産卵期にはいったせいか、ヤリイカがよく出回っている。冬を代表する高級イカがお手頃価格となれば、飛びつくしかない。春のヤリイカ三昧と銘打って、せっせとイカを解体するのだ。
ところで以前、スーパーの魚屋で、「ヤリイカ」と表示された「スルメイカ」が売られていた。当時はまったく気づかなかったが、並べてみるとたしかに違う。故意にやったとも考えにくいが、なんでも鵜呑みにしてはいけないなと反省したので、改めて確認しておく。
ヤリイカとスルメイカの見分け方
明らかな形の違いは、エンペラと眼球。
ヤリイカ | スルメイカ | |
エンペラ | 先が尖りダイヤ型に近い | 丸みを帯びた二等辺三角形 |
眼球 | 出目 | つぶら |
さて、では調理開始。
まずヤリイカを捌いていくが、 その手順を理解するのにオススメなのが Nara hirokazu さんの動画。とても丁寧で、仕事も美しく、いつも生唾を飲み込みながら勉強させてもらっている。
彼の動画には音声がないので、僭越ながら手順を説明させてもらうとこんな具合だ。
- イカの胴の中に指を入れて、胴と内臓をつなぐ筋を切り離す。
- 足を引っ張って、静かに内臓を抜き取る。
- 目を取り出す。
- 背骨(軟甲)を抜く。
- エンペラの付け根をつまむようにして皮を剥ぐ。残った皮も取り除く。
- 背骨があったところから半分に切り開く。
- 胴体の内側をよく洗い、縁など硬いところを丁寧に取り除く。
- 胴体の内側の薄皮を丁寧にむく。
エンペラとげその皮をむくかは、好みだろう。加熱するとピンク色で春らしい雰囲気もある。
では、春のヤリイカ三昧いってみよう。
春のヤリイカ三昧
ヤリイカ素麺(写真手前)
ヤリイカの胴体を横半分に切り、その下の部分を使った。
包丁の切っ先で、ごく細く切っていく。
肘を意識して、腕全体を使って包丁を引くのがコツ。
紫蘇をあしらい、さい箸で適量をすくって盛る。
わさび醤油で。
ヤリイカの七味焼き(写真右奥)
エンペラとげそを70度くらいの湯で茹でて、白くなったら引き上げる。
イカに醤油を塗して、網にのせて焼く。すでに火は通っているので、醤油を乾かすイメージで。
七味を塗して和える。