なぜ元恋人というものは、突然に現れるのだろう。しかも夢の中にだ。
今回はすでに別れている設定らしく、駅前のホテルの前でばったりとでくわすと、「アッ」などと素っ頓狂な声をあげていた。
「アッ」と言いたいのはこっちである。君が勝手に私の夢に登場したのだから。
別れて20年以上たっているにもかかわらず、顔はかなり鮮明だ。しかも歳をとっていない。自分の顔も当時のままなんだろうか。意識は年相応の自分なのだ。あいにく鏡を持ち合わせておらず、ちょっと顔を触って確かめてみたが判然としなかった。
結局、各々がホテルのロビーで暇を潰し、特に会話を交わすこともなく、自分はその場をあとにする。いったいなんのために出てきたのか、甚だ疑問に思いつつ、電車にのった。
黒猫に起こされた。4:30、外はまだ暗い。
湯河原で求めたカマスが4尾で400円。熱海ではミズカマス(ヤマトカマス)とアブラカマス(本カマスとかアカカマスとも)をよく見かけるが、今回は前者だ。鱗が細かく、水っぽい。
つくりかたは常のとおりだが、昆布出汁はわざわざとらず、5センチ角ほどの昆布を直に土鍋に放り込んだ。
konpeito.hatenablog.jp
今回は4尾をまるまる使った豪華版といこう。
熱々を豪快に混ぜ、茶碗によそう。立ち上る湯気がすでに旨い。
秋の到来を噛みしめる。
残ったら冷凍して、茶漬けにまわせばもう一周楽しめることを約束する。