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時速1kmの思考

小さな鯛で祝杯を

腰痛に悩まされて10年ほどになるが、先月、ついに痛みに耐えかね、病院送りとなった。CTやMRIなどかなり大げさな検査を経て、進撃の巨人のような画像を確認したところ「第4頸椎に軽度のヘルニア」が見つかった。
「で、あるか」。すとんと腹落ちしたと同時に安心した。原因がわかるとこんなにスッキリするものだろうか。清々しい面持ちで病院を出る。病院の敷地内は桜の花びらが舞っていて午後の陽光が眩しい。夏本番の予感だ。大量の薬を携え、浮き足だって帰宅する。

「痛み止めに頼るな」と言われてきた世代だが、痛み止めのおかげでここまでQOLが向上するとは思わなかった。見るものすべてが一変するような、世界が塗り代わったような。もう一歩先にいく気力が沸いてくるのだ。ということで、痛み止めをドロップのように口に放り込む毎日だ。

イオンへ買い出しにでたついでに、中島水産にも足を延ばす。小さいが沼津産の天然の鯛が2尾手に入った。ここは祝杯の献立といきたい。

鯛の湯引き


小さい鯛は、皮ひくの面倒くさいんだが、湯引くか焼き霜にしとけばそれっぽくなる知恵がついたものだから、包丁の技術のなさをひた隠しにして生きている。

  • 鯛を三枚おろしにする。
  • 身に切れ目を入れて、皮を上にしてまな板に並べ、キッチンペーパーを一枚かぶせる。
  • 熱湯をかけたら、氷水で冷やす。水気をきったら、刺身にひく。

鯛うつし豆腐


江戸時代の料理で「うつし豆腐」という、鯛の出汁で食う湯豆腐を思い出し、豆腐を加えた。在庫の筍も添えれば春らしい碗だ。

姫皮飯


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