ジョナサンには「タンドリーチキン&メキシカンピラフ」という実に旨いものがあると、家人は嬉しそうに話している。いわく男の夢を凝縮した洋風の腕白飯で、その味はファミレス界において唯一無二、他を寄せ付けない味だという。
インド、メキシコ、トルコの三つ巴。なんて貪欲な食べ物なのかと想像ふくらむ。見たことも食べたこともないのに見切り発車でタンドリーチキンの仕込みにはいる。鶏肉をヨーグルトとスパイスに漬け込んで二日たったところで、どうもメキシコでもトルコの気分でもなく、普通のジャスミンライスを欲していた。
となるとカレーに鶏肉使うのはぐいぐい来すぎ、というか考えただけで胃もたれ必須なので、ダールとほうれん草のカレーに舵を切ることになった。ネパールのサラサラ系ではなく、ぼってりととろみがついた豆久しいやつだ。
かつては肉なしカレーなんぞ見向きもしなかった家人だが、ダールはすっかり身体に馴染んだらしい。なんなら好きに傾いてきてる。
最近はチキンカレーがちょっと重たいなと思うことしばしばなので、鶏肉を別で焼けば各々で分量を調節できる点もたいへん気に入っている。
つくりかたは色々あるが、自分なりのポイントはこんな具合だ。
・豆(ダール)はなにを使ってもいいし、組み合わせてもいい。
・手順として、大鍋で炒めたルー(タマネギやトマト)に湯がいた豆を加える手法と、その逆、たとえば土鍋で煮た豆にフライパンで炒めたルー加えるやりかたがあるが、後者だと仕上げのテンパリングもフライパンを併用できる利点があった。
・カレーの場合、ニンニクと生姜を併用して香りを出すことが多いが、今回は生姜のみとした。というのも、付け合わせにもよるんだが、若干旨味が強すぎる気がしたのだ。ニンニクは他にも使うので、ここでは省くことにする。
それにしても、「豆は飲みもんだよなぁ」と貪る白髪交じりの家人を見ていると、我々も順調に歳をとってるなと思う。もちろん肝心なのは、「順調に」というところだろう。さて、そろそろ豆も買い足さねばならない。
ダールとほうれん草のカレー(Dal Palak)
材料
イエロームングダル | 200cc | 豆の4倍ほどの水で煮る |
トマト | 1個 | ざく切り |
タマネギ(小) | 1個 | みじん切り |
生姜 | 親指の先ほど | すりおろす |
発酵青唐辛子 | 1本 | 種をとってざくぎり |
ほうれん草 | 1束 | ざく切り |
クミン(ホール) | 小さじ1 | |
●ガラムマサラ | 小さじ1 | |
●コリアンダー | 小さじ1 | |
●ターメリック | 小さじ1/4 | |
仕上げのテンパリングスパイス | ||
クミン(ホール) | 小さじ1 | |
ヒング | 耳かき1杯 | |
チリパウダーorパプリカパウダー | 小さじ1 | |
カスリメティ | 小さじ2 |
つくりかた
- 豆を洗って鍋にいれ、800ccの水を加えて点火。沸騰したらターメリック小さじ1/4、塩少々を加え、豆がくずれるほど柔らかくなるまで煮る。ふきこぼれやすいので火加減注意のこと。
- 別鍋に米油大さじ2にクミンホールを加え、はじけてきたところでタマネギ、ニンニク、生姜、青唐辛子を炒める。
- タマネギが色づいてきたら火を弱め、●のスパイスを加えよく混ぜる。
- トマトと塩小さじ1/2加え、とろみがつくまで煮詰める。
- 柔らかくなった豆を鍋に加えて煮る。ここで水分と塩気も調整。
- 煮立ったらほうれん草を加え、かさが減るまで蓋をして5分ほど煮る。
- 米油(コクがほしければバター)大さじ2にクミンを加え、香りが出てきたらヒング、チリパウダー、カスリメティを加えて、すぐさまカレーにかけ軽くかき混ぜできあがり。好みでパクチーなど飾る。
付け合わせのチキンティッカのレシピはこちらをどうぞ。
konpeito.hatenablog.jp