アメリカに赴任している友人がある日SNSでこんなことを漏らした。
アメリカでは家族ぐるみで持ち寄りパーティを開くことも多く、サラダとして生のカリフラワーがテーブルにどどどんと並ぶらしいのだ。それを聞いて思わず、きついな! と返信した。
でも、よくよく考えてみれば、カリフラワーやブロッコリーを生で食べてはいけない理由はない。そもそも茹でたり焼いたりして火をとおせば、栄養素は少なからず失われてしまうのだから、生で食べるというのは栄養学的からみても理に適っている。合理的なアメリカ人はそれをわかっていたのかもしれないし、単に大雑把だけなのかはわからないが・・・。
とはいえ日本に生まれた私だって他国のことを笑えない。物心ついたときから、カリフラワーといえば茹でてマヨネーズをつけて食べるのが当たり前になっていた。つまり思考停止していたわけだ。「カリフラワーにはマヨネーズ」がすり込まれていて、長年疑いもせずに食べつづけていたのだ。
そこで世界に目を向けてみる。フランスにはタブレという料理がある。世界最少のパスタ「クスクス」と生野菜を和えた総菜だが、つまりはスプーンで食べるマカロニサラダってとこだろうか。
健康やスタイルに気を遣う若者などは炭水化物を節制すべく、クスクスの代わりにカリフラワーを使うという意識の高さ。こういう風潮はあまり好きではないが、そもそもクスクスは日本の定番ではないし、むしろカリフラワーのほうが手に入りやすい。カリフラワーのサラダと思えば、すんなり受け入れられるではないか。
カリフラワーのタブレ
歯ごたえのあるつぶつぶ食感は、茹でたときのカリフラワーとはまた別のうまさがある。なによりカラフルな生野菜にも食欲をそそられる。脂がのった鮭のカマに添えたが、口の中がさっぱりするのでピクルスのような位置付けになった。メインの料理によっては酸味を変えるといいかもしれない。冬に向かってますますうまさが増すカリフラワー、ぜひ生でご賞味いただきたい。
材料
カリフラワー | 100g | チーズグレーターですりおろす |
ピーマン | 1個 | みじん切り |
トマト | 小1個 | 種を取り除いてみじん切り |
ニンジン | 1/4個 | チーズグレーターですりおろす |
イタリアンパセリ | ひとつかみ | みじん切り |
塩・胡椒 | 適量 | |
レモン汁か白ワインビネガー | 小さじ1〜2 | |
ピーナッツオイル | レモン汁の3倍 | クセのないサラダ油 |
レモンの皮(オプション) | 小さじ1ほど | すり下ろす |
つくりかた
野菜はすべてみじん切りにする。
カリフラワーとニンジンはチーズグレーターですりおろす。時短になるうえ、切り口が不揃いになるのでドレッシングが絡みやすくなる。色のついた野菜はカリフラワーの1/4程度におさえると、白が映えて美しい。
調味料で味付けし、よく和える。
酢と油の比率は1:3くらいが食べやすい。酸っぱいのが好きなら1:2でも。