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時速1kmの思考

入浴システムは銭湯スタイルで

本ブログは食に関する投稿をメインだが、リフォーム・熱海への移住に伴い生活が一変したので、備忘録として残しておきたい暮らしのことも細々と書いていきたいと思う。

熱海といえば温泉。
そして我が家の風呂は、温泉だ。黄色くて、しょっぱい。

家を購入した当時、毎月温泉の使用料がかかると知り、「温泉は不要」と不動産屋に相談したことがある。そんな当時の自分を平手打ちしてやりたいほど、いまは温泉にどっぷり浸かっている。

風呂場は比較的きれいな状態だったため、リフォームは行わなかった。全面が御影石で覆われており、前オーナーの風呂へのこだわりっぷりをひしひしと感じる。

始めて入浴したのは、移住したその当日のこと。二日間にわたっての引越だったため、ファーストペンギンとして家人が試してみることになったのだ。
入浴後、彼は言った。
「腰痛が治ったよ!」
ほら吹きかと一笑に付した。ついには他人にまでその魔法のような効果を吹聴するまでになり、皆が「そんなわけあるまい」「The気のせい」と口を揃えるなか、彼の腰痛はすっかり完治してしまった。そして彼の風呂嫌いも完治した。

近所への挨拶回りのついでに、温泉の効能について尋ねてみたところ、成分表を見せてくれた。その心身への効能はすさまじく、二年以上の仮住まいで疲弊しきっていた我々にはうってつけの湯であることがわかった。

ひとたび湯に浸かれば、泥のように眠りこけてしまう。やばい睡眠導入剤でも混入してるんじゃないかと心配になるほどである。
頼朝、家康、そしてあまたの傷痍軍人たちの傷を癒やしてした湯は、伊達じゃなかった。


さて、風呂といえば、風呂掃除はつきものである。そして私は風呂の掃除が大嫌いだ。
これまではマンション暮らしだったので、ユニットバスだった。常に換気扇をまわしていても、色とりどりのカビがしれっと発生する。猫が同居しているため極力薬剤は使いたくないので、力任せにこすりまくっていた。

床や浴槽はまだいい。地味に不快であったのは、常設のシャンプーやリンスのボトル周りにこびりつく水垢や滑り、石けんカスだ。しつこいうえにキリがない。まったく、うんざりだ。
せっかくの温泉なのだから、デッキブラシで豪快に磨いてザブンと入浴できないものか。そう悶々と考えていたある日のこと、ズボラの神が降りてきた。

風呂場になにも置かなければいいじゃないか。
銭湯にいくときは皆、風呂桶に自分専用の石けんなりシャンプーなりを詰め込み、すべてを持ち帰る。帰るころには乾いているだろうから、カビる余地がないはずだ。

100円ショップに走り、カゴ及びそれに収まるボトル類や石けん入れを求めた。入浴後は水滴が垂れるだろうから、受け皿として収納箱のふたも購入し、締めて600円。風呂場の一角に銭湯セットを置く場所を設ければ、まさにここは銭湯だ。

最初に入浴する者が銭湯セットを持ち込み、最後の入浴する者が引きあげる。
この方式を採用してそろそろ3カ月が経とうとしているが、いまだ目立った汚れはない。受け皿には若干汚れがたまるが、形状がフラットなため洗うのも億劫ではない。

こうして長年の風呂掃除との闘いに、終始符が打たれたのだ。