移住してからちょくちょく、干物を買うようになった。
一品足りない時は、干物屋へ走る。
「犬も歩けば干物屋へ当たる」くらいに熱海の干物屋は充実している。これまで干物にまったく興味のない人生を歩んでいたが、いまではそれなりの干物女と言えるのではないか。
山六ひもの店の塩さばも、気に入りのひとつだ。サバの干物といってもいろいろあるが、人気商品のトップを飾るのが塩サバだ。ほどよい塩気でジューシー。みりん干しも悪くないが、酒にも米にも合う塩が性に合っている。焼いておいて翌朝に身をほぐし、冷や汁風にしてもうまい。
骨を抜いた、いたせりつくせりの干しサバもあるが、やや割高だ。
ところで干物は、身と皮、どちらを先に焼くのが正しいのだろうか。
手元の『日本料理の仕事大観』によれば、「皮の方から六分焼き、次に身の方を四分焼く」とある。さらに青魚の場合は「強めに焼いて余分な脂を落としたほうが風味がよい」とあった。実際、これまではそのようにしていたんだが、干物屋のパンフレットによるとまったく逆で、「身が先、皮があと」とある。
四半世紀ものあいだ干物の焼き方を間違っていたのだろうかと、しばし困惑する。
悩んでいても仕方ないので、今回は干物屋の指示に従ってみることにした。おなじみ「KAN焼き上手」で焼いていく。
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個人的には皮から焼いたほうが好みだなと感じている。皮がしっかり焼けないと食べづらいし、身がややぱさついてしまった気がするのだ。盛りつける際に身と皮、どちらを上にするかも関係するかもしれない。魚の種類が分かるように、こんがり焼けた皮を上にして盛りつけたい自分にとっては、皮6身4の焼き方が合っているのかもしれない。
ワサビの茎の塩漬けをあしらって完成。
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余談だが、山六ひもの店のショップカードがかなりいけている。きっと手作りだろう。栞として使っているんだが、本の端から尾が飛び出して、なかなかいい具合だ。
塩さばをメインに、残り物をかき集めて晩酌開始! のはずがビール買い忘れていた悲劇。
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