移住してから魚が手に入りやすくなったこともあり、夕食にアクアパッツァが定番化している。今回は湯河原で手に入れた地元のムツだ。全長約20cmと小ぶりだが、むき出した歯は鋭く、獰猛な面構えをしている。アンコウやタラと同じく深海魚だったというのはこのほど知った。光の届かないハードモードな環境で生きる者たちは、好むと好まざるとにかかわらず強面になってしまうんだろうか。苦労は買ってでもしろといわれてきた昭和世代だが、そろそろイージーモードで口角あげていきたい。
ムツの口の中から食いかけの小魚をひっぱり出すと数珠つなぎだ。豪快な喰いっぷりに感心していると、うっかり自分も喰われてしまい、指先に鮮血がにじんだ。手厳しい奴だ。
アクアパッツァの香り付けにはイタリアンパセリやバジルをよく使うが、あいにく手に入らなかったので、コブミカンの葉で風味をつけることにした。コブミカンの葉、通称バイマックルーはタイでよく使われるハーブで、爽やかな香りが特徴だ。この葉をちぎっていれるだけで、グリーンカレーやトムヤムクンが1.5倍増しで現地寄りになるため、冷凍庫で常備している。
〆は残りのスープに生クリームを投入して、パスタを放り込む。クリームとコブミカンの相性が抜群なのはクラムチャウダーで実証済みだ。
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ムツのアクアパッツァ、コブミカン風味
材料
ムツ | 2尾 | エラ、内臓をとり洗う。塩を塗り込んで10分ほどおく。 水分がでてくるので、焼く前にふきとっておく |
アサリ | 10粒 | |
ニンニク | 1片 | 芯をとって包丁で潰す |
ミニトマト | 5個 | 種が露出するように四つ割り |
ケッパー | 小さじ1 | 塩抜きして粗みじん |
コブミカンの葉(バイマックルー) | 5枚 | 葉脈を境に2つにちぎる |
水と白ワイン | 適量 | 白ワインはなくてもいい |
つくりかた
- フライパンにクッキングペーパーを敷き、オリーブオイルをたっぷり加えてニンニクを加える。
- 盛りつけるとき上になる面から魚を焼く。両面、しっかり焼いたほうがうまい。
konpeito.hatenablog.jp - 両面焼けたら、クッキングペーパーを抜きとり、アサリ、ミニトマト、ケッパー、白ワイン少々に水を加える。魚の厚みの半分以下が目安。蓋をして強火にかける。
- アサリが開く頃合いで蓋をとり、煮汁を魚にかけながら火を通す。アサリの塩気でだいたい味は決まるが、物足りなかったら魚醤をひとたらししてもいい。