17歳という若さでタイトルをとった藤井棋聖。駒の動かしかたくらいしか知らないど素人でも、その時がくるのを手に汗にぎるほどの熱量で見守っていた。
いっぽうで、油揚げを盤に見立てニヤついている四十路は、もはや人生詰んでるのかもしれないな・・・・・・とぼんやりキーボードを叩いているところである。
さて、さほど好きでもなお稲荷さんを久々に作ってみようかと思い立ったのは、この正方形の油揚げを隣町のスーパーで見つけたからだ。
そもそもなぜ稲荷寿司を好まないのか、という話から始めなければいけないが、とどのつまりり、たったひとつで腹一杯になるからだ。
砂糖と油と炭水化物。成分的にはドーナッツであり、一つ食べれば十分なボリュームとカロリー。生モノが苦手な外国人が、寿司は食えないがいなり寿司だけは別格だというのもうなずける。両親が助六寿司を常用していたのでいなり寿司が親しみある食べ物であることには違いないが、幼子心にいなり寿司ひとつで腹を満たすのはなんだか損した気分だった。
酒を嗜むようになってからは、稲荷寿司との距離はさらに遠のくことになる。酒と飯を同時に摂ることに抵抗があった、というより罪悪感といったほうが正しいのかもしれない。
この小さな油揚げなら、使う飯も少量で足りるし、つまみ稲荷にすれば酒飲みでも3つくらい余裕でいけるんじゃないか、と思ったのだ。
さっそく12枚のハーフサイズの油揚げをさらに等分に切り、関西風に出汁、薄口醤油、みりん、砂糖で炊くことにする。
酒飲みのためのいなり寿司〜油揚げ編〜
材料
油揚げを煮る調味液の比率は、出汁:みりん:酒:薄口醤油を10:1.2:1:1+砂糖。油揚げの枚数と鍋の大きさに合わせて調整してほしい。
正方形の油揚げ | 12枚 | |
出汁 | 450cc | |
みりん | 54cc | |
日本酒 | 45cc | |
薄口醤油 | 45cc | |
きび砂糖 | 50g |
つくりかた
油抜きをするための湯を沸かしているあいだに、油揚げを半分に切り、袋状に開く。開きづらい場合は、まな板に油揚げをおき、細めの麺棒や菜箸を軽く転がしてやると剥がれやすくなる。
油揚げを熱湯に入れ、10分ほど煮る。
油揚げを引き上げて、水にさらす。
油揚げを両手ではさみ、水気をしっかり絞る。
調味液を沸かして、油揚げを強火で煮る。落とし蓋をしてだいたい10分くらいが目安だが、煮汁が半量ほどになれば火を消して、そのまま自然に冷やす。
冷えていく過程で味が入っていく。保存容器に並べて、煮汁もひたひたに注いだら、一晩冷蔵庫で寝かせる。
本日の作業はこれにておしまい。
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