失敗した甘酒は、捨てるべからず
前回、甘酒をつくったが盛大に失敗をしたという記事を書いた。あのときの落ち込みようといったら、言葉では表しきれない。甘くもない炊飯器いっぱいの甘酒を前に呆然と立ちつくし、涙するしかなかった。
失敗したとはいえ、甘酒は甘酒。栄養価もぎっちり詰まっている。このまま破棄するのはあまりにもったいない。いやバチが当たるだろう。
そして、失敗した甘酒を料理に活用できないかと試行錯誤の日々が始まったのである。そのなかでも「まぁ、ありだね」とお許しをもらえたものを、2つ紹介したい。
甘酒クッキー
「これチーズのクッキー?」と聞かれるほど香ばしいクッキー(というかクラッカーにも近い)に仕上がった。ざくざく系の歯ごたえあるクッキーで、朝ご飯や小腹がすいたときにもってこいだ。
材料
失敗した甘酒 | 40g | |
---|---|---|
薄力粉 | 100g | うち20%をアーモンドプードルに置き換えてもよし |
砂糖 | 40g | 沖縄のきび砂糖を使用 |
塩 | 2つまみ | |
ココナッツ油 | 40g | 植物性ショートニングでも美味しかった |
つくりかた
- 甘酒と塩を混ぜ合わせる。
- 薄力粉と砂糖を混ぜ合わせる。(フードプロセッサーでやると楽)
- ②に細かくちぎった固形のココナッツ油(冬だったので常温でも固形のままだった)と①を入れ、手動で軽く、フードプロセッサーを回す。
- 全体がぼろぼろとしてきたら、フードプロセッサーから出し、手早く折りたたむようにして生地をまとめる。サランラップを敷いた浅いバットに敷き詰めて形を整え、冷蔵庫で一晩休ませる。
- サランラップごと型から取りだした④を、一口大に切り、天板に並べる。かなりぼろぼろしているので、刺身包丁のようによく切れる道具を使う。
- 180℃のオーブンで、15〜20分焼く。
サランラップを敷いておかないと、生地を取り出すのに苦労する。生地を薄くせずにボックス状にすると、亀田製菓のこつぶっこのような菓子になった。
甘酒ドレッシング
クッキーをつくったときに「チーズの味がする」と言われたのは、発酵食品ならではの風味なのではと結論づけ、それならシーザーサラダのドレッシングに合うかもしれないと試したのがこちら。バジルチキンとほうれん草のサラダにかけると、雪のように白いドレッシングがはえる。
材料
失敗した甘酒 | 大1 | |
---|---|---|
白ワインビネガー | 大1 | |
塩 | 小1/4〜1/2 | |
ヒマワリ油 | 大3 | 透明感のあるクセのない油が合う |
牛乳 | 適量 | 濃度を調整するため |
つくりかた
- 材料を上から順番に混ぜ合わせて、しっかり乳化させる。ミルがあると便利だ。
- 牛乳で濃度を調整する。
失敗した甘酒の酸味と多少の甘みは、ドレッシングにぴったりだ。好みでパルメザンチーズを混ぜるとよりコクが出る。白さを強調したドレッシングなので、黒胡椒はあとからかけた(白胡椒があれば、混ぜてもよいかもしれない)。牛乳は入れすぎると野菜に絡まないので、ほどほどに。
まだまだ失敗した甘酒の救済方法があるはずだ。今後も試作は続ける予定だが、これでは本末転倒。甘酒を成功させることに力を注ぐべきである。
使ってよかった暮らしの道具
フードプロセッサー
所有しているのはこちらの何世代も前の商品だ。すでに10年ほど経過しているが、いまだ現役。パイ生地、クッキー生地などが手軽につくることができる。それにしても随分と安価になっていて、ちと空しいぞ。
ミルサー
ドレッシングをつくるときに重宝する。もちろん手作業でもかまわないが、米麹の粒が残る甘酒を一瞬にして滑らかにしてくれる便利な機械だ。