魚屋でたまに見かけるメゴチ。たいてい売り場の目立たない場所においてある。
だがこちらもギンポと同じく、江戸前天ぷらの雄。1パック200円と格安なんだが、残念なのは「こちらの魚は下処理いたしません」とパックに明示してあることだ。たしかに、この小さな魚を捌くとなるとそれなりの時間も人手もかかるわけで、200円じゃ魚屋としても割に合わないんだろう。
つまり、メゴチの天ぷらを喰らうには自分で捌くしか選択肢がないというわけだ。
では早速、メゴチを松葉おろしにしてみよう。
松葉おろしは、キス、メゴチ、小さいアジなど小魚に向いた捌きかただ。そのおろした形が松葉に似ていることからこの名前がついている。小さくて最初は手こずるものの、慣れてくるとクセになるのが松葉おろしの醍醐味。なんせ頭でっかちで食べられるところが少ないから腹を満たすには何匹も捌かなくてはならない。だから目に見えるように上達していくのだ。