日本のエディブルフラワー代表格といえば、食用菊だろう。
そもそもなぜ菊を食べる文化が広まったのか、その歴史は江戸時代後期にさかのぼる。
当時は魚を捌いてから売る屋台の「刺身屋」が流行っていたという。おそらくこれは、醤油が大量生産されるようになったことにも関係があるだろう。
流通網が発展していなかった当時、生の魚を食べることはリスクある行為だった。いつ腹を壊してもおかしくないってことだ。そこで殺菌と解毒の効果がある菊を刺身に添えて売ったことで、庶民にも食用菊が広まった……というのはテレビ番組の受け売りだ。
プラスチック製の菊はなんの効果もないが…。あんなもののせるくらいなら、刺身を実質値下げしていただきたいものだ。
食用菊を1パック買ったら刺身にそえるだけでは使い切れないので、お浸しにも入れることにした。冷蔵庫に残っていた野菜やキノコを少しずつ入れて、食用菊の鮮やかな黄色でまとめる。箸休めにはぴったりの一品だ。
食用菊と秋野菜のお浸し
材料
シメジ | 1/2株 | ほぐしておく |
エノキダケ | 1/4株 | 3cmに切る |
ミズナ | 2〜3株 | 3cmに切る |
糸三つ葉 | 1パック | 3cmに切る |
食用菊 | 2つかみ〜 | |
出汁 | 600cc | |
みりん | 大さじ1 | |
薄口醤油 | 大さじ2 | |
塩 | 小さじ1/2〜 |
つくりかた
- 出汁〜塩を加えて一煮立ちさせ、冷ましておく。味見したときに、少ししょっぱいと感じるくらいが目安。
- 野菜をすべて3cmに切りそろえ、食用菊は花弁をむしってほぐしておく。
- 鍋に湯をたっぷり沸かし、火が通りにくいものから茹でていく。
- 茹で上がった野菜を水にとり、ザルにあげて自然に水を切る。決して野菜を絞ったりしないように。
- おおかたの水が切れたら野菜をボウルに移し、①の出汁を半分そそぎ、味を含ませる。
- ⑤をザルにとり、出汁を1度捨てる。野菜から出る水分で出汁が薄まるので、2度漬けすることで味がしっかり入る。
- 野菜に残りの出汁を注いだら落としラップをして冷蔵庫に入れる。