
朝、玄関に出て腰をかけ、ふと空を見上げると、胸壁に香箱の猫がいた。黒い鼻に薄茶の斑があるキジトラ猫だ。まだ小さい。一歳にとどいてないだろう。じっと動かない。この距離でこちらに気づいてないんだろうか?
「おーい」と声をかける。大丈夫か?
面倒くさそうにうっすら目をあけ、こちらを睨め付け、また閉じる。たしかにそこは今、太陽が降り注ぐまどろみスポットではある。それにしても悠長なやつだ。いや、図太いんだろうか。この辺りにはたくさん猫が住んでおり、時にはネズミを咥えてひょっこり現れることもあるが、ほとんどは人間の気配を感じればきびすを返す慎重派だ。
ちょっと待ってろと家に入り、平茶碗の蓋にカリカリをいれていそいそ戻る。よかった、まだ、いる。
そっと近づくと流石に警戒したのか後退り。カリカリの音を聴かせながら、背伸びして塀の縁に皿をおいてみると、躊躇なく食べ始めた。腹が減っていたんだろう。がっついている。皿から食べるのは少々苦手のようで、カリカリが盛大にこぼれてしまうが、落としたカリカリも鼻を効かせて余さず食べていた。
足りないようなので、次は名刺の入っていたプラスチックの箱にカリカリをいれてみる。食べやすいらしく、いい音を響かせて咀嚼している。
カリカリだけじゃ喉が渇くだろう。ヤカンに入った湯を水でぬるませて茶碗に注ぎ、カリカリの横においた。飲まない。しばらく様子を見ていたが、首筋からぞくぞく悪寒が走ったので、その場を辞すことにした。
テレビをつけると、東京では初雪が観測されたと言うではないか。平年より15日も早いと言う。寒いはずだ。すっかり体が冷え切ってしまった。
家人は早朝に出社してしまったので、簡単に、自分好みに済ませよう。出汁:薄口醤油:みりんを12:1:1で合わせて点火。沸いたら冷凍うどんをぶちこみ、水溶き片栗粉でとろみをつける。再沸騰すれば溶き卵を細く回し入れ、ふんわり花が咲いたら餡かけ卵とじうどんの出来上がりだ。
火傷しそうなくらいの熱々を、ゆっくりと啜る。胃袋が温まったところで温泉に入れば、心身共に機嫌よく午後をやり過ごせるだろう。
トッピングはネギや海苔、生姜など質素なものが好みだが、家人用には豚こまや鶏肉でボリュームアップをはかっている。
あんかけ卵とじうどん

材料
| 冷凍うどん | 1玉 | |
| 出汁 | 300cc | 出汁のとりかたはこちら |
| 薄口醤油 | 大さじ1.5 | |
| みりん | 大さじ1.5 | |
| 水溶き片栗粉 | 小さじ2 | 片栗粉と水を1:1の割合で混ぜたもの |
| 卵 | 1個 | 溶きほぐす |
| トッピング | ネギ、生姜、海苔、梅干しなど |
つくりかた
- 出汁、薄口醤油、みりんを合わせて点火。沸いたらうどんを入れる。
- うどんが柔らかくなったら、ゆっくりかき混ぜながら水溶き片栗粉でとろみをつける。
- 再沸騰させたら、とき卵をまわしかける。火を止めて蓋をし、卵がふんわりと固まるのを待つ。