。失意のまま、5kgのタイ米を瓶に移し替える。
なげいていても仕方ない。香りが弱いのを逆手にとって、積極的に炊き込みご飯をつくる策に出る。
数日前からなぜかメキシカンを欲していたので、初手はレッドライスに内定。グアムのレッドライスはアチョーテの実で赤く染めあげるが、メキシコ版はトマトを使う。
ニンニクとトマトが入っていれば、まぁ間違いはないだろう。味付けは控えめなので、がっつり肉にサルサをドバドバかけて食したい。
「家の中がジョナサンの香りだよ~」と家人は嬉しそうだ。
惜しむらくは、トルティーヤの粉が切れていたこと。まいて食べたら最高だろうな。
メキシカンレッドライス
材料
ダイストマト | 200g(缶詰半分) | |
タマネギ | 1/2個 | |
ニンニク | 2片 | |
タイ米 | 2合(360cc) | |
水or 出汁 | 420cc | |
塩 | 小さじ1.5 | 出汁に塩分が入っている場合、小さじ1ほどで調整 |
米油 | 大さじ1.5 | |
イタリアンパセリ | 適量 |
グリーンピースやコーン、唐辛子など加えると華やかな一品に。
つくりかた
- トマト、タマネギ、ニンニクを、フードプロセッサーでピュレ状にする。
- 厚手の鍋に油を加え、中火で温め、米を炒める。米粒がだんだんと白くなり、やや茶色っぽくなるまで、焦げないように炒める。
- トマトのピュレを加え(跳ねるので注意)、水分が蒸発してやや乾いてくるまで炒める。鍋にもよるが、2~3分。
- 水もしくは出汁を加え、沸騰させる。
- パセリ、塩を加えてよく混ぜたのち、米を平たく調える。
- 蓋をして15~20分、弱火で炊く。今回はルクルーゼを使ったが、17分くらいでちょうどよかった。カニ穴のようなものがあいていればだいたい炊き上がっている。
- フォークで優しくかき混ぜたら、10分ほど蒸らして出来上がり。
メインは湯河原で仕入れた牛肉の切り落とし。伊東の早生みかん、ハラペーニョの酢漬け、ニンニク、ガラムマサラ少々、塩、胡椒、オリーブオイルでマリネしたものを、厚手のすき焼き鍋でジャッと焼いた。