
五月最後の日曜日。夜半に降りしきった雨はピタリととまり、ビーチにくだる国道135号線は輝いていた。足取り軽やかな観光客を横目に、ドライブがてら干物を求めて網代へ向かう。丸亀名産店がつくる塩鯖の虜となって早一年ほどか。前回は間が悪く、「いま仕込んでるところ!」だったから、念願の塩鯖を手に入れてほくほくと車に乗り込む。雨あがりの海と山をのぞむ伊豆の景色は純度100%のクリア。もう少し足を伸ばしてみようと、半島を南下した。
宇佐見の長いトンネルを抜けたあたりで、店らしき建物が目に飛び込んできた。大きな象の石像が立っているから、タイ関連の店でほぼ間違いないだろう。街をUターンして店に入る。
ポップだがゆったりしたBGMの流れる店内。タイの雑貨や洋服を扱うモンスーンという店だった。特に調度品のセンスが抜群で、もしかしたら築90年の我がボロ屋でも、こんな家具をおけばトキメキの空間になるんじゃないか?と錯覚させるには十分だった。家人は木の根っこでつくったという分不相応のローテーブルを、今にも買わんかとばかりに執心している。
結局、手ぶらで店をあとにしたが、気分はすっかりタイランドだ。バター焼きにと買っておいたヤリイカだが、ここはタイ料理で手を打つべきだろう。献立はヤムウンセンとグリーンカレーに内定だ。
タイの春雨サラダ、ヤムウンセンは、店で食べると肉や魚貝たっぷりの豪華版だが、春雨(ウンセン)を、和えた(ヤム)料理だから、ヤリイカだけでも問題ないだろう。
レモンとナンプラーを同量、砂糖を加え好みの甘酸っぱさにもっていき、唐辛子で辛味をそえる。そこに春雨、イカ、野菜を和えたらできあがりだ。庭に植えたパクチーを間引いて香りを調える。まだひょろっこいくせに大人びた香りがしてびっくりした。
