元旦は、義理兄宅に集まり新年を祝うのが恒例となっている。姪っ子も小学生となり、バイオリンや塾に勤しんでいるようだ。さまざまな小学生必須アイテムを見せてもらい、懐かしいと同時に驚きもあった。
たとえば、習字だ。冬休みの宿題の定番といえば書き初めだ。自分は筆をつかう習字が苦手中の苦手だった。鉛筆ならまぁそこそこ書けるが、筆に持ち替えたとたんに汚文字となった。だいたい「書く」という目的は同じなのに、持ち方が違うのも納得がいかない。墨であちこち汚しては怒られるし、スペースもとるし、紙がもったいないから新聞紙で練習しろともなり、片付けはめんどうくさい。しかも休み明けにこれが教室内で張り出されるという恥辱付きだ。筆を捨てて鉛筆一本でいこうと、早々に諦めた小学生だった。
「習字をしよう」という姪っ子がとりだした道具は、水の入った絵の具用の黄色いバケツ、筆、半紙一枚だ。いまどき硯などはないのか、と見守っていたが、彼女は筆に水をつけておもむろに書き出したのだ。半紙に墨汁がにじむ。しばらくすると、端のほうから墨汁がどんどん薄くなっていくではないか。
練習用の半紙は、特殊な紙でできており、水をたらせば墨のように発色し、乾けば消えていくという手品のような代物だった。手も汚さず、何度でも書き直しができ、紙が無駄になることもなく、片付けも楽。なんてスマートな習字なんだ。
「ちょっとやらせて」と大人げもなく選手交代。何十年ぶりに筆を握り、夢中で書き初めを楽しんでしまった。
1/5。おせちの残りが冷蔵庫に散乱している。ここは在庫一掃セールといきたい。
タマネギの欠片、梅に型抜きした人参の外輪、モロッコインゲン、乾燥小海老をあつめ、かき揚げ初めだ。
筆の腕はいまいちだが、かき揚げはだいぶ上達したように思う。
konpeito.hatenablog.jp