「なんでおでんに竹輪麩入れんねん!」
「竹輪麩うまいじゃん!」
2018年「ボジョレーを飲まない会」も終盤にさしかかるころ……もともとは「ボジョレーを飲む会」だったが、ひとり一本以上のボジョレーはあまりに翌日の代償が高いことを年々痛感するようになり、いまではボジョレー解禁日に合わせて好きなワインを持ち寄るただの飲み会となっている。
今年の〆は「おでん」。前日に準備さえしておけば、会の当日はさっと煮るだけなので、ホストとしての余裕もできる。
食べやすさを考慮して、具は小さめにして串を刺すことにした。イメージとしてはスペインのピンチョスだ。
鍋の中を覗いた一人が呟いた。
「まるで関ヶ原の合戦だね!」
おでんという日本のソウルフードには、皆それぞれの正義があるもんだ。西も東も巻き込んで、好きも嫌いもぶち込んで、わいわいやるのがおでんの流儀。ありがたいことに完売御礼だ。
おでんのタイムテーブル
おでんのコツは、ぐつぐつ煮込みすぎないこと。温めては冷やすをくり返せば、味の染みにくい大根や蒟蒻だって味が入っていくものだ。
だからおでんをつくるときは、一日ですべてを終わらせようとするんじゃなくて、前日から計画的に火入れをしていく心の余裕が大事なのかもしれない。
DAY1 | 材料を買う |
DAY2 (前日) |
□出汁をひく □大根を下煮する □おでんの煮汁をつくる □蒟蒻を下準備する □練り物を手作りする □ゆで玉子をつくる |
DAY3 (当日) |
□練り物を準備する □おでんを仕上げる |
おでんをつくろう!
DAY1【材料をそろえる】
今日のおでん具材
大根 | ||
蒟蒻 | ||
よもぎ団子 | 生麩の代用 | |
さつま揚げ | 市販 | |
餅巾着 | 市販 | |
ちくわぶ | 市販 | |
出汁①(大根の下煮用) | 昆布と鰹の合わせ出汁 | |
出汁②(本煮用) | 昆布と鰹の合わせ出汁+アゴ出汁 |
DAY2【パーティの前日】
大根を下煮する
- 大根を輪切りにして(今回は厚さ8cmほど)、厚めに皮をむく。
- 面取りをして、十字に隠し包丁を深めにいれる。大根にも串を刺す場合は四つ割りに。
- 鍋に大根と米を大さじ一杯、すべての大根がかぶるくらいの水をいれて火をつけ、竹串が通るまで茹でる。
- 茹で上がったら冷水にとり、米のぬめりをよくすすぐ。
- 下煮する。
出汁① | みりん | 薄口醤油 | +塩・砂糖 |
14 | 1 | 1 | 適量 |
これが基本だが、大根にはあまり色をつけたくなかったので、薄口醤油を若干控えて(9割程度)、塩を2つまみ入れる。
出汁①840cc:みりん60cc:薄口醤油54ccくらいだろうか。手持ちの鍋の大きさにもよるので加減してほしい。
これに砂糖を小さじ2加え、大根を並べ、鍋を火にかける。落としぶたをして、煮汁が沸いてから10分ほど煮たら火を切り、そのまま鍋ごと冷まして味を含ませる。
煮汁をつくる
- おでんを提供する鍋にどれくらいの煮汁が入るのか、あらかじめ確認しておく。
- 出汁②、みりん、薄口醤油、酒、塩を少々加えて煮立たせる。
出汁② | みりん | 薄口醤油 | 酒 | +塩 |
14 | 1 | 1 | 1 | 適量 |
1400cc | 100cc | 100cc | 100cc | 適量 |
これがおでんのベースとなる。煮ているうちに煮汁が減って味も濃くなっていくので、出汁②も少し残しておくといい。
蒟蒻を下準備する
- 板蒟蒻の両面に格子状の隠し包丁をいれたら、一口大に切り分ける。
- 粗塩で蒟蒻をもむ。蒟蒻の臭みと余計な水分が抜けて、味が染み込みやすくなる。
- 沸騰した湯で蒟蒻を5分ほど茹でたら、ザルにとって冷ます。
- おでん鍋に蒟蒻をセットし、ベースの煮汁で20分ほど煮たら、鍋ごと冷ましておく。
よもぎ団子をつくる
- ジャガイモを蒸して、裏ごしする。
- 湯がいたよもぎをすり鉢ですり、ペースト状にする。
- よもぎと白玉粉、ジャガイモ、水を入れてねる。
- 耳たぶくらいの感触になったら一口ほどの団子に整形し、熱湯で茹でる。団子が浮き上がってきたら冷水にとり、バットに並べて半冷凍にしておく。
DAY3【パーティの当日】
おでんを仕上げる
おでんに使える便利グッズ
おでんの仕切り
手持ちの土鍋にも使えそう。具によっては竹串ごと倒れて沈んでしまうものもあるのであったら便利だろうな。
雰囲気重視! 本格派の角形おでん鍋
角形は仕切りをはずせばローストチキンなんかも焼けるから、意外と重宝するかもしれない。