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時速1kmの思考

熱海レモンの砂糖漬け

国産無農薬だけど売り物にするにはちと厳しいというレモンを、八百屋が大量に届けてくれた。多少黒ずんでいたり傷がついているが、自分的には無問題の品質だ。ジューシーで香りもよい。なにより無農薬のブツが手近にあるというだけで、熱海に移住した甲斐があるなと、常々思っている。

一週間ほどせっせと食べていたが、追いつかない。塩漬けのコンフィはまだ在庫があるし、レモンチェッロにするとうっかり飲み過ぎてしまうので、氷砂糖につけることにした。これでしばらくはジュースを買わなくていいだろう。少しずつ氷砂糖が溶けていくさまをうっとり眺める毎日だ。ときどき上下ひっくり返し、果汁の出が悪ければ氷砂糖を追加してやった。ジュースを育てているといってもいいかもしれない。

いつのまにか氷砂糖の液体は濃い黄色に染まっていた。屋台のかき氷のシロップのようだが、それより澄んだ上品な色だ。
あるカッと気温が上がった4月の昼下がり。背の高いグラスにレモンを2枚、シロップ、炭酸を注ぐ。グラスの縁からパチパチはじける、見事なレモンスカッシュだった。仕事中の家人にだしてみると、カッと目を見開いて「うまい!」とひと言。目の覚める味だという。

先月だろうか。輸入オレンジが円安と不作のため、高騰しているというニュースを目にする。ドールやサンキストなど大手も、果汁がなくなり次第オレンジジュースの販売休止を発表しているではないか。ジュース界を根本から揺るがす事件だ。そういえば数カ月前から、オレンジジュースだけが安くならないのを不思議に思いながら、代わりにリンゴジュースを買っていたことを思い出した。

とにもかくにも、しばらくジュースを買うのはやめて、レモンシロップで夏を乗り切る作戦である。
ちなみに、レモンスカッシュもいいが、温泉あがりのレモンサワーは格別である。


レモンの砂糖漬け

材料

無農薬レモン 2kg スライス
氷砂糖 2kg

つくりかた

  1. 瓶を煮沸する。
  2. レモンをよく洗って、水気をふきとる。
  3. 好みの厚さに切る。
  4. 瓶に砂糖→レモン→砂糖→レモン→砂糖と重ねていく。最後は砂糖で覆い、蓋をしめて常温で保管。