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時速1kmの思考

カマスは炙った皮が旨い

カマス焼き霜

幼少のころからサンマよりカマスに肩入れしていた。サンマを買おうとする母をなんとか思いとどまらせるべくあの手この手で引き留め、それでもダメならなんとか自分の分だけでもカマスにしてくださいと懇願するほど、私は生粋のカマス派である。

サンマの放つ青魚特有の香りも、大人たちがうまいうまいと貪る苦い腹も、子供の舌には理解不能だったのかもしれない。
それに比べてカマスはどうだ。雪のように白くふっくら焼けた身は口のなかでほろりとほどけていく。
皮の焦げた香りも爽やかだ。

そう、カマスは皮が旨い。肴は炙った皮でいい〜♪ と鼻歌が出るほどだ。だから刺身も炙った皮つきが最高なのだ。香ばしさと半生の饗宴。これぞ大人の楽しみといえるんじゃないか。キンキンに冷えたビールがやたら進む。
ついでに内臓が少なくてさばきやすいうえ匂いもあまり強くなく、ゴミ処理が楽なのもポイントが高い。カマス万歳である。

秋といえばみなサンマばかりに御輿に担ぎ出すけれど、カマスだって実は秋を告げる魚。
話はずれるが、近年のサンマの高騰ぶりには眩暈を通り越して卒倒寸前である。高級魚とは言わないが、おいそれと手がでなくなったのは確か。これに乗じてサンマ派がカマスに流れ込んでくるのではないかと、内心ひやひやしている昨今だ。

カマスの焼き霜づくり

カマス焼き霜

三枚おろしにする。

やりかたはアジとほとんど変わらないが、カマスの捌きかたについては『さかな割烹』(p23、かますの焼き霜づくり)がビジュアル的にわかりやすい。
三枚におろしたあと、残った小骨を骨抜きで丁寧に抜き取ること。




出版社 ‏ : 柴田書店 (2019/5/25)
単行本 ‏ : 196ページ
著 者:◎原田 実(はらだ・みのる) ◎武澤剛志(ぶざわ・つよし) ◎山本晴彦(やまもと・はるひこ)

konpeito.hatenablog.jp

皮を炙る。

皮目に塩を少々ふり、火で炙っていく。バーナーや、魚串に刺して直火で炙るなどやりかたはいろいろあるが、てっとり早いのが目の細かくない網にのせてガスの直火で炙ってしまうやり方だ。脂がだらだら流れ落ちないので、コンロもさほど汚れない(もちろん炭火で焼くのに越したことはないのは言うまでもない)。

一口大に切る。

カマス焼き霜

皮が焦げたいい香りがたってきたら、すぐにまな板に移し、包丁の先のあたりで、上から押さえるようにして、ひと思いに切る。包丁を前後にギコギコ動かすと皮が破れやすいのだ。とはいえ破れてしまったやつは下のほうに隠してしまえばいいだけのことなんだが。

醤油とワサビもうまいけど、ポン酢とも相性が抜群である。
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