世の中、アンチ骨つき肉は一定数いるようで、その理由をネットで検索してみると「めんどくさい」「手が汚れる」「骨が口の中に刺さる」「食べづらい」「骨なしがあるのになんでわざわざ」など、なるほど家人が主張する不満にほぼ一致している。
そんな理由から手を出しづらいスペアリブ。滅多に買わないから深掘りしてやろうという向上心もなく、反射的に醤油で甘辛く煮てしまいがちだ。またこの甘辛が家人の口に合わないというから、スペアリブの肩身はますます狭くなるばかり。どうせまたケチをつけられるのだろうと覚悟しながら、とろ火で下煮をしていると、お前はそれでいいのか?と内なる声が、というか鬱憤が吹き出した。
どうせ文句を言われるくらいなら、好き勝手やって言われたほうがまだ納得いくではないか。なんせつくっていて楽しくない。それなら大きく舵を切ってもいいのだケセラセラ。
崩れそうに柔らかくなったスペアリブを醤油洗いして、粉をはたいて揚げ焼きしてやった。クミンベースのミックススパイスを振りかければ、エキゾチックな異国の香りに包まれる。シルクロードを散歩しているようだ。
すでに肉はホロホロなので、肉離れよし。手もさほど汚れず、スペアリブ嫌いの家人も容認。
朗報なのは、思ったより飽きずに食べられる点だ。濃い甘辛味は口の中も胃袋にも重たく、数本で十分だった。下煮さえしておけば、半分は煮込んで、半分は焼くなどの応用も利くし、前日までに仕込んでおけば当日は揚げるだけの宴会向きの一品かもしれない。
骨付きスペアリブのスパイシー揚げ
材料
豚スペアリブ | 600g | |
下煮用香味野菜 | セロリ、タマネギ、ニンニク、胡椒などお好みで | |
●ネギの青いところ | 1本 | |
●生姜の薄切り | 3枚 | |
●ベイリーフ | 1枚 | |
日本酒 | 200cc | |
醤油 | 適量 | |
小麦粉 | 適量 | |
ミックススパイス | クミン大さじ1、一味唐辛子小さじ2、白ごま大さじ1、藻塩小さじ1、砂糖小さじ1/2 | その他、ガーリック、生姜、フェンネルなどの粉末スパイスをお好みで |
つくりかた
- スペアリブを鍋に入れ、ひたひたの水を加えたら火にかける。アクがでてくるので、沸騰して5分くらいしたら、茹でこぼす。流水で血合いや砕けた骨などは丁寧に取り除く。
- 鍋を一度洗って、スペアリブをもどし、ひたひたの水を加えて火にかける。香味野菜を加えて、沸騰させないように肉がやわらかくなるまで(今回は2時間)煮る。肉が柔らかくなったら火を落として冷ます。
- スペアリブを崩さないよう煮汁からとりだし、キッチンペーパーで軽く水気をふき、醤油をまわしかける(醤油洗い)。小麦粉をまぶし、多めの油でこんがり焼く。
- 熱々にミックススパイスをふりかけてかぶりつく。